【EVIL】完全攻略ガイドだ!よく覚えとけ!<全対戦成績・プロフィール etc>

選手名鑑

新日本プロレスのリングで、揺るがぬ悪行を貫き通すレスラーがいる。その名の通り”EVIL”選手だ。

観客からのヘイトを一身に浴びながらも、揺らぐことがない悪行三昧。逆に堂々とした貫禄ある姿に、プロとしての美学すら感じる。コロナ禍で外国人ヒール選手が来日できなかったとき、新日本プロレスの悪を背負ったEVIL選手。プロレスを輝かせるには、闇もまた深くなければいけないのだ。

EVIL選手は、NEVER無差別級6人タッグを6度戴冠、その累計保持日数は852日に及ぶ。これはNEVER6人史上、最高記録だ。『WORLD TAG LEAGUE』も2連覇を達成。確かな実力の持ち主だ。

今回は、そんなEVIL選手の経歴や対戦成績に光を当ててみようと思う。

EVIL

キング・オブ・ダークネス
団体新日本プロレス
ユニットHOUSE OF TORTURE
生年月日1987/1/26 ( 37 才)
出身地静岡県/三島市
デビュー2011/5/13 ( 13 年)
デビュー戦高橋広夢
得意技EVIL、ダークネスフォールズ
身長178 cm
体重106 kg
血液型O 型
入場曲EVolve
Twitter@151012EVIL
好きなものなし

EVILのパラメータ

総合点 46/60点

新日本プロレスの悪”EVIL”。

彼の魅力のひとつは、そのパワーだ。分厚い体と、頑丈な足腰で、相手を軽々と宙に持ち上げる。特にダークネスフォールズは、美しいフォームで相手を空中に投げ飛ばす。ラリアットも強烈だ。トップスピードまで一気に加速。体を預けた重い一撃。反則攻撃ばかりが目立ちがちだが、「あ、ほんとは強いんだな」と思わせてくれる。

スタミナもかなりのものだ。仲間の助けが入れば、どんなフィニッシュホールドをくらっても復活する。「決まった!」と思ったところから、もう一波乱起こすことができるのが、EVIL選手とその仲間たちだ。反則だから、よい子はマネしちゃだめだけど。

なかでもEVIL選手は、受け身がうまい。新日本随一のうまさと言ってもいい。どんな技でも思いっきり正面から受けて、恐れ慄く顔芸とともに派手に倒れる。受けがうまい選手が、プロレスを盛り上げる。

一撃必殺のフィニッシュホールド「EVIL」のフォームも素晴らしい。左手を高らかにあげ、右足を大きく蹴り上げる予備動作。この瞬間に会場は一気に「イー」と叫び声があがる。EVILが炸裂するのか、切り返されるのか、ドーパミンが大噴出する瞬間だ。オカダ選手の「レインメーカー」と並ぶ、名必殺技だと思う。

そして、最高なのがパフォーマンスだ。会場の憎しみのブーイングを一身に受ける。金的、介入、凶器攻撃、暗闇、レフェリーへの攻撃。反則攻撃の玉手箱。ベルトを強奪してチャンピオンTシャツを自主制作したり、やりたい放題である。そうかと思えば、仲間も全員撃退されて、犬小屋に閉じ込められたりとやられっぷりも豪快だ。試合中の声もよく出ている。攻めても、受けても大絶叫。普通の体固めを返されただけでも、「ウオー!」と叫びレフェリーに抗議。まさにヒールの鑑だ。

そして、EVIL選手の決めセリフといえば「よく覚えとけ!」。コメントの最後に「よく覚えとけ!」を付ける。敬具と同じ使い方だ。毎回「よく覚えとけ!」と言われるので、よく覚えられないという弊害もある。EVIL選手の覚えとかせる量はMAX10だ。わかったか。よく覚えとけ!

EVILの必殺技『EVIL』

EVILのムーブ

選手名コール時のアピール

「イービル!」のリングアナコールに合わせて、カメラがブリブリンってする。

試合中のムーブ

場外の鉄柵攻撃を、阿部リングアナに向けて行い、ひっくり返す

決めセリフ

よく、覚えとけ!

先月までの最新試合結果

※新日本、スターダムでの試合限定
2024.6.23 かみす防災アリーナ
ティタン
BUSHI
内藤 哲也
辻 陽太
VS 成田 蓮
SHO
ディック東郷
EVIL
0:11:31 デスティーノ
2024.6.22 福島トヨタ クラウンアリーナ
ティタン
BUSHI
内藤 哲也
辻 陽太
VS 成田 蓮
SHO
金丸 義信
EVIL
0:12:08 デスティーノ
2024.6.19 岩手県営体育館
BUSHI
ティタン
内藤 哲也
辻 陽太
VS ディック東郷
成田 蓮
金丸 義信
EVIL
0:12:52 デスティーノ

