【高橋裕二郎】完全攻略ガイド<不遇なプロフィール・対戦成績 etc>

選手名鑑

「HOUSE OF TORTURE」の高橋裕二郎選手。

今は「HOUSE OF TORTURE」のメンバーとして、脇役に徹している裕二郎選手だが、かつてはパワーファイターとして「NEVER無差別級王座」も戴冠していたことのある実力の持ち主である。だが、最近ではシングルでの活躍は少ない。上を目指すこともない。にも関わらず、根強い人気とどこからか溢れ出る哀愁がある。

そんな哀愁ある裕二郎選手の魅力がどこにあるのか、プロフィールを中心に迫ってみたいと思う。

高橋 裕二郎

ザ・トウキョー・ピンプス
団体新日本プロレス
ユニットHOUSE OF TORTURE
生年月日1981/1/13 ( 43 才)
出身地新潟県/新潟市
デビュー2004/7/26 ( 20 年)
デビュー戦ヨシタツ
得意技ピンプジュース、マイアミ・シャイン、東京ピンプス、Big Juice
身長178 cm
体重90 kg
血液型A 型
入場曲HARLEM NIGHTS
Instagramthe_tokyo_pimps
好きなものテキーラ、タコス、ニューヨーク(芸人)

高橋 裕二郎のパラメータ

総合点 34/60点

裕二郎選手の基礎にはレスリングがある。高校時代に全日本大会で優勝している実績の持ち主だ。体は決して大きい方ではないが、自分より大きい選手を軽々と投げる。豪快な技が多く、BIG JUICEやマイアミ・シャインは説得力あるフィニッシュホールドだ。

しかし、技のスピードは遅い。ひとつひとつのムーブをゆっくりと行う。ロープワークも独特の間で、じんわりと加速する。誰が相手でも裕二郎選手の間になってしまう。スピーディな展開を得意とする選手にとっては、やりづらいに違いない。

パワーを前面に出したファイトスタイルだったが、首の怪我をしてからはインサイドワークを重視したスタイルになる。視野が広く周りをよく見て、巧みなインサイドワークでチームをサポートする。

今ではパフォーマンスはあまりしない。しかし、G1やTAG LEAGUEに参戦すると、バックステージコメントで印象的な言葉をしっかりと残す。前に出るところでは、ちゃんとその役回りもこなす職人レスラーである。また、ヒールでありながら、溢れ出てしまう人柄の良さも報告されている。裕二郎Tシャツを着ていれば「うれしい。ありがとうございます。」と感謝を述べ、試合中に地震が発生した時も「大丈夫!大丈夫!」と観客を落ち着かせる。すごくいい人なのだ。

そして、裕二郎選手に欠かせないのがダンサー「ピーター」の存在だ。シングルマッチのときのみ一緒に入場してくる。露出度の高い衣装で、お尻が前と言われているピーターさん。プリッとした筋肉質なお尻は「煮卵」と言われている。配信では露出が激しいためあまり映されない。ぜひとも裕二郎選手のシングルマッチの時には、会場でお尻を見てほしい。サイン会もピーターさんは大人気だ。そんな裕二郎選手のピーター度はMAX10だ。これ、マジ!

高橋 裕二郎の必殺技『ピンプジュース』

高橋 裕二郎のムーブ

選手名コール時のアピール

名前を呼ばれた時に腰を振る。年々、腰の振りは小さくなっている。

決めセリフ

これマジ!

