「ノブおじ」という愛称でファンに親しまれる、いぶし銀のレスラー、金丸義信選手。
決して派手な選手ではないし、今ではリングの主役に立つことも少ないかもしれない。しかし、彼の経験と実績はとんでもない。数々のタイトルを獲得してきたキャリア30年近い超ベテランだ。
金丸選手が語るプロレス観。それは「タイミングと緩急」だ。これは彼のプロレスを、実に上手く表現している。派手さはなくとも、技の精度とタイミング。試合後半のたたみかけの緩急のある攻防。まさに職人。
そんな金丸選手のプロレス人生が、どのようなタイミングと緩急になっているのか、経歴や対戦成績から紐解いてみたい。
金丸義信

団体 | 新日本プロレス |
ユニット | HOUSE OF TORTURE |
生年月日 | 1976/9/23 ( 48 才) |
出身地 | 山梨県/甲府市 |
デビュー | 1996/7/6 ( 28 年) |
デビュー戦 | 浅子覚&志賀賢太郎 |
得意技 | タッチアウト、ディープインパクト、ムーンサルト、ウイスキーミスト |
身長 | 173 cm |
体重 | 85 kg |
血液型 | O 型 |
入場曲 | SLY BOOTS |
@kmaru0923 | |
好きなもの | ウイスキー、フルーツ、わらび餅、そば、パチンコ |
金丸 義信のパラメータ
金丸選手はとにかく上手い。プロレステクニックが抜きん出ている。そのプロレスのうまさは、他の選手からも一目置かれている。
徹底的な膝攻め、ラフファイトを見せたかと思えば、ムーンサルトやスイングDDTを華麗に見せる。タッグマッチでの視野の広さ、立ち回りの巧みさ、カットのタイミングも見事の一言。彼の技の一つ一つに、精密機械のような的確さがあり、受け身も超一流。大技をくらったら一度伸び上がってから倒れる。プロレスの極意を知り尽くしている。とても、アラフィフの男の動きとは思えない。
金丸選手のヒールのスタンスは一貫している。観客にパフォーマンスをすることはほぼないが、そのレスリングスタイルは変わることがない。SANADAが「Just 5 Guys」に加入し、ユニットのヒール感がなくなるや否や、長年の仲間を裏切り、悪名高き「HOUSE OF TORTURE」に加わる。まさに「悪くて上手い男」。それが金丸義信だ。
金丸選手といえば、忘れてはならないのが、「酒」。入場時には「サントリーの角瓶」を手放さない。金丸選手と酒は切っても切り離せない関係なのだ。金丸選手のブログタイトルも「飲酒生活」。酒と共に歩むプロレス人生を送っている。金丸選手の飲酒度はMAX10だ。
金丸義信の必殺技『タッチアウト』
金丸 義信のムーブ
コールのとき
ウイスキーを口から噴射させる
先月までの最新試合結果
2025.1.31 岩手県営体育館 | ||
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ボルチン・オレッグ 永井 大貴 棚橋 弘至 安田 優虎 | VS | 成田 蓮 SHO 高橋 裕二郎 金丸 義信 |
0:09:01 逆エビ固め |
2025.1.23 後楽園ホール | ||
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矢野 通 嘉藤 匠馬 マスター・ワト ボルチン・オレッグ | VS | 高橋 裕二郎 SHO 金丸 義信 成田 蓮 |
0:08:26 ピンプジュース |
2025.1.22 後楽園ホール | ||
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ボルチン・オレッグ 永井 大貴 矢野 通 村島 克哉 | VS | 成田 蓮 SHO 高橋 裕二郎 金丸 義信 |
0:09:01 逆エビ固め |
金丸 義信の年表
年月日 | できごと |
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1996.7.6 | 全日本プロレスでデビュー |
2000.1.22 | 金丸が全日本プロレス『あすなろ杯』優勝 |
2000.7.28 | 金丸、井上組が第7代『WEWタッグ王者』初戴冠 |
2000.8.5 | 『プロレスリング・ノア』に移籍 |
2001.6.24 | 金丸が初代『GHCジュニアヘビー級王座』初戴冠 |
2002.8.29 | 金丸、菊地組が第9代『IWGPジュニアタッグ王座』初戴冠 |
2005.6.5 | 金丸、杉浦組が第2代『GHCジュニアヘビー級タッグ王座』初戴冠 |
2008.7.13 | 金丸、鈴木鼓太郎組が第10代『GHCジュニアヘビー級タッグ王座』初戴冠 |
2009.10.15 | 金丸、鈴木鼓太郎組が『ジュニアヘビー級タッグ・リーグ戦』優勝 |
2011.5.25 | 金丸、KENTA組が第14代『GHCジュニアヘビー級タッグ王座』初戴冠 |