EVILの年表

年月日できごと
2011.5.13高橋広夢戦で新日本プロレスデビュー
2013.10.18アメリカに海外武者修行で遠征
2015.10.12内藤哲也がEVILをパレハとして連れてくる
2015.11.22内藤、BUSHI、EVILが『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』を結成
2016.11.5EVILが第13代『NEVER無差別級王座』を初戴冠
2017.1.4SANADA、EVIL、BUSHI組が第9代『NEVER無差別級6人タッグ王座』初戴冠
2017.12.11SANADA、EVILが『WORLD TAG LEAGUE 2017』初優勝
2018.1.4SANADA、EVILが第79代『IWGPタッグ王座』を初戴冠
2018.2.20左眼窩庭骨折で欠場
2018.12.9SANADA、EVILが『WORLD TAG LEAGUE 2018』2連覇
2020.1.5鷹木、EVIL、BUSHI組が第20代『NEVER無差別級6人タッグ王座』初戴冠
2020.7.11EVILが『NEW JAPAN CUP2020』初優勝。『BULLET CLUB』へ加入する
2020.7.12EVILが『IWGPヘビー級王座』『IWGPインターコンチネンタル王座』の二冠王者となる
2021.9.4高橋裕二郎、EVIL、SHO、ディック東郷が『HOUSE OF TORTURE』を結成
2021.11.6EVIL、裕二郎、SHO組が第22代『NEVER無差別級6人タッグ』初戴冠
2024.1.20EVILが第43代『NEVER無差別級王座』を戴冠

EVIL選手は2007年2月に新日本プロレスの入門テストを受け、不合格となる。2009年の12月に再度テストを受け合格。2010年2月に新日本プロレスに入門した。入門するまでに3年の月日を費やしている。

2011年に新日本プロレスでデビューするものの、シングルマッチでは高橋広夢選手に22連敗する。2012年からは、後輩レスラーのSHO選手とYOH選手には勝利するものの、それ以外で勝利することはないまま海外遠征となる。シングルで初めて先輩越えを果たすのは、2016年の後藤洋央紀戦。デビューしてから5年のことだ。

2015年、EVILとして「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」に加入。ここから一気にEVIL選手は頭角を現す。その年の「WORLD TAG LEAGUE」に内藤選手と組み準優勝。翌年にはG1 CLIMAXにも参戦し、シングルタイトル「NEVER無差別級王座」を初戴冠する。その後はタッグ戦線でもタイトルを獲得。2017年には「NEVER無差別級6人タッグ王座」、2018年には「IWGPタッグ王座」、WORLD TAG LEAGUEも2連覇を達成する。

シングルマッチでも結果を残す。2017年には、永田選手、小島選手、鈴木選手、棚橋選手、オカダ選手に勝利。次々と先輩レスラー、強豪レスラーを倒し存在感を出していく。しかし、タイトル挑戦権は得るものの、NEVER以降はシングルタイトルは獲得とならなかった。どこまでいってもいい試合をする選手に留まっていた。

2020年、「NEW JAPAN CUP」を金的攻撃の連続で優勝。「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」を抜け、「BULLET CLUB」に加入する。内藤選手から『IWGPヘビー級王座』『IWGPインターコンチネンタル王座』の二冠を奪取し、ついにシングルのトップに君臨をする。

そして「HOUSE OF TORTURE」を結成。その後の悪行三昧はみなの知るところである。

EVILの全対戦成績

年別の勝利数、敗北数、引分数、勝率の推移。
TotalWinLoseDrawRate
1200651542754.3%
※集計期間:2007/5〜2024/6の新日、STARDOMの試合
合計試合時間240:24:56
平均試合時間 0:12:01

メインイベント回数の推移

年別のメインイベントの回数、メインイベント率をグラフ化。
メインイベント率が高いほど、メインイベンターとして重宝されている。
Main CountMain Rate
24420.3%

フィニッシュホールドTOP5

EVIL選手のフィニッシュホールドを集計してランキング。
RankFinishCount
1EVIL213
2ScorpionDeathlock27
3マジックキラー14
4逆エビ固め12
5BansheeMuzzle9

EVIL選手はデビュー以降、ほぼ勝つことなしにに海外遠征となる。2015年にロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンに加入して一気に勝率は70%超えをキープ。逆に、2020年にBULLET CLUB入りしてからの勝率は50%に落ち込むこととなる。20%も減少している。

メインイベントの回数は、2017年をピークに減少傾向となる。しかし、2023年はチャンピオンSANADA選手との抗争があり大きく盛り返しをみせた。

フィニッシュはダントツで「EVIL」。「EVIL」は会場でみんなと一緒に「イービル!」と叫ぶまでがワンセット。ぜひ、予備動作を見たら叫んでほしい。自分の名前を必殺技で叫ぶのは、EVIL選手とピカチュウくらいである。

EVILのシングルマッチ勝率

シングルマッチの年別の勝利数、敗北数、引分数、勝率の推移。
TotalWinLoseDrawRate
21179129337.4%
※集計期間:2007/5〜2024/6の新日、STARDOMの試合
合計試合時間45:34:22
平均試合時間 0:12:57