先月までの最新試合結果

※新日本、スターダムでの試合限定
2024.6.23 かみす防災アリーナ
カラム・ニューマン
HENARE
VS 高橋 裕二郎
金丸 義信
0:09:56 Streets of Rage
2024.6.22 福島トヨタ クラウンアリーナ
カラム・ニューマン
VS 高橋 裕二郎
0:12:12 オスカッター
2024.6.19 岩手県営体育館
フランシスコ・アキラ
カラム・ニューマン
VS 高橋 裕二郎
SHO
0:10:36 反則

高橋 裕二郎の年表

年月日できごと
2004.7.26新日本プロレスでデビュー
2005.11.4アゴを骨折し長期欠場
2008.2.17内藤哲也と高橋裕二郎が『NO LIMIT』を結成
2008.10.13『NO LIMIT』が第22代『IWGPジュニアタッグ王者』初戴冠
2009.5.29『NO LIMIT』がCMLLに遠征
2010.1.4『NO LIMIT』が第55代『IWGPタッグ王座』初戴冠
2010.3.5リングネームを「裕次郎」から本名である「高橋裕二郎」に変更
2010.4.4『NO LIMIT』が『CHAOS』に加入
2011.5.26内藤哲也が『CHAOS』追放。『NO LIMIT』解散
2011.12.24R指定キャラに転身。セクシー女優を侍らせて入場するようになる。
2014.5.3高橋裕二郎が『CHAOS』を脱退し、『BULLET CLUB』に加入
2014.6.29高橋裕二郎が第4代『NEVER無差別級王座』初戴冠
2015.9.3首の負傷により長期欠場
2016.2.11高橋裕二郎、バッドラック・ファレ、タマ・トンガが第2代『NEVER無差別級6人タッグ王座』初戴冠
2019.2.25目の負傷により長期欠場
2021.9.4高橋裕二郎、EVIL、SHO、ディック東郷が『HOUSE OF TORTURE』を結成
2021.11.6EVIL、裕二郎、SHO組が第22代『NEVER無差別級6人タッグ』初戴冠

裕二郎選手はレスリング全国大会優勝という実力をひっさげて、2003年に新日本プロレスに入門。翌年、2004年にデビューを果たす。同期には、鷹木信悟、飯伏幸太、オカダ・カズチカ、中嶋勝彦、塩崎豪、諏訪魔、フジタJrハヤト、ジョン・モクスリー、ザック・セイバーJr.。。。すごいメンツの中、戦っていかなければならなかった。

しかし、デビュー1年でアゴを骨折し、長期欠場を余儀なくされる。だが、入院中にもトレーニングを行い、入院前よりもビルドアップして退院をした。棚橋選手曰く「ジムに行くと必ず裕二郎選手が先にいる」らしい。努力家なのだ。

2008年に、後輩である内藤選手と「NO LIMIT」を結成し、瞬く間に「IWGPジュニアタッグ王座」を戴冠する。CMLLでも人気を博し、2010年には二人ともヘビー級へ転向し「IWGPタッグ王座」チャンピオンとなる。ジュニア、ヘビー共にタッグベルトを獲った初のチームとなった。だが、その後シングルマッチで目覚ましい結果を出し始めた内藤選手とは対照的に、裕二郎選手はまったく結果を残せず。次第にチームに不穏な空気が流れ始める。2011年、裕二郎選手は内藤選手を裏切り「NO LIMIT」は解散となる。ここで裕二郎選手のレスラー人生が大きく変わってしまった。

そして、誰の発案かはわからないが、裕二郎選手はR指定キャラとなり、セクシー女優を侍らせて下ネタ口撃をするようになった。このキャラ変で、裕二郎選手はプチ再ブレイク。信じられないかもしれないが、田口監督よりも下品なキャラだった。

「オレの試合中のエロい表情や指の動きを見てくれ。女性を感じさせてやるから!!」
「ベッドでイッちゃうぞ、バカヤロー」

などと言っていた。試合結果は残せなかったが、印象を残すことには成功。だが、それも長くは続かない。やがて、裕二郎選手の試合は、ビッグマッチで組まれなくなっていく。戦力外通告である。Tweetでも新日本プロレスへの愚痴をつぶやき、チームが負けそうになると早めに退場するなどの無気力ファイトを展開することになる。遂にオカダ選手を裏切り、CHAOSを脱退。日本人初のBULLET CLUBメンバーとなり、チームのために週2回の英会話も始める。真面目か。

