【イッテンヨン】東京ドームの全メインイベントを振り返る

データで楽しむプロレス

新日本プロレス最大のイベント、「レッスルキングダム」。
プロレスファンにとって、1年の始まりは初詣ではない。1月4日=イッテンヨンだ。

その中でも、メインイベントは別格中の別格。2026年は、棚橋弘至が東京ドームのメインイベントで引退試合を行う。しかも全席完売。この事実だけで、この試合がどれほど特別かがわかる。

今回は、2007年の第1回レッスルキングダムから現在まで、東京ドーム大会のメインイベントを振り返ってみたい。

※1.5も含めて集計してます(正確にはレッスルキングダム以外も含んでいるということです)

レッスルキングダム メインイベント試合結果

2007.1.4 東京ドーム
蝶野 正洋
武藤 敬司
VS 小島 聡
天山 広吉
0:18:43 クロス式STF
2008.1.4 東京ドーム
IWGPヘビー級王座
中邑 真輔
VS 棚橋 弘至
0:23:08 ランドスライド
▶️ 過去の全対戦成績
2009.1.4 東京ドーム
IWGPヘビー級王座
棚橋 弘至
VS 武藤 敬司
0:30:22 ハイフライフロー
▶️ 過去の全対戦成績
2010.1.4 東京ドーム
IWGPヘビー級王座
中邑 真輔
VS 高山 善廣
0:15:51 ボマイェ
▶️ 過去の全対戦成績
2011.1.4 東京ドーム
IWGPヘビー級王座
小島 聡
VS 棚橋 弘至
0:21:57 ハイフライフロー
▶️ 過去の全対戦成績
2012.1.4 東京ドーム
IWGPヘビー級王座
棚橋 弘至
VS 鈴木 みのる
0:25:59 ハイフライフロー
▶️ 過去の全対戦成績
2013.1.4 東京ドーム
IWGPヘビー級王座
棚橋 弘至
VS オカダ・カズチカ
0:33:34 ハイフライフロー
▶️ 過去の全対戦成績
2014.1.4 東京ドーム
IWGPインターコンチネンタル王座
中邑 真輔
VS 棚橋 弘至
0:23:24 ハイフライフロー
▶️ 過去の全対戦成績
2015.1.4 東京ドーム
IWGPヘビー級王座
棚橋 弘至
VS オカダ・カズチカ
0:30:57 ハイフライフロー
▶️ 過去の全対戦成績
2016.1.4 東京ドーム
IWGPヘビー級王座
オカダ・カズチカ
VS 棚橋 弘至
0:36:01 レインメーカー
▶️ 過去の全対戦成績
2017.1.4 東京ドーム
IWGPヘビー級王座
オカダ・カズチカ
VS ケニー・オメガ
0:46:45 レインメーカー
▶️ 過去の全対戦成績
2018.1.4 東京ドーム
IWGPヘビー級王座
オカダ・カズチカ
VS 内藤 哲也
0:34:26 レインメーカー
▶️ 過去の全対戦成績
2019.1.4 東京ドーム
IWGPヘビー級王座
ケニー・オメガ
VS 棚橋 弘至
0:39:13 ハイフライフロー
▶️ 過去の全対戦成績
2020.1.4 東京ドーム
IWGPヘビー級王座
オカダ・カズチカ
VS 飯伏 幸太
0:39:16 レインメーカー
▶️ 過去の全対戦成績
2020.1.5 東京ドーム
IWGPヘビー級・IWGPインターコンチネンタルダブル王座
オカダ・カズチカ
VS 内藤 哲也
0:35:37 デスティーノ
▶️ 過去の全対戦成績
2021.1.4 東京ドーム
IWGPヘビー級・IWGPインターコンチネンタルダブル王座
内藤 哲也
VS 飯伏 幸太
0:31:18 カミゴェ
▶️ 過去の全対戦成績
2021.1.5 東京ドーム
IWGPヘビー級・IWGPインターコンチネンタルダブル王座
飯伏 幸太
VS ジェイ・ホワイト
0:48:05 カミゴェ
▶️ 過去の全対戦成績
2022.1.4 東京ドーム
IWGP世界ヘビー級王座
鷹木 信悟
VS オカダ・カズチカ
0:35:44 レインメーカー
▶️ 過去の全対戦成績
2022.1.5 東京ドーム
IWGP世界ヘビー級王座
オカダ・カズチカ
VS ウィル・オスプレイ
0:32:52 レインメーカー
▶️ 過去の全対戦成績
2023.1.4 東京ドーム
IWGP世界ヘビー級王座
オカダ・カズチカ
VS ジェイ・ホワイト
0:33:03 レインメーカー
▶️ 過去の全対戦成績
2024.1.4 東京ドーム
IWGP世界ヘビー級王座
SANADA
VS 内藤 哲也
0:25:42 デスティーノ
▶️ 過去の全対戦成績
2025.1.4 東京ドーム
IWGP世界ヘビー級王座
海野 翔太
VS ザック・セイバーJr.
0:43:44 セイバードライバー
▶️ 過去の全対戦成績
2025.1.5 東京ドーム
IWGP世界ヘビー級王座
ザック・セイバーJr.
VS リコシェ
0:20:57 クラーキーキャット
▶️ 過去の全対戦成績

