内藤哲也、BUSHI、ジェフ・コブ、TJPが離脱。さらにHENAREは長期欠場。戦力的にも話題性的にも、2025年後半の新日本プロレスは正直かなり厳しい状況だったはずだ。
そこで今回は、集計方法が変更された2016年以降の観客動員数をベースに、2025年の新日本プロレスを数字で振り返ってみる。
※公式サイトに掲載されている試合結果を参照
2025年 新日本プロレスの年間観客動員数
観客動員数は2019年に45万人超を記録。これは石川県金沢市の人口とほぼ同じ規模である。
……と言われても正直ピンとこないが、安心してほしい。書いている本人もあまりピンときていない。
しかし2020年、新型コロナウイルスの影響で動員数は一気に半減。以降、2019年の水準には一度も戻っていない。2021年以降は2024年まで右肩上がりで回復していたものの、2025年は残念ながら微減という結果に終わった。
特に影響が大きかったのが、7〜8月のG1 CLIMAX。ノミネート選手のうち、優勝経験者は棚橋弘至とザック・セイバーJr.の2人のみ。オカダ、後藤、内藤といった“過去の顔”が不在のG1は、興行的にはかなり厳しい戦いを強いられた。なお、試合内容はめちゃくちゃ面白かった。特にEVILの決勝戦は最高だった。ここはちゃんと書いておく。
ただし、10月の両国大会でWAR DOGSと無所属の共闘が始まって以降は、観客動員数は例年よりも伸びを見せている。棚橋ファイナルロード特需の影響も、かなり大きそうだ。今後、右肩上がりになるのかどうか、すべては1.4レッスルキングダムでの試合内容によってきそうだ。
2025年 新日本プロレスの年間大会数
次に、年間の大会数をみてみよう。
2025年の年間の大会数は148大会。これは2020年の“コロナ元年”を除くと、過去10年で最少の大会数となる。当然ながら、大会数が少なければ、観客動員数も伸びにくい。2025年の動員数が微減にとどまった理由の一つは、この大会数の少なさにあると見てよさそうだ。
2025年 新日本プロレスの平均観客動員数
続いて、1大会あたりの平均観客動員数。
平均観客動員数で見ると、2025年は前年から微増。ただし、本当に“微”である。順調に成長しているとは言いづらく、体感的にはほぼ横ばいと言っていい。
2025年 新日本プロレスの動員数別推移
最後に観客動員数別での大会数をみてみよう。
2025年に平均観客動員数が微増した理由は明確だ。1000人以下の大会が減り、2000人以内の大会が増えたことが大きい。これはつまり、地方大会で1000人以上を安定して集められるようになってきたということ。新日本プロレスが掲げるGLOCAL戦略のうち、「LOCAL」は着実に成果を出し始めていると言える。
一方で、3000人以上を集めるビッグマッチは減少傾向。オカダ、内藤のような圧倒的スター不在の影響は、やはり大箱での集客に直撃している。辻陽太やゲイブ・キッドがカリスマ性を発揮し始めているのは確かだが、オカダ、オスプレイ、内藤といったスターたちは“倒される前に去ってしまった”。辻やゲイブは、自分の試合だけで、その壁を超えなければならない。正直、ハードルはかなり高い。
2026年に新たな看板スターが複数人出てこなければ、新日本プロレスがさらに大きく跳ねるのは難しいだろう。
まとめ
2025年の新日本プロレスは年間観客動員数が微減し、コロナ後の回復は依然として道半ばだった。
地方大会では集客が安定しつつある一方、ビッグマッチでの動員はスター不在の影響が色濃く出ている。
2026年に新たな看板スターが誕生できるかが、今後の成長を左右する鍵になりそうだ。
それでは素晴らしきプロレスライフを!