そして、自身初となるシングルタイトル「NEVER無差別級王座」を獲得。2015年にはピーターさんも参加し、「さあ、これから」というときに首の怪我で長期欠場となる。次のWORLD TAG LEAGUEで復帰するも、今度はパートナーのAJスタイルズが腰の負傷で欠場。WORLD TAG LEAGUEは不戦敗となる。さらには翌年からはG1 CLIMAX参加メンバーからも外される。試合を組んでもらうためにBULLET CLUB入りしたのに。英会話にも通ったのに!裕二郎選手のパワーファイトやR指定キャラは徐々に薄くなり、チームのサポート役に徹するようになっていった。バックステージでもコメントを残さなくなっていく。

2020年、コロナ禍となりBULLET CLUBの外国人選手が誰も来れなくなってしまった。邪道選手、外道選手、石森選手しかいないという大ピンチに!そんな窮地に現れたのがEVIL選手だった。2021年「HOUSE OF TORTURE」を結成。実力がありながら、新日本プロレスで這い上がれなかった選手たちの集団だ。だからこそ、絆が深い。仲間思いの裕二郎選手にとって、穏やかなチームなんじゃないだろうか。やっていることは穏やかではないが。

裕二郎選手の中でのピークは、内藤選手と「NO LIMIT」を組んでいた時だったに違いない。内藤選手とのシングルマッチのあと、裕二郎選手はHOTに勧誘している。

内藤、覚えてるか? 昔はよぉ、相手のこと一緒にベルトでぶん殴ったりよぉ、一緒に悪さしたよな。思い出せよ。内藤ちゃん、また一緒に、あ、来るか? HOUSE OF TORTUREに。また一緒によぉ、悪いことしようぜ! な!

15年前の話を今でもずっと覚えている。裕二郎選手にとって、いちばん自分が輝いていた時期だったに違いない。

高橋 裕二郎の全対戦成績

年別の勝利数、敗北数、引分数、勝率の推移。
TotalWinLoseDrawRate
191587010321345.4%
※集計期間:2007/5〜2024/6の新日、STARDOMの試合
合計試合時間361:11:39
平均試合時間 0:11:19

メインイベント回数の推移

年別のメインイベントの回数、メインイベント率をグラフ化。
メインイベント率が高いほど、メインイベンターとして重宝されている。
Main CountMain Rate
19210%

フィニッシュホールドTOP5

高橋 裕二郎選手のフィニッシュホールドを集計してランキング。
RankFinishCount
1ピンプジュース136
2東京ピンプス78
3BIG JUICE30
4マイアミシャイン24
5逆エビ固め18

裕二郎選手は新日本プロレス生え抜き選手として、20年近くコンスタントに試合に出続けている。勝率は安定していない。2010年、内藤選手との「NO LIMIT」のときが59%で最大の勝率となっている。

メインイベントとしては、2012年にR指定キャラに転身後がピークとなっており、その後は低下の一途を辿る。2015年のケガ以降は、年に数回しかメインに組まれていない。2023年はEVIL選手とSANADA選手の前哨戦もあり、メインイベント数が増えている。

フィニッシュホールドはピンプジュースが多い。昔はムーンサルトプレスもしている。

高橋 裕二郎のシングルマッチ勝率

シングルマッチの年別の勝利数、敗北数、引分数、勝率の推移。
TotalWinLoseDrawRate
307106198334.5%
※集計期間:2007/5〜2024/6の新日、STARDOMの試合
合計試合時間47:14:12
平均試合時間 0:09:13

高橋 裕二郎のシングル対戦TOP5

高橋 裕二郎選手とシングル対戦数の多い順でランキング。
RankPlayerRate
1内藤 哲也23194082.6%
2平澤 光秀21201095.2%
3山本 尚史19217010.5%
4安沢 明也19414121.1%
5後藤 洋央紀1611506.3%

