【オカダ・カズチカ vs 棚橋弘至】を徹底比較!スター対決<プロフィール・勝率・対戦成績etc>

データで楽しむプロレス

2024年1月、オカダ・カズチカ退団という衝撃的なニュースが流れた。未だに心がざわついている方もきっと多いはずだ。いまだオカダ選手の新日ラストマッチは発表されていないが、2.11 大阪で棚橋選手とのスペシャルシングルマッチが組まれることとなった。

『レインメーカーショック』は、棚橋 vs オカダ戦から始まって、棚橋 vs オカダ戦で収束をすることとなる(ラストマッチはまだだけど)。

二人の戦いの歴史は、新日本プロレスの歴史でもある。そんな二人のプロフィールや戦績を徹底比較。最後になるであろうシングルマッチをとことん味わおう。

徹底比較!プロフィール

二人の年齢差は11歳。誕生日は5日違い。二人とも11月生まれのさそり座の男である。キャリアでは、棚橋選手が5年先輩。オカダ選手は17歳でデビュー、棚橋選手は23歳でデビューしている。棚橋選手の方が先輩ではあるが、オカダ選手の方が若くからプロレスに接している。

フィジカル面では、オカダ選手が191cmで棚橋選手よりも10cm高い。日本人で190cmを超える選手は数えるほどしかいない。体重はオカダ選手が107kg、棚橋選手が101kgとなっているが、棚橋選手の公表体重はとても怪しい。SNSで棚橋選手は「予想より10kg重かった」と発言しているため、最低でも110kg以上は超えているものと思われる。たぶん、もっといってそう…若いときと全然違っている…

すべては棚橋社長のコンディションにかかっている。

オカダ・カズチカ棚橋 弘至
生年月日1987/11/81976/11/13
年齢36 才47 才
出身地愛知県岐阜県
デビュー2004/8/291999/10/10
キャリア19年目24年目
身長191 cm181 cm
体重107 kg101 kg
血液型A型O型

徹底比較!レスラースペック

オカダ選手は160kgのジョナやファレを投げるパワーがある。スピードもロープワークのトップスピードは凄まじく早い。あの体であのスピードを出されたら対戦相手はたまらない。ドロップキックも上から突き刺さるような跳躍力をみせる。そして、何よりも超人的なスタミナだ。無尽蔵にある。なんなら試合時間30分過ぎた頃から、若干回復してくる。ケニー・オメガ選手との60分越えの1時間4分50秒の試合は、新日本プロレス公式サイトでの最長試合である。このときはケニー選手に負けてるけど…。ケニーもまたバケモノだ。

一方、棚橋選手は選手としてはピークを過ぎ、おそらく体もボロボロになっているはずだ。しかし、コンディンションに合わせながら、ファイトスタイルを変化させている。体を大きくし、自身のフィニッシュホールド「ハイフライフロー」の威力・説得力を増している。ドラゴン張り手、ドラゴンスクリュー、丸め込み、多様な技で試合の流れを一変させ、場を支配するテクニックがある。

そして、両選手とも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれる。入場時にはコーナーポストでじっくりと四方八方にポージングをしてくれる。絶好のフォトチャンスだ。二人の写真はいつも綺麗に撮れる。圧倒的な華とカリスマ性。この二人が対角に立つのが今回が最後となる。それだけで、なんか泣きそうだ。試合開始前にものすごい大歓声になるんだろうなぁ。

試合自体は、オカダ選手が有利なのは間違いない。しかし、この二人の戦いは勝敗ではなく、戦いを通じて何を語り合うのかを見届ける試合だ。新日本を旅立つものと、新日本を守るもの。二人だけにしかできない最後の戦いを、しっかりと心で感じたい。

徹底比較!シングルマッチ勝率

オカダ・カズチカ棚橋 弘至
シングル試合数286471
シングル勝利数188298
シングル勝率65.7%63.3%
メインイベント数141205
メインイベント率49.3%43.5%
総試合時間89:53:22129:31:29
平均試合時間 0:18:51 0:16:29

シングルマッチの勝率推移

シングルマッチのメインイベント率の推移

※集計期間:2007/5〜2024/6の新日、STARDOMの試合

グラフで「レインメーカーショック」がいつ起きたのかは一目瞭然だ。新日本プロレスで何が起きたのかは、二人のシングルマッチの勝率からも読み取れる。

2000年代の新日本プロレスの暗黒時代を、エースとして支え続けた棚橋選手。シングルマッチの勝率では、2011年頃から徐々に右肩下がりとなっている。2020年以降は勝率50%を切ってしまうこともある。かつてのエースは、確実にピークを過ぎてしまった。それに代わるかのようにオカダ選手が現れた。2012年のレインメーカーショック以来、オカダ選手は勝率75%以上の高水準キープ。オカダ選手のコンディションの安定感が勝率からも読み取れる。12年間、勝率が変わらない。1ヶ月もジム通いが続かない私とは、比較にならないプロ意識だ。

