2023年、スターダムは異常事態となった。
選手のダブルブッキング、度重なるイベント情報の変更や試合時間の変更。選手とスタッフとの確執。そして、10名以上の選手が怪我や体調不良により欠場となる。その結果、『ワールド・オブ・スターダム』『ゴッデス・オブ・スターダム』のタイトルは返上され、社長の交代劇にまで発展した。
そして、ついに12月7日に行われた「大阪府立臨海スポーツセンター大会」で、114人という最低観客動員数を叩き出してしまう。
そんな暗黒時代のスターダムを支えていたのは、どの選手だったのか。試合数や勝率などで2023年のスターダムを振り返ってみよう。
2023年のスターダムの主な動き
年月日 | できごと |
---|---|
2023.2.4 | 上谷沙弥が『ワンダー・オブ・スターダム王座』連続防衛記録を更新 |
2023.3.25 | キッド、KARMAが初代『NEW BLOODタッグ王座』戴冠 |
2023.3.25 | 月山和香が高橋奈七永をフォールし、初の自力勝利 |
2023.4.15 | MIRAIが『CINDERELLA TOURNAMENT 2023』2連覇達成 |
2023.4.15 | 白川未奈、月山和香が『COSMIC ANGELS』を脱退し、『Club Venus』へ完全移籍 |
2023.4.23 | 中野たむが第16代『ワールド・オブ・スターダム王座』初戴冠 |
2023.4.23 | 星来芽依がスターダム参戦 |
2023.4.23 | 安納サオリがスターダム参戦。KAIRI、なつぽいとアーティスト王座初戴冠。 |
2023.4.23 | 岩谷麻優が第3代『IWGP女子王座』初戴冠 |
2023.5.14 | 『Last Jumbo Princess ひめか引退セレモニー』開催 |
2023.5.27 | 中野たむが史上2人目の赤白二冠王者となる |
2023.6.25 | 大江戸隊がQQに『ルーザー・リーブ・ユニット&ゲージマッチ』で敗北。鹿島沙希が大江戸隊から強制脱退 |
2023.7.2 | 鹿島沙希が『Gods Eye』に加入 |
2023.7.5 | ジュリアが第2代『STRONG女子王座』を初戴冠 |
2023.7.23 | 上谷沙弥が、中野たむ戦で照明塔からのダイブに失敗し左ヒジ脱臼。長期欠場 |
2023.9.20 | 林下詩美が頚椎ヘルニアのため欠場 |
2023.9.29 | 水森由菜が『COSMIC ANGELS』に加入 |
2023.9.30 | 鈴季すずが舞華を下し『5★STAR GP』初優勝 |
2023.9.30 | マライア・メイが『スターダム』を離脱 |
2023.10.2 | なつぽいが頚椎ヘルニアのため欠場 |
2023.10.9 | KAIRIが『スターダム』ラストマッチ |
2023.10.12 | 中野たむが左膝負傷のため欠場 |
2023.11.1 | コグマが負傷箇所悪化の懸念のため、欠場 |
2023.11.12 | 舞華、メーガン組が『ゴッデス・オブ・スターダム タッグリーグ』初優勝 |
2023.11.14 | 岩谷麻優が右手小指脱臼、月山和香が腰ヘルニアのため欠場 |
2023.11.16 | 鹿島沙希が頸部治療のため欠場 |
2023.11.20 | 原田克彦社長の退任と、岡田太郎の次期社長就任を発表 |
2023.12.29 | 舞華が第17代『ワールド・オブ・スターダム王座』初戴冠 |
2023年のスターダムでは、多くの出会いと別れがあった。
新たに参戦した鈴季すず、安納サオリ、星来芽依、メーガン・ベーン、スカンジナビア・ハリケーン。スターダムのリングを離れていった、ひめか、KAIRI、マライア・メイ、ジーナ、ジェシー。
多くの選手が新たに参戦し、多くの選手が去っていった。
また、7月の上谷選手の怪我を皮切りに、堰を切ったように怪我や欠場が続き、一時期は10名以上の選手が欠場のまま大会を開催。いまだに全選手が復帰できていない。
2023年のスターダムの年間観客動員数は過去最高の9万8000人となっており、それに伴い年間の大会数も142大会と最大になっている。前年比で30大会弱増えていることになる。選手たち、現場スタッフへの負担は確実に増え、スタッフの度重なるミス、選手の怪我や体調不良が相次ぐ形となった。
しかし、社長が交代しスピーディに体制の変更を行なっているようで、不信感は徐々に払拭され始めてきている。年末には舞華選手が『ワールド・オブ・スターダム』を初戴冠し、新しいスターダムの明るい未来が見え始めている。
2024年は、新しく生まれ変わったスターダムをみたい。
メインイベント数ランキングTOP5
プロレスの大会を飾るのはやっぱりメインイベント。
メインイベンターはその大会の主役だ。スターダムの2023年の主役は誰だったのか? 年間のメインイベント出場回数ランキングがこちらだ。
メインイベント数ランキングTOP5 2023
Rank | NAME | COUNT |
---|---|---|
1 | 舞華 | 40回 |
2 | ジュリア | 38回 |
3 | 刀羅 ナツコ | 26回 |
4 | 岩谷 麻優 | 23回 |
5 | テクラ | 23回 |