裕二郎選手はシングルマッチを組まれることがほとんどない。2016年からはG1にも参戦できず、シングルマッチ数の減少が顕著だ。全体勝率も低い。しかし、G1では大番狂せの働きをする。フィンレー、YOSHI-HASHI、ジュース・ロビンソン、飯伏幸太、ジェフ・コブに勝利している。

対戦成績は内藤選手がダントツで多い。後輩だった内藤選手にはまだ勝ち越しているが、かつての相棒との立ち位置は残酷なまでに開いてしまっている。

高橋 裕二郎のタッグマッチ勝率

タッグマッチの年別の勝利数、敗北数、引分数、勝率の推移。
※2人タッグのみの成績
TotalWinLoseDrawRate
611317289551.9%
※集計期間:2007/5〜2024/6の新日、STARDOMの試合
合計試合時間106:55:17
平均試合時間 0:10:29

高橋 裕二郎のタッグパートナーTOP5

高橋 裕二郎選手とタッグ組んだ回数順に、タッグパートナーをランキング。
※2人タッグのみの成績
RankPlayerRate
1内藤 哲也1056139558.1%
2EVIL522131040.4%
3ハングマン・ペイジ352015057.1%
4チェーズ・オーエンズ341717050%
5コーディ・ホール29326010.3%

タッグマッチでの勝率は勝ち越しているが、安定感はない。ピークは2010年の「NO LIMIT」時代。しかし、2021年「HOUSE OF TORTURE」からは安定期に入ってきており、勝率も上昇傾向となっている。反則や介入が功を奏しているようだ。

タッグでの成績も内藤選手が一番多い。勝率もよい。やはり、裕二郎選手にとって内藤選手は特別な存在となるようだ。ちなみに内藤選手のタッグパートナーも裕二郎選手がトップだ。

高橋 裕二郎 ベストバウト

超個人的かつ評価の高い試合をピックアップ。煽りVだけご紹介。
※NJPW WORLDリニューアルのため、リンク先は見れません。

高橋裕二郎 VS 石井智宏
2014.6.29 後楽園ホール 「NEVER無差別級選手権試合」

高橋裕二郎 VS 棚橋弘至
2012.11.11 大阪府立体育館 「IWGPヘビー級選手権試合」

▼高橋裕二郎&内藤哲也 VS クリス・セイビン&アレックス・シェリー
2009.1.4 東京ドーム「IWGP Jr.タッグ選手権試合」

まとめ

裕二郎選手のレスラー人生は不遇だった。デビューしてすぐにケガで長期欠場。「NO LIMIT」で成功するも、内藤選手に追い越される。R指定キャラに転身するも、試合を組まれない。BULLET CLUB入りしても、試合が増えない。やることなすこと全てが空回りして、うまくいかない。

いつしか裕二郎選手は何も目指さなくなった。かつて、オカダ選手に対して言った「俺の位置まで引きずり落としてやる」というセリフ。これは切なかった。そう、裕二郎選手は自分の立ち位置がわかっているのだ。かつてのパートナー・内藤選手は新日本の主役になり、同期のオカダ選手は新日本の顔となった。裕二郎選手はナンバーワンにも、オンリーワンにもなれなかった。

今、彼は自分のためではなく、仲間のためにプロレスをしている。試合が組まれていない日でも、試合に乱入し一緒に蹴散らされる。観客からのブーイングを受けながら、仲間と肩を組んで帰る。

誰もが主役になれるわけではない。努力をし、実力があっても主役になれる人間はほんの一部しかいない。しかし、脇役には脇役の生き様ってものがある。決してキレイな生き様ではないのかもしれないが、裕二郎選手にはそういう哀愁が漂っている。その哀愁に、魅力と共感があるのだ。

また、シングルマッチが組まれることを期待したい。ピーターさんのお尻をみたい。これ、マジ!

それでは、一緒に素晴らしきプロレスライフを!