2012.12.24 | 『プロレスリング・ノア』を退団 |
2013.2.23 | 全日本プロレスに参戦、第35代『世界ジュニアヘビー級王座』初戴冠 |
2013.7.5 | 『全日本プロレス』に正式入団 |
2014.1.26 | 金丸、秋山組が第93代『アジアタッグ王座』初戴冠 |
2015.3.22 | 金丸、ウルティモ・ドラゴン組が第97代『アジアタッグ王座』初戴冠 |
2015.12.15 | 『全日本プロレス』を退団し、フリー |
2016.1.31 | プロレスリング・ノアで『鈴木軍』に加入 |
2017.1.5 | 鈴木軍として『新日本プロレス』に参戦 |
2017.3.6 | 金丸、タイチ組が第50代『IWGPジュニアタッグ王座』初戴冠 |
2018.3.6 | 金丸、デスペラード組が第57代『IWGPジュニアタッグ王座』初戴冠 |
2021.8.17 | 金丸、デスペラード組が第9回『SUPER Jr. TAG LEAGUE』優勝 |
2023.1.5 | 新ユニット『Just 4 Guys』結成 |
2023.9.24 | 金丸が『Just 5 Guys』を裏切り『HOUSE OF TORTURE』に加入 |
2023.9.24 | 金丸義信が『Just 5 Guys』を脱退し、『HOUSE OF TORTURE』に加入 |
金丸選手は「全日本プロレス」「プロレスリング・ノア」「新日本プロレス」とメジャー3団体を渡り歩いている。プロレスだけでなく、団体の渡り歩きも上手い。
全ての団体でタイトルを獲得。まさに超ベテランだ。GHCジュニアヘビー級王座の戴冠回数7回、通算防衛記録28回の記録はいまだに破られていない。唯一、獲得できていないのがシングルのベルトが「IWGPジュニアヘビー級王座」だ。
タッグに関しては、メジャー3団体ですべてタイトルを獲得している。タイトルのみならずトーナメントも制覇。どんな相手とも息を合わせられる、タッグの名手でもある。シングルでもタッグでも結果を残しているバイプレイヤーなのだ。ノブおじはスゴイ!
30年近いキャリアを持ちながら、コンディションは常に絶好調。2002年に「IWGPジュニアタッグ王座」を初戴冠し、直近では2021年9月5にデスペラード選手と再び同タイトルを獲得。20年近くジュニアのトップ戦線で活躍し続けている。ノブおじはスゴイ!
えー、まとめます。
シングルでは、GHCジュニアヘビー7回、世界ジュニアヘビー級王座1回。タッグではGHCジュニアタッグ4回、アジアタッグ王座2回、IWGPジュニアタッグ6回。チャンピオンだった通算日数は4402日。12年間以上もなんらかのチャンピオンだったのだ。ノブおじはスゴすぎる!
酒がコンディションを整えるコツかもしれない。
金丸 義信の全対戦成績
年別の勝利数、敗北数、引分数、勝率の推移。Total | Win | Lose | Draw | Rate |
---|---|---|---|---|
819 | 421 | 397 | 1 | 51.4% |
合計試合時間 | 153:52:43 |
平均試合時間 | 0:11:16 |
メインイベント回数の推移
年別のメインイベントの回数、メインイベント率をグラフ化。メインイベント率が高いほど、メインイベンターとして重宝されている。Main Count | Main Rate |
---|---|
75 | 9.2% |
フィニッシュホールドTOP5
金丸 義信選手のフィニッシュホールドを集計してランキング。Rank | Finish | Count |
---|---|---|
1 | ディープインパクト | 30回 |
2 | 足4の字固め | 21回 |
3 | サムソンクラッチ | 15回 |
4 | タッチアウト | 14回 |
5 | 逆エビ固め | 11回 |
金丸選手の活躍っぷりは、安定しているようだ。新日本に本格参戦した2017年以降、勝率50%付近をキープ。試合数も大きく減少することもなく、安定している。(2020年はコロナで大会自体が少ないため減少)
注目したいのは、メインイベントの回数。やや増加傾向がある。2023年に激増しているのは、「Just 5 Guys」でメインを務める大会が多かった影響が大きい。メインイベント率は決して高いわけではないが、こちらは徐々に右肩上がりとなっている。ノブおじ人気と実力は未だ衰える気配はなさそうだ。
フィニッシュは「ディープインパクト」が多い。一方で、「タッチアウト」は新日ではあまり使われていない。金丸選手のフィニッシュは多彩だ。頭から落とす大技、ムーサルトの飛び技、足4の字の関節技に、さまざまな丸め込み。フィニッシュホールドの多さが、彼のプロレスの奥深さを物語っている。
金丸 義信のシングルマッチ勝率