2023年、最も多くメインイベンターを務めたのが舞華選手。スターダムが辛い時期に、怪我することもなく難局を支え続け、スターダムでの存在感を大きくした。だからこそ年末のタイトルマッチには、舞華選手への声援が熱かった。続く、ジュリア選手はSTRONG女子王座として地位を築き上げ、世界を股にかけた活躍をみせた。刀羅ナツコ選手、テクラ選手は欠場なくずっとスターダムの大会を支えてのランクイン。逆に岩谷選手は欠場してもランクインしている。
試合数ランキングTOP5
どれだけ大会に出場していたかは、どれだけスターダムのリングに貢献していたかということでもある。当然、欠場が少ない選手がトップにランクインしている。
2023年の試合数ランキングがこちらだ。
試合数ランキングTOP5 2023
Rank | NAME | COUNT |
---|---|---|
1 | 壮麗 亜美 | 123回 |
2 | ジュリア | 122回 |
3 | 舞華 | 122回 |
4 | 飯田 沙耶 | 122回 |
5 | MIRAI | 120回 |
1位は121回で壮麗選手がトップに輝いた。新日本プロレスの1位のBUSHI選手は122回なので、ほぼ同じ数だけ試合をこなしている。すごい。そして、毎年同じ試合数をこなしているBUSHI選手が改めてすごい。
そして、舞華選手、飯田選手、MIRAI選手、白川選手もどこの大会にいっても試合を華やかに盛り上げてくれていた。スターダムがいちばん辛い時期に支えてくれていた選手たちである。特に飯田選手には、これからのさらなる飛躍を期待している。スターダム最小選手でありながら、強靭なマッスルを持つ彼女は、きっとスターダムに新たな風を吹かせてくれるはず。
試合総時間ランキングTOP5
次に試合の総時間でのランキングを見てみよう。
いちばん戦っている時間が長かった選手は誰か? 2023年、スターダムでの試合時間を合計してランキングにしてみた。
試合総時間ランキングTOP5 2023
Rank | NAME | TOTAL TIME |
---|---|---|
1 | ジュリア | 24:31:27 |
2 | MIRAI | 24:21:14 |
3 | 舞華 | 24:18:54 |
4 | 壮麗 亜美 | 22:50:24 |
5 | 葉月 | 22:49:52 |
ここではMIRAI選手がTOPとなった。「シンデレラ・トーナメント2023」2連覇。2冠の中野たむ選手から「ワンダー・オブ・スターダム」のタイトルを奪い4度の防衛。2023年はMIRAI選手が一皮剥けた年であった。続いて、DDMのジュリア、舞華選手が安定のランクイン。葉月選手はシングルでもタッグでも、レジェンドと組んでも、急に決まったタイトルマッチでも、どんな場面でも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれる。葉月選手への安心感はハンパない。続く、壮麗選手も「フューチャー・オブ・スターダム」「ゴッデス・オブ・スターダム」でのタイトルマッチで活躍をした。
試合平均時間ランキングTOP5
平均試合時間ではどうだろうか。
試合の時間が長いということは、それだけ試合が白熱しているということでもある。
2023年、平均の試合時間が長かった選手をランキングにしてみた。
試合平均時間ランキングTOP5 2023
Rank | NAME | AVERAGE TIME |
---|---|---|
1 | 優宇 | 00:14:28 |
2 | 高橋 奈七永 | 00:13:46 |
3 | 安納 サオリ | 00:13:32 |
4 | 上谷 沙弥 | 00:13:24 |
5 | 世羅 りさ | 00:13:05 |
ここにきてランキングは一気に様変わりを見せる。優宇、高橋 奈七永の7UPがワンツーフィニッシュ。続いて安納サオリ選手、上谷選手、世羅りさ選手が続く。
地方巡業をせずに年間の試合数が少ない選手が、平均試合時間が長くなる傾向にあるようだ。スペシャルマッチに呼ばれる選手たちのため、1試合1試合が白熱したものになっている。上谷選手は地方巡業もしているのに、ランクインしている。欠場していなかったら、他のランキング総取りだったのかもしれない。
シングルマッチ勝率ランキングTOP5
2023年、スターダムのシングルマッチの勝率をランキングにしてみた。
シングルマッチ勝率ランキングTOP5 2023
Rank | Player | 計 | 勝 | 敗 | 分 | Rate |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 高橋 奈七永 | 10 | 9 | 0 | 1 | 90% |
2 | 朱里 | 24 | 18 | 4 | 2 | 75% |
3 | MIRAI | 23 | 15 | 6 | 2 | 65.2% |
4 | 安納 サオリ | 17 | 11 | 3 | 2 | 64.7% |
5 | 鈴季 すず | 21 | 13 | 6 | 2 | 61.9% |
高橋 奈七永選手が強すぎる。パッションが溢れすぎているようだ。勝率なんと90%。負けはなしだ。パッション注入マッチでのシングルでの結果が大きく反映されている。続いて、朱里選手。やっぱり強い。朱里選手は3年間ずっと勝率75%をキープ。実に安定している。本格参戦した安納サオリ選手、鈴季すず選手も勝率がよい。すず選手は「5★STAR GP 2023」制覇という偉業も成し遂げている。そして2冠王者となった中野たむ選手がランクインしている。
