【新日】1.4 WRESTLE KINGDOM 全大会をデータで振り返る<イッテンヨンの主役は誰だ?>

データで楽しむプロレス

「レッスル・キングダム」。それは、新日本プロレスの年間最大イベントで、通称「1.4(イッテンヨン)」とも呼ばれる東京ドーム大会。東京ドーム大会自体は1992年から開催されているが、「レッスル・キングダム」という名前で冠されたのは2007年が初めてである。

今回は2007年からの「レッスル・キングダム(東京ドーム大会)」の観客動員数、出場回数、メインイベント勝率などを集計してみた。

イッテンヨン東京ドーム大会の主役はいったい誰のものなのか?

※今回の集計では、レッスルキングダムとは別で開催された2021.7.25の東京ドーム大会も含めています。公式サイトに掲載されていない観客動員数はwikiを参照しています。

レッスル・キングダムとは

そもそも「レッスル・キングダム」とはなんなのか。

2007年、新日本プロレス創立35周年に全日本プロレスの全面協力のもと、第1回「レッスル・キングダム」が開催。そこから、毎年1.4に行われる恒例の東京ドーム大会を「レッスル・キングダム」と呼ぶようになった。

当初は他団体との団体対抗戦の色が強かったドーム大会だが、近年では新日本プロレス単体で試合を組まれている。スペシャルゲストとして海外からスター選手を呼ぶことも多い。そして、ほとんどの試合がタイトルマッチかスペシャルシングルマッチ。それはもう、年に1回のお祭り騒ぎ大イベントなのである。

東京ドーム大会は、新日本プロレスの1年間の集大成であり、すべては東京ドーム大会に始まり、東京ドーム大会に終わると言っても過言ではない。東京ドーム大会への出場は、プロレスラーにとっても大きな意味を持つ。東京ドームのメインイベントへの出場は、その年を象徴するレスラーであることの証である。1年間でメインイベントを務めることができるのはたった2人。東京ドームのメインイベントは、プロレスラーにとって最高の名誉なのである。

メインイベントでは例年、「G1 CLIMAXの優勝者」と「IWGP王者」とのタイトルマッチが組まれる。つまり、ドームのメインに立つには、G1 CLIMAXを優勝するか、IWGP王者で防衛を続けるかの二択しかない狭き門となるのだ。(例外もあったけど)

そんな日本プロレス界の最大のイベントが、「1.4 レッスル・キングダム」なのである。

東京ドーム大会の観客動員数

まずは東京ドーム大会の観客動員数の推移をみてみよう。

※集計期間:2007/5〜2024/5の新日、STARDOMの試合

新日本プロレスは観客動員数の集計方法を二度変更している。

2007年から2012年までは、チケット販売数に招待客を含めた数字になっている。そのため、実際に来場していない人も含まれ、かなりのどんぶり勘定。2013年から2015年は有料入場者数の発表となった。2015年の中盤からは、入場者数の実数での発表となっている。有料入場者数と実数の違いが全くわからないが、より実際の数字に近づいたということだと思う。時代と共に正確な数字の発表が求められるようになってきた。

そのため、集計方法が変更になったタイミングの2013年、2016年に観客動員数が落ち込んでいる。集計方法が違うので、数字を比較するのは意味がない。ここでは実数発表形式となった2016年からの観客動員数だけを見ていきたい。

2016年からは2020年までは順調に右肩上がりとなっている。2020年に観客動員数が倍増しているのは、実際に1.4と1.5と東京ドーム2連戦にして倍増しているからである。2020.1.4が40008人満員、1.5が30063人。この年は、IWGPヘビー級王座とIWGPインターコンチネンタル王座の二冠戦で大きく話題を呼んだ。おそらく新日本プロレスはこのまま行けば、2020年の年間の観客動員数は過去最高になるはずだった。

しかし、コロナがやってくる。大会の自粛が続き、無観客での試合を余儀なくされることとなる。

翌年2021年もコロナ禍にも関わらず、1.4、1.5と東京ドーム2連戦を実施する。さらに、夏にもドーム大会を実施。しかし、ドーム大会を合計3大会も開催して25879人。7.25のドーム大会に至っては5389人という悲惨な数字となっている。両国国技館より少ないどん底の数字である。