レッスルキングダム・メインイベントの変遷

一覧を見てまず驚くのは、時代を象徴する名前しか並んでいないことだ。第1回・2007年のみ「蝶野正洋&武藤敬司 vs 天山広吉&小島聡」というタッグマッチだったが、それ以降はすべてタイトルマッチとなっている。

その流れを破るのが、2026年。棚橋弘至の引退試合は、タイトルのかからないメインイベントとなる。これは2007年以来、実に19年ぶり。新日本プロレスが、この試合をどれだけ特別視しているかがはっきりわかる。なお、棚橋弘至 vs オカダ・カズチカは2026年で4度目の東京ドーム・メインイベント。2013年、2015年、2016年と10年以上前のメインイベントの黄金カードの復活となる。

棚橋弘至という「東京ドームの男」

棚橋弘至は、2011年から6年連続でメインイベントを務めている。これは歴代最多の連続記録。さらに、2011年から5年連続でドームのメインで勝利という離れ業も成し遂げている。その連勝を止めたのが、オカダ・カズチカ。この2人の関係性が、そのまま新日本プロレスの歴史になっていると言っていい。

棚橋が前回メインイベントに立ったのは、2019年のケニー・オメガ戦。そこから7年。引退試合で再び東京ドームの頂点に立つ。ドームの申し子として素晴らしい幕引きだ。

内藤哲也という「不遇のエース」

一方で、東京ドームの歴史を語るうえで外せないのが、内藤哲也の存在だ。

レッスルキングダムのメインイベントは、ほぼすべてがIWGPヘビー級、もしくはIWGP世界ヘビー級のタイトルマッチ。例外は2014年のみで、この年はIWGPインターコンチネンタル王座戦がメインだった。本来、この年のヘビー級タイトルマッチはオカダ・カズチカ vs 内藤哲也。しかし試合順はファン投票で決定され、内藤の悲願だった東京ドームのメインイベントは潰された。当時の新日本プロレスが、内藤哲也を完全には信頼しきれていなかった証でもある。

それから10年。2024年、内藤はついに東京ドームのメインで勝利し、「デ・ハポン」の大合唱を浴びた。遠回りすぎるが、逆転の内藤らしい結末だった。

レッスルキングダム メインイベント勝率

ここで、メインイベントの勝率をみてみよう。

※1.5も含めて集計してます(正確にはレッスルキングダム以外も含んでいるということです)

RankPlayerRate
1ザック・セイバーJr.2200100%
2蝶野 正洋1100100%
3棚橋 弘至972077.8%
4オカダ・カズチカ1073070%
5飯伏 幸太321066.7%
6中邑 真輔321066.7%
7内藤 哲也422050%
8武藤 敬司211050%
9ジェイ・ホワイト20200%
10ケニー・オメガ20200%
11小島 聡20200%
12高山 善廣10100%
13海野 翔太10100%
14ウィル・オスプレイ10100%
15天山 広吉10100%
16鷹木 信悟10100%
17鈴木 みのる10100%
18リコシェ10100%
19SANADA10100%

レッスルキングダムの歴史の中で、メインイベントを務めたレスラーはわずか19人。その中で、勝利を挙げたのはたった8人。M-1王者より少ない。20年近い歴史の中で、東京ドームで勝つことを許されたレスラーは、本当に一握りなのだ。

回数で見ると

  • オカダ・カズチカ:10回
  • 棚橋弘至:9回
  • 内藤哲也:4回

この3人が抜けている。
さらに棚橋とオカダは勝率も70%超。ビッグマッチでの強さが、数字としてはっきり表れている。

ちなみに

  • 棚橋が負けた相手:中邑真輔、オカダ・カズチカ
  • オカダが負けた相手:棚橋弘至、内藤哲也

負け相手まで含めて、美しいライバル関係だ。


そして、勝率という点で異彩を放つのが、ザック・セイバーJr.。メインイベント勝率は100%。外国人レスラーとして史上初の東京ドーム・メインイベント勝者でもある。

ケニー・オメガ、ウィル・オスプレイ、ジェイ・ホワイトといった歴代の名外国人レスラーですら、東京ドームのメインで勝つことはできなかった。そう考えると、ザック・セイバーJr.は新日本プロレス史上、最強かつ最高の外国人レスラーと言っても、もう異論は出ないだろう。

まとめ

東京ドーム大会のメインイベントは、時代を象徴する一握りのレスラーだけが立てる特別な舞台だ。
棚橋とオカダがその歴史の中心に立ち、内藤は遠回りの末に夢を掴み、ザックは外国人として異質な勝者となった。2026年の棚橋引退試合は、その重みを背負った集大成の一戦になる。

そして、2027年以降のイッテンヨンは新たなスターが生まれるに違いない。
では素晴らしきプロレスライフを!