新日本プロレス年末最後のイベント『WORLD TAG LEAGUE』。
新日本プロレスのみならず世界中の団体から精鋭のタッグチームが集結し、激しい闘いを繰り広げるこの大会は、まさにタッグチームによる頂上決戦だ。1.4東京ドームの最後のカードが、この大会の優勝者に与えられることとなる。
2012年の第1回『WORLD TAG LEAGUE』から全ての公式戦700戦以上を集計。歴代優勝者から、最長決勝戦、最多優勝者、最年少優勝者など、さまざまな『WORLD TAG LEAGUE』の記録をまとめてみた。
新日本プロレスの最後の決戦『WORLD TAG LEAGUE』をより楽しめるよう、いろいろなデータをみてみよう。
『WORLD TAG LEAGUE』とは
『WORLD TAG LEAGUE』は2012年から毎年冬に開催される新日本プロレスのヘビー級のタッグマッチのリーグ戦である。
通常、Aブロック・Bブロックの2ブロックに分かれリーグ戦形式で試合を行い、各ブロックの1位が優勝決定戦へ進出できる。公式戦は勝利で2点、引き分けは1点、敗北は0となっている。
この大会の魅力は、シングルマッチとは異なるタッグならではの連携プレーや、個々の選手の強さだけでなく、チーム全体の戦略が試される点にある。初タッグのチームはシリーズ中に連携技が生まれることもある。また、タッグチームの中には初参戦の新顔や、他団体からのスペシャルなチームも多く、予測不可能な展開がファンを惹きつける。
例年、優勝者は1.4東京ドームで、IWGPタッグ王座に挑戦することとなる。1.4東京ドームの最後のカードを決定する重要なシリーズとも言える。
『WORLD TAG LEAGUE』歴代優勝者
| 回(年) | 優勝(年齢) | 準優勝(年齢) | 参加数 |
|---|---|---|---|
| 第1回(2012) | 後藤 洋央紀(33) カール・アンダーソン(32) | ランス・アーチャー(35) デイビーボーイ・スミスJr.(50) | 14 |
| 第2回(2013) | カール・アンダーソン(33) ドク・ギャローズ(29) | 天山 広吉(42) 小島 聡(43) | 14 |
| 第3回(2014) | 後藤 洋央紀(35) 柴田 勝頼(35) | カール・アンダーソン(34) ドク・ギャローズ(30) | 16 |
| 第4回(2015) | 真壁 刀義(43) 本間 朋晃(39) | 内藤 哲也(33) EVIL(28) | 14 |
| 第5回(2016) | 真壁 刀義(44) 本間 朋晃(40) | タマ・トンガ(34) タンガ・ロア(33) | 16 |
| 第6回(2017) | SANADA(29) EVIL(30) | タマ・トンガ(35) タンガ・ロア(34) | 16 |
| 第7回(2018) | SANADA(30) EVIL(31) | タマ・トンガ(36) タンガ・ロア(35) | 14 |
| 第8回(2019) | ジュース・ロビンソン(30) デビッド・フィンレー(26) | SANADA(31) EVIL(32) | 16 |
| 第9回(2020) | タマ・トンガ(38) タンガ・ロア(37) | ジュース・ロビンソン(31) デビッド・フィンレー(27) | 10 |
| 第10回(2021) | 後藤 洋央紀(42) YOSHI-HASHI(39) | EVIL(34) 高橋 裕二郎(40) | 12 |
| 第11回(2022) | 後藤 洋央紀(43) YOSHI-HASHI(40) | マーク・デイビス(32) カイル・フレッチャー(23) | 10 |
| 第12回(2023) | 後藤 洋央紀(44) YOSHI-HASHI(41) | ヒクレオ(32) エル・ファンタズモ(37) | 16 |
| 第13回(2024) | 内藤 哲也(42) 高橋 ヒロム(35) | ゲイブ・キッド(27) SANADA(36) | 16 |
過去の12回の大会のうち、複数回優勝しているのは真壁&本間組(2回)、SANADA&EVIL組(2回)、毘沙門(3回)と合計7回も複数回優勝タッグチームが占めている。これは即席のタッグチームではなかなか優勝することが難しいこと意味している。
1回しか優勝していないタッグチームは5組。そのうち準優勝も経験しているのは3組。やはり複数回出場している実績のあるタッグチームでないと優勝は難しいようだ。
2014年の後藤&柴田チームの優勝以来、初参戦での優勝はない。
そして、残念なことに優勝したタッグチームは今はほとんど見ることはできない。今でも見れる優勝タッグチームは、毘沙門の後藤 & YOSHI-HASHIと真壁 & 本間の2チームのみ。推しチームは推せるときに推しておこう。
SANADA選手がヒール転向したので、もしかしたらSANADA & EVILもどこかで見れるかもしれない。このチームの復活するのは魅力的だ。
『WORLD TAG LEAGUE』優勝回数ランキング
| Name | 優勝回数 | 準優勝回数 | 決勝進出回数 |
|---|---|---|---|
| 後藤 洋央紀 | 5回 | 0回 | 5回 |
| YOSHI-HASHI | 3回 | 0回 | 3回 |
| EVIL | 2回 | 3回 | 5回 |
| SANADA | 2回 | 2回 | 4回 |
| カール・アンダーソン | 2回 | 1回 | 3回 |
| 真壁 刀義 | 2回 | 0回 | 2回 |
| 本間 朋晃 | 2回 | 0回 | 2回 |
| タマ・トンガ | 1回 | 3回 | 4回 |
| タンガ・ロア | 1回 | 3回 | 4回 |
| 内藤 哲也 | 1回 | 1回 | 2回 |