2022年も引き続き、1.4、1.5と東京ドーム大会を開催。しかし、声援を出すこともできず、外国人レスラーを多く呼ぶこともできず、集客は伸びなかった。

そして、2023年は1.4の1大会のみ。ひさびさの声出し観戦となり、外国人選手も呼べるようになった。1大会で26085人。2017年の動員数の水準まで戻してきた。ウィル・オスプレイ vs ケニー・オメガという超強力なドリームマッチがあったのも集客に貢献したと思われる。ようやく新日本プロレスはどん底の時期を脱したようだ。

ここから新日本プロレスの東京ドーム満員御礼への反撃が始まるに違いない。

東京ドーム大会参加回数ランキングTOP10

次に、東京ドーム大会への参加回数が多い選手をランキング形式でみてみよう。

RankNAMECOUNT
1矢野 通22
2後藤 洋央紀20
3真壁 刀義20
4棚橋 弘至20
5オカダ・カズチカ19
6田口 隆祐19
7永田 裕志19
8内藤 哲也18
9石井 智宏17
10タイガーマスク16

当然、キャリアが長い選手がランキング上位を占める。意外なのは棚橋選手よりも矢野選手の方が、出場回数が多いことである。矢野選手は2022年までは唯一の東京ドーム皆勤賞だ。田口選手や真壁選手はタイトルマッチが組まれていなくても、参戦が続いているためランキング入りしている。

2023年、2024年のメインをつとめているオカダ選手、内藤選手も、今の選手としてしっかりとランクイン。これからも記録を伸ばしていって欲しい。

東京ドーム大会メインイベント回数ランキング

レスラーの憧れ、1.4東京ドーム大会のメインイベントをつとめた選手をランキング形式でみてみよう。

RankNAMECOUNT
1オカダ・カズチカ10
2棚橋 弘至10
3内藤 哲也4
4中邑 真輔3
5飯伏 幸太3
6小島 聡2
7ジェイ・ホワイト2
8鷹木 信悟2
9武藤 敬司2
10ケニー・オメガ2
11高山 善廣1
12蝶野 正洋1
13鈴木 みのる1
14天山 広吉1
15ウィル・オスプレイ1
16SANADA1

※ダブルメインイベントは最後の試合のみをカウント

棚橋選手、オカダ選手が圧倒的にメインイベントの回数が多い。ずば抜けている。さらに「オカダ vs 棚橋」のカードがメインだったのは、2013年、2015年、2016年と3回もある。同じカードを4年で3回行うなんて、どれだけ2強時代が長く続いていたのかがわかる。

また、かつてメインをつとめた中邑真輔、ジェイ・ホワイト、飯伏幸太、ケニー・オメガ、ウィル・オスプレイは、もう新日本プロレスにはいない中邑選手はWWE、その他の4選手はAEWに移籍。新日本プロレスのメインイベンターは海外団体に移籍しがちだ。海外スター育成団体みたいになってしまっている。

新日本プロレスでは1月末で契約が更改される。それゆえ、東京ドーム大会が退団選手の最後のビッグマッチとなることが多い。中邑真輔選手も、ケニー・オメガ選手も、ジェイ・ホワイト選手も、ウィル・オスプレイ選手も1月末で退団となっている。

悲しいことに、東京ドーム大会は、大スターの新日本プロレス最後のビッグマッチでもあるのだ。

東京ドーム大会勝率ランキングTOP20

次に、東京ドーム大会出場選手の勝率をみてみよう。
出場回数が3回以上の選手に限定して勝率を集計してみた。

RankPlayerRate
1蝶野 正洋4400100%
2バレッタ431075%
3長州力431075%
4井上 亘752071.4%
5プリンス・デヴィット752071.4%
6中邑 真輔1073070%
7棚橋 弘至20146070%
8鷹木 信悟963066.7%
9真壁 刀義20137065%
10矢野 通22148063.6%
11高橋 ヒロム1174063.6%
12オカダ・カズチカ19127063.2%
13武藤 敬司532060%
14キャプテン・ニュージャパン532060%
15後藤 洋央紀20128060%
16デビッド・フィンレー532060%
17EVIL1063060%
18タマ・トンガ1275058.3%
19ザック・セイバーJr.954055.6%
20BUSHI1376053.8%

まさかの蝶野選手が東京ドーム勝率100%。蝶野選手は「夏男」だけではなく、「東京ドーム男」でもあるようだ。

現役の新日選手の中では鷹木選手が頭一つ飛び抜けている。次点で高橋ヒロム選手、棚橋選手、が続いている。意外にもオカダ選手は東京ドーム大会では勝率が伸びていない。

東京ドーム大会タイトルマッチの勝率ランキングTOP20

続いては、東京ドーム大会での、タイトルマッチでの勝率をみてみよう。先ほどは全試合の勝率だったが、タイトルマッチに絞り込んだらどう変わるのかを見てみたい。タッグのタイトルマッチなども含めて勝率を見てみる。