EVILのシングル対戦TOP5

EVIL選手とシングル対戦数の多い順でランキング。
RankPlayerRate
1高橋 ヒロム2522308%
2石井 智宏1349030.8%
3エル・デスペラード1101100%
4オカダ・カズチカ927022.2%
5バッドラック・ファレ918011.1%

全体のシングルマッチ勝率は振るわない。ヤングライオン時代の成績がかなり足を引っ張っている。特にヒロム選手には、22連敗という記録を喫している。

「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」に加入後にシングル勝率も一気に上がり、2020年のBULLET CLUB加入後にはさらに勝率が上がっている。EVIL選手にとってBULLET CLUBへの加入は、シングルマッチ勝率が上がる結果となったようだ。

対戦成績はBULLET CLUB入り以降だけで見ると全く違う勝率となる。BULLET CLUB入り後の対戦成績は、ヒロム選手には2勝1敗、石井選手には4戦4連である。

EVILのタッグマッチ勝率

タッグマッチの年別の勝利数、敗北数、引分数、勝率の推移。
※2人タッグのみの成績
TotalWinLoseDrawRate
284152130253.5%
※集計期間:2007/5〜2024/6の新日、STARDOMの試合
合計試合時間52:25:58
平均試合時間 0:11:04

EVILのタッグパートナーTOP5

EVIL選手とタッグ組んだ回数順に、タッグパートナーをランキング。
※2人タッグのみの成績
RankPlayerRate
1SANADA715516077.5%
2高橋 裕二郎522131040.4%
3内藤 哲也35296082.9%
4高橋 ヒロム341519044.1%
5ディック東郷3122726.5%

タッグマッチの戦績は、シングルマッチと真逆の推移となっている。ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン時代はタッグでの勝率が高く、2019年には83.7%という脅威的な勝率だ。しかし、BULLET CLUB入りをしてからは一気に勝率がダウン。2022年には勝率16%というひどい数字を出している。あれだけ乱入・介入を繰り返しておきながら、タッグマッチでは勝ててないようだ。

タッグパートナー別の勝率を見ると、その原因は明らかだ。H.O.Tのパートナーが負けがちなのだ。ディック東郷選手とのタッグでの勝率は10%にも届かない。今後はSHO選手や金丸選手との勝率が気になってくるところだ。

EVIL ベストバウト

個人的な名勝負・迷勝負をピックアップ。熱いEVIL選手がまた見たい。

EVIL VS オカダ・カズチカ
2017.8.5 大阪府立体育会館 「G1 CLIMAX公式戦」

▼EVIL VS 石井智宏
2022.2.13 エディオンアリーナ大阪 「NEVER無差別級選手権」

▼EVIL&高橋裕二郎&SHO VS 後藤洋央紀&YOSHI-HASHI&YOH
2022.9.2 後楽園ホール「NEVER無差別級6人タッグ選手権」

まとめ

悪がいなければ、正義もいない。プロレスにおいてヒールは必要悪だ。プロレスだけじゃない。ディズニーだって、アベンジャーズだって悪役がいなければ物語は成り立たない。

実力があり、実績もある。しかし、どこか善戦マンのポジションでおさまってしまっている。そんな中、コロナ禍でヒールレスラーが来日できないピンチが訪れた。EVIL選手はそこで思ったのだ。

「そうだ BULLET CLUB、行こう。」

EVIL選手は悪の道を選んだ。覚悟のある選択だったと思う。仲間も徐々に増えてきた。ズルくて卑怯なだけでなく、滑稽で豪快な負けっぷりも見せ、ユーモラスな一面を出すようになった。それでも、情けなくて弱いという印象にならないのは、その裏にある確かな技術と実力があるからだ。憎まれ役を買って出ることで、自分のポジションを築き上げたのだ。

しかし、ファンの中には行きすぎた行動をとる者もいる。両国大会でEVIL選手にゴミを投げつける輩がいたのだ。こうした行為は人として許される行為ではない。絶対に辞めてほしい。怒りをコントロールできないなら、プロレス観戦は控えた方がいい。確かに、タイトルマッチや公式戦での反則行為は腹立たしい。会場に行って、推しが負けたらなおさらだ。でも、その憎しみはブーイングだけにしよう。

入門するまでに3年。先輩に勝つまでに5年。凱旋帰国してからは、ほぼ毎年100試合以上を戦い続けている。プロレスに対しての真摯な態度は、スコーピオンデスロックのフォームの美しさから伝わってくるはずだ。EVIL選手は今、ヒールレスラーに対して真摯に向き合っている。心から憎しみの大ブーイングをしよう。わかったか!よく覚えとけ!

次はどんなユーモアで卑劣な手を使って、新日本をかき乱してくれるだろうか。でも、たまに本気のEVIL選手もみたい。

それでは、一緒に素晴らしきプロレスライフを!