シングルマッチの年別の勝利数、敗北数、引分数、勝率の推移。Total | Win | Lose | Draw | Rate |
---|---|---|---|---|
87 | 36 | 51 | 0 | 41.4% |
合計試合時間 | 14:49:07 |
平均試合時間 | 0:10:13 |
金丸 義信のシングル対戦TOP5
金丸 義信選手とシングル対戦数の多い順でランキング。Rank | Player | 計 | 勝 | 敗 | 分 | Rate |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | BUSHI | 6 | 2 | 4 | 0 | 33.3% |
2 | YOH | 5 | 1 | 4 | 0 | 20% |
3 | エル・デスペラード | 5 | 2 | 3 | 0 | 40% |
4 | 石森 太二 | 5 | 4 | 1 | 0 | 80% |
5 | 高橋 ヒロム | 4 | 1 | 3 | 0 | 25% |
新日本プロレスでは、金丸選手はシングルマッチをあまりしない。ベルト争いや、「BEST OF SUPER Jr.」への優勝にも興味を示さない。
彼の興味は、自分より弱い奴に思い知らせたり、チャンピオンを窮地に陥れることにあるようだ。金丸選手個人としては、あまり欲がない。でも、たまに存在感をグッと出してくる。そこが金丸選手の魅力である。勝っても負けても、レスラーとして格が変わることがない、クレバーなポジションを築き上げている。
ただ、2020年以降は、勝率が右肩下がりとなっている。だが、なんでかしらないが、石森選手に対しては、やたら強さを発揮する。石森選手も天敵意識を持っている。新日以外での対戦成績を含めると金丸選手の13勝1敗。なんと勝率92%。そりゃ、石森選手も戦いたくはないわ。
金丸 義信のタッグマッチ勝率
タッグマッチの年別の勝利数、敗北数、引分数、勝率の推移。Total | Win | Lose | Draw | Rate |
---|---|---|---|---|
220 | 143 | 77 | 0 | 65% |
合計試合時間 | 41:10:25 |
平均試合時間 | 0:11:13 |
金丸 義信のタッグパートナーTOP5
金丸 義信選手とタッグ組んだ回数順に、タッグパートナーをランキング。Rank | Player | 計 | 勝 | 敗 | 分 | Rate |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | エル・デスペラード | 89 | 63 | 26 | 0 | 70.8% |
2 | SHO | 34 | 22 | 12 | 0 | 64.7% |
3 | DOUKI | 23 | 13 | 10 | 0 | 56.5% |
4 | タイチ | 14 | 9 | 5 | 0 | 64.3% |
5 | 鈴木 みのる | 12 | 10 | 2 | 0 | 83.3% |
タッグマッチは、シングルマッチよりも勝率がよく、比較的安定している。金丸選手は、タッグプレイヤーに徹しているようだ。
2018年には、デスペラード選手と「IWGPタッグ王座」を獲得し、勝率83%と大きく伸ばした。その後、少し勝率が落ち込むが、2021年にデスペラード選手と「SUPER Jr. TAG LEAGUE」を制覇。3度目の「IWGPタッグ王座」を獲得。またもや、勝率を大きく伸ばしている。
デスペラード選手とのタッグが、金丸選手にとって最も多く、勝率もかなりいい。今後、SHO選手とのタッグがどこまで伸びるか注目だ。
金丸義信 ベストバウト
超個人的かつ評価の高い試合をピックアップ。金丸選手の技が光る試合をピックアップ。シングルでもよし、仲間と戦ってもよし、組んでもよし。
▼金丸義信 VS 高橋ヒロム
2023.4.27 広島サンプラザホール「IWGPジュニアヘビー級王座選手権」
▼金丸義信 VS エル・デスペラード
2021.11.29 後楽園ホール「BEST OF SUPER Jr.」公式戦
▼金丸義信&DOUKI VS フランシスコ・アキラ&TJP
2023.2.4 北海きたえーる「IWGPジュニアタッグ選手権」
まとめ
プロレスのジュニア界を代表するベテラン選手、金丸義信。
数々の実績を残しながらも、その存在は派手ではなく地味。まさにプロの職人として活躍している。20年もジュニアタッグのトップ戦線にいるというのは、すさまじいこと。
「なにも足さない、なにも引かない」サントリー山崎のような男である。持っているのはサントリーの角瓶だけど。
今後はSHO選手とのタッグで、どこまで勝率を伸ばしてくるのか注目したい。金丸選手は、どのようなタイミングと緩急で、新日ジュニアをかき乱してくれるのか期待だ
それでは、一緒に素晴らしきプロレスライフを!