そして、レインメーカーショックの影響は、メインイベント率にも表れている。2013年にメインイベント率で、オカダ選手は棚橋選手を抜かした。それ以降、一度も棚橋選手は、オカダ選手を抜くことはできなかったのだ。レインメーカーショックは、オカダ選手が名実ともに頂点に立ったことを決定的にした。

レインメーカーショックは、単なる二人の間でのライバル争いではない。新日本プロレスの歴史においても、重要な転換点だった。アントニオ猪木が築いた昭和プロレスの遺産を、棚橋選手が新しく築き上げた。その新しいプロレスを、猪木の影がないオカダ選手が受け継いで、新日本プロレスの「新時代」を完成させたのである。

ちなみにレインメーカーショックの年は、新日本プロレスの親会社がブシロードになった年でもある。2012年に新日本プロレスは、プロレスも経営も全て刷新されたのだ。

オカダ・カズチカ vs 棚橋弘至 対戦成績

オカダ・カズチカVS棚橋 弘至
9 win3draw5 win
2010.1.31
0:13:26
ハイフライフロー
2012.2.12 IWGPヘビー級王座
0:23:22
レインメーカー
2012.6.16 IWGPヘビー級王座
0:28:06
ハイフライフロー
2013.1.4 IWGPヘビー級王座
0:33:34
ハイフライフロー
2013.4.7 IWGPヘビー級王座
0:31:41
レインメーカー
2013.8.10 『G1 CLIMAX』
0:30:00
時間切れ引き分け
2013.10.14 IWGPヘビー級王座
0:35:17
レインメーカー
2015.1.4 IWGPヘビー級王座
0:30:57
ハイフライフロー
2016.1.4 IWGPヘビー級王座
0:36:01
レインメーカー
2016.8.12 『G1 CLIMAX』
0:30:00
時間切れ引き分け
2018.5.4 IWGPヘビー級王座
0:34:36
レインメーカー
2018.8.10 『G1 CLIMAX』
0:30:00
時間切れ引き分け
2018.9.23 IWGPヘビー級王座挑戦権利証争奪戦
0:35:43
ハイフライフロー
2019.7.6 『G1 CLIMAX』
0:22:04
レインメーカー
2021.9.19 『G1 CLIMAX』
0:29:36
レインメーカー
2023.2.19 IWGP世界ヘビー級王座
0:21:08
レインメーカー
2024.2.11
0:16:50
レインメーカー

二人の直接対決は2024年2月10日時点で、オカダ選手の8勝5敗3分

初対決は、2010年のオカダ・カズチカ壮行試合。試合内容は当時すでにチャンピオン経験もある棚橋選手が圧倒している。壮行試合のコメントで、オカダ選手は「バケモノになって帰ってきます」とコメントを残す。

次の対戦は、凱旋帰国したオカダ選手と、連続防衛記録V11を達成したばかりの棚橋選手との一戦。これが「レインメーカーショック」の戦いだ。そこから棚橋 vs オカダは新日本プロレスの黄金カードとなる。IWGPのタイトルマッチはなんと9戦。勝率はオカダ選手の6勝3敗となっている。オカダ選手は棚橋選手の歴代連続防衛記録のV12を防ぐ。そして、オカダ選手自身のV12の対戦相手には、棚橋選手が挑戦表明。オカダ選手は見事防衛し、連続防衛記録でも、棚橋選手を超え歴代連続防衛記録1位となる。

また「G1 CLIMAX」公式戦での直接対決は5戦。勝率はオカダ選手の2勝3引き分け。二人の戦いに30分は短すぎるため、時間切れ引き分けが多い。さらに、二人の対戦カードは、3度も東京ドームのメインイベントになっている。ドームのメインでの勝率は棚橋選手の2勝1敗となっている。

そして、二人の試合のフィニッシュは「ハイフライフロー」と「レインメーカー」しかない。ここからも二人のまっすぐな戦いっぷりがわかる。二人の戦いに小細工はいらない。

オカダ・カズチカ vs 棚橋弘至 のベストバウト

どれがベストバウトかは最早わからないけど、「レインメーカーショック」の試合は見ておいて損はないはず。最初はオカダ選手に懐疑的だった観客が、徐々にオカダ選手に熱狂していく様子がわかる。

棚橋弘至 VS オカダ・カズチカ
2012.2.12 エディオンアリーナ大阪「IWGPヘビー級選手権」

https://watch.njpwworld.com/player/39759/series?assetType=series&shw_ep=1

二人の初対決の試合はこちらのYouTubeで見れます。

▼2010.1.31 ディファ有明 オカダ・カズチカ壮行試合

まとめ

2012年2月12日、エディオンアリーナ大阪での「レインメーカーショック」から丸12年。
2024年2月11日、エディオンアリーナ大阪で最後のシングルマッチを行う。

ヤングライオンの岡田選手の壮行試合の対戦相手の棚橋選手が、新日本の顔となったオカダ選手の壮行試合を行う。これほどふさわしい対戦相手はいない。二人の一挙手一投足を見届けたいと思う。

あとは、棚橋社長のお腹のコンディションに期待するばかりだ。

それでは、一緒に素晴らしきプロレスライフを!