やはり、ここのランキングにはシングルタイトルのチャンピオンたちが、ずらりと並んでほしい。じゃないと、高橋奈七永選手、朱里選手がチャンピオンでいいじゃないかと思ってしまう。
タッグマッチ勝率ランキングTOP5
2023年、スターダムのタッグマッチでの勝率をランキングにしてみた。
タッグマッチ勝率ランキングTOP5 2023
Rank | Player | 計 | 勝 | 敗 | 分 | Rate |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | KARMA | 5 | 4 | 1 | 0 | 80% |
2 | 小波 | 14 | 11 | 3 | 0 | 78.6% |
3 | メーガン・ベーン | 47 | 36 | 9 | 1 | 76.6% |
4 | 星来 芽依 | 83 | 62 | 15 | 6 | 74.7% |
5 | 鈴季 すず | 80 | 57 | 16 | 7 | 71.3% |
まさかのKARMA選手がランキングトップ。試合数が少ないが、キッド選手との「NEW BLOODタッグ王座」でのトーナメント、防衛戦での実績でランクインしてる。続いてさらに意外な小波選手。小波選手は復活するの? しないの ? どっちなんだいっ!でも、ときどき現れる外敵感は嫌いではない。
そして、林下詩美選手の海外遠征から勝手についてきたメーガン・ベーン選手。スターダムの下半期はメーガン選手が大いに盛り上げた。圧倒的なパワーとひたむきな試合で、徐々にスターダムファンにも受け入れられていった。
そして、ユニット未所属の星来芽依、鈴季すずの「CRAZY STAR」がランクイン。両選手ともスターダム生え抜き選手たちが欠場している間も、元気にリングを走り回っていた。彼女たちの明るい試合は、暗黒のスターダムに光を差してくれた。
敗北数ランキングTOP5
プロレスにおいて試合に負けるというのは、決してネガティブなことだけではない。それだけ相手選手のフィニッシュホールドを喰らっているということである。つまり、すごく丈夫ということだ。
2023年、フォール、ギブアップをした回数をランキングにしてみた。
敗北数ランキングTOP5 2023
Rank | NAME | COUNT |
---|---|---|
1 | HANAKO | 65回 |
2 | 水森 由菜 | 61回 |
3 | 天咲 光由 | 53回 |
4 | 飯田 沙耶 | 51回 |
5 | 琉悪夏 | 49回 |
ランキング1位は現役女子レスラー最長身のHANAKO選手が輝いた。23年3月25日にデビューしてから、年間100試合以上戦っている。24年のHANAKO選手に期待だ。
それ以降のランキングは、各ユニットからランクインしている。COSMIC ANGELSからは水森選手、Queens Questからは天咲選手、STARSからは飯田選手、大江戸隊からは琉悪夏選手が名を連ねている。一方で、DDM、God’s Eye、Club Venusはランクインしていない。ユニット全体としても負けが少ないということだ。
フィニッシュ技ランキングTOP5
最後に2023年の試合のフィニッシュ技をランキングにしてみた。
フィニッシュ技ランキングTOP3 2023
Rank | FINISH | COUNT |
---|---|---|
1 | 時間切れ引き分け | 83回 |
2 | みちのくドライバーII | 31回 |
3 | F5 | 27回 |
4 | ダイビング・ボディプレス | 20回 |
5 | 起死回生 | 20回 |
スターダムのフィニッシュ1位はなんと時間切れ引き分け。スターダムは2017年から、7年間ずっと時間切れ引き分けが1位となっている。回数は2位に2倍以上の差をつけた73回。年間1041試合のうち実に7.4%が時間切れ引き分けという結果である。しかし、2023年はひめか選手の引退セレモニーで30人との1分1本勝負で24引き分けがあったため、引き分けの回数が大きく伸びたようだ。
2位は舞華選手の「みちのくドライバーⅡ」。ここでも舞華選手の活躍ぶりが証明されたようだ。この技をいちばん喰らったのは飯田選手で5回となっている。続く、3位はメーガン・ベーン選手の必殺技「F5」がランクイン。1番の被害者はレディ・C選手で4回となっている。4位は、鹿島沙希選手の「起死回生」がランクイン。一番スパパパーンと丸め込まれたのは、水森選手で6回。5位には「ダイビング・ボディプレス」がランクインしているが、こちらは多くの選手がフィニッシュとして使用しており、コグマ選手が9回、テクラ選手が3回、柊選手、水森選手が2回、この技でフィニッシュを飾っている。
まとめ
- 2023年のスターダムの主役は舞華選手
- 2023年の白熱試合をしていたのはMIRAI選手。
- シングルマッチのチャンピオンの勝率が高くなく、平均試合時間も伸びていない。タイトルの威厳がやや損なわれているようだ。
- 生え抜き選手たちが欠場している中、スターダムを支えたのは生え抜きではない選手たち