RankPlayerRate
1TJP2200100%
2EVIL6600100%
3フランシスコ・アキラ2200100%
4中邑 真輔651083.3%
5プリンス・デヴィット541080%
6デビッド・フィンレー431075%
7バレッタ431075%
8棚橋 弘至15114073.3%
9オカダ・カズチカ1183072.7%
10ロビー・イーグルス321066.7%
11ジョン・モクスリー321066.7%
12鷹木 信悟642066.7%
13柴田 勝頼321066.7%
14矢野 通963066.7%
15真壁 刀義853062.5%
16BUSHI532060%
17後藤 洋央紀1275058.3%
18高橋 ヒロム743057.1%
19SANADA633050%
20天山 広吉211050%

なんということでしょう!EVIL選手とモクスリー選手が100%の勝率。つまり、この二人が東京ドームでタイトルマッチを組まれると100%勝つということである(2023年12月現在)。よく覚えとけ!

ということは、次のタイトルマッチはモクスリー選手が、、、。いつまでこの記録が続くのか見守りたい。

そして、タイトルマッチになるとやはりオカダ選手が強い。一気に勝率をあげてきた。そもそもドームで11回もタイトルマッチをしているのが、すごい。強いチャンピオンという印象は、数字でも明らかなようだ。しかし、それよりも勝率がいいのが鷹木選手。さらなる記録更新に期待だ。

そして、ここにランクインしてきていないのが内藤選手。内藤選手のドームでのタイトルマッチ勝率は低い

東京ドーム大会メインイベント勝率ランキング

最後に、メインイベントの勝率を見てみよう。2007年から2023年の16年間でメインイベントに立てた人間はたったの15人。その中で誰が一番勝率がよかったのか見てみよう。

RankPlayerRate
1蝶野 正洋1100100%
2オカダ・カズチカ1073070%
3棚橋 弘至1073070%
4飯伏 幸太321066.7%
5中邑 真輔321066.7%
6武藤 敬司211050%
7鷹木 信悟211050%
8内藤 哲也422050%
9ジェイ・ホワイト20200%
10ケニー・オメガ20200%
11高山 善廣10100%
12小島 聡20200%
13ウィル・オスプレイ10100%
14天山 広吉10100%
15鈴木 みのる10100%
16SANADA10100%

※ダブルメインイベントは最後の試合のみをカウント

蝶野選手はここでも100%。実質、引退しているのに近いので、今後もこの記録が変わることはないだろう。100%の勝率のままトップとなりそうだ。

そして、次点が棚橋選手、オカダ選手。いかにこの二人が新日本プロレスの象徴として、新日本のリングのど真ん中に立ち続けているかを物語っている。この二人だけで2023年までの22大会のうち実に14大会ものメインの勝利を飾っている。そもそもメインイベントに10回も立っている。次に回数が多い選手は、中邑選手、飯伏選手、内藤選手の3回。3倍以上の差が開いている。

2007年から始まったレッスルキングダム。2023年までの16年の間で、メインイベントで勝利した選手はたったの8人。2年に一人しかいないのである。東京ドームのメインで勝つということ。それはG1の優勝やIWGPのタイトルを巻くことよりも、困難で貴重で価値があることだ。

内藤選手の夢である「1.4 東京ドームメインイベントで勝ち、デ・ハポンの大合唱をする」ことは、プロレスラーとして頂点に立つということなのである。内藤選手は過去メインで1度しか勝利をしていない。それゆえ、2020年にその夢を破壊したKENTA選手は「史上最悪の乱入者」と呼ばれるのである。

ちなみに外国人選手は、一度もメインイベントでは勝ったことがない。そして、メインイベントに立った外国人選手、ジェイ、ケニー、オスプレイは全員AEWへ移籍している。

まとめ

東京ドーム大会は、レスラーの夢が叶う場所であり、スターの最後のビッグマッチの場所でもある。ぜひとも現地で観戦したい。東京ドームはでかい。2階席からではリングは小さく、ほぼモニターを見て過ごす。でも、1.4東京ドームは参加することに意義がある。歴史の瞬間に立ち会えることは、一生の思い出になる。

プロレスファンの年明けは、東京ドームで初観戦だ。

KENTA
KENTA

結局、何が言いたいかっていうと、東京ドーム大会はすごいよってこと