| ドク・ギャローズ | 1回 | 1回 | 2回 |
| ジュース・ロビンソン | 1回 | 1回 | 2回 |
| デビッド・フィンレー | 1回 | 1回 | 2回 |
| 高橋 ヒロム | 1回 | 0回 | 1回 |
| 柴田 勝頼 | 1回 | 0回 | 1回 |
| 高橋 裕二郎 | 0回 | 1回 | 1回 |
| ゲイブ・キッド | 0回 | 1回 | 1回 |
| 天山 広吉 | 0回 | 1回 | 1回 |
| カイル・フレッチャー | 0回 | 1回 | 1回 |
| デイビーボーイ・スミスJr. | 0回 | 1回 | 1回 |
| マーク・デイビス | 0回 | 1回 | 1回 |
| エル・ファンタズモ | 0回 | 1回 | 1回 |
| 小島 聡 | 0回 | 1回 | 1回 |
| ヒクレオ | 0回 | 1回 | 1回 |
| ランス・アーチャー | 0回 | 1回 | 1回 |
『WORLD TAG LEAGUE』では2023年までに13名の選手が優勝に輝いている。なかでも後藤洋央紀選手が5回の優勝をしている。初回の2012年、2014年、2021年から3連覇という偉業を達成している。
準優勝も含めると、EVIL選手は優勝決定戦に5回進出しており、後藤選手と同じ回数となっている。
また、カール・アンダーソン選手は2回優勝しているが、パートナーが後藤洋央紀(2012年)と、ドク・ギャローズ(2013年)と違う選手と組んで連覇するという珍しい記録を作っている。
『WORLD TAG LEAGUE』出場回数TOP20
| Rank | NAME | COUNT |
|---|---|---|
| 1 | 矢野 通 | 12回 |
| 2 | YOSHI-HASHI | 12回 |
| 3 | 高橋 裕二郎 | 12回 |
| 4 | 後藤 洋央紀 | 11回 |
| 5 | 棚橋 弘至 | 10回 |
| 6 | EVIL | 10回 |
| 7 | 石井 智宏 | 10回 |
| 8 | バッドラック・ファレ | 10回 |
| 9 | 鈴木 みのる | 9回 |
| 10 | HENARE | 9回 |
| 11 | 小島 聡 | 9回 |
| 12 | 永田 裕志 | 9回 |
| 13 | 真壁 刀義 | 9回 |
| 14 | 天山 広吉 | 9回 |
| 15 | タマ・トンガ | 8回 |
| 16 | SANADA | 8回 |
| 17 | 中西 学 | 8回 |
| 18 | ランス・アーチャー | 8回 |
| 19 | 本間 朋晃 | 7回 |
| 20 | 内藤 哲也 | 7回 |
出場回数は、高橋裕二郎選手が初回(2012年)から12回連続出場でトップとなっている。残念ながら2024年はノミネートされおらず、唯一の皆勤賞だった裕二郎選手の記録は、2024年でYOSHI-HASHI選手と並ぶこととなる。
ベテラン選手がランクインしている中、8回でランクインしているのがHENARE選手だ。2024年はついにIWGPタッグ王者としての参戦となる。HENARE選手は2016年からヘナーレ、トーア・ヘナーレ、アーロン・ヘナーレ、HENAREとリング名を4回変えての連続参戦となる。長い下積みと変化する努力を続けるHENARE選手の経歴が垣間見える。
『WORLD TAG LEAGUE』対戦勝率ランキング TOP10
『WORLD TAG LEAGUE』での全対戦成績から、参加選手の勝率ランキングにしたのがこちらだ。
公式戦を20試合以上している選手を対象としている。
| Rank | Player | 計 | 勝 | 敗 | 分 | Rate |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | SANADA | 81 | 59 | 22 | 0 | 72.8% |
| 2 | タンガ・ロア | 66 | 47 | 19 | 0 | 71.2% |
| 3 | デイビーボーイ・スミスJr. | 41 | 28 | 13 | 0 | 68.3% |
| 4 | カール・アンダーソン | 28 | 19 | 9 | 0 | 67.9% |
| 5 | タマ・トンガ | 79 | 52 | 27 | 0 | 65.8% |
| 6 | EVIL | 96 | 62 | 34 | 0 | 64.6% |
| 7 | 内藤 哲也 | 53 | 34 | 19 | 0 | 64.2% |
| 8 | ジュース・ロビンソン | 53 | 34 | 19 | 0 | 64.2% |
| 9 | YOSHI-HASHI | 101 | 64 | 36 | 1 | 63.4% |
| 10 | ランス・アーチャー | 72 | 45 | 27 | 0 | 62.5% |
ランキングTOP1は、SANADA選手。勝率は頭ひとつ飛び抜けている。2016年に初出場し、EVIL選手とのタッグで2回の優勝と1回の準優勝という好成績を残す。その他の大会でも鷹木選手、内藤選手といずれも強力なパートナーと組んでの参戦で好成績を残している。
続く2位はタンガ・ロア選手。タマ・トンガ選手とのタッグで、優勝1回、準優勝3回と好成績を残している。あれ? タマ・トンガ選手はなぜいないの? と思ったが、タマ・トンガはタンガ・ロアとタッグを組む前は、バッドラック・ファレ選手とタッグを組んでいたので勝率が違くなっている。
3位はデイビーボーイ・スミスJr.選手。ランス・アーチャー選手とのタッグで5回参戦し、第1回大会で準優勝。圧倒的な存在感でタッグリーグを盛り上げている。あれ? ランス・アーチャー選手はなぜいないの? と思ったが、ランスは鈴木みのる選手、アレックス・ゼイン選手とタッグを組んでいるため勝率が違うようだ。

