『5★STAR GP』完全ガイドブック:歴代優勝者と全対戦成績

データで楽しむプロレス

STARDOMの夏のシングルリーグ戦『5★STAR GP』。

「STARDOM」が毎年開催するこの大会は、女子プロレス界の夏の祭典だ。全選手が星を掴むために、リング上で、その実力と熱意をぶつけ合う。

2012年の第1回『5★STAR GP』から全ての公式戦700戦以上を集計。歴代優勝者から、最長決勝戦、最多優勝者、最年少優勝者など、さまざまな『5★STAR GP』の記録をまとめてみた。

スターダムの夏の激闘『5★STAR GPをより楽しめるよう、いろいろなデータをみてみよう。

※集計期間:2007/5〜2024/9の新日、STARDOMの試合

『5★STAR GP』とは

5★STAR GP』は2012年からスターダムで始まったシングルマッチのリーグ戦である。スターダム版のG1クライマックスと銘打って開催が発表された。

レッドスターズ、ブルースターズの2ブロックに分かれてリーグ戦を行い、各ブロックの最高得点者が優勝決定戦へ進出できる。公式戦は15分1本勝負。勝利で2点、引き分けは1点、敗北では0点の得点制となっている。

優勝者には赤いガウンと王冠、優勝トロフィーが贈呈され、だいたいワールド・オブ・スターダム王座へ挑戦する。優勝者はスターダムのその年の顔となる。過去12回のチャンピオンのうち、7名が年間女子プロ大賞にも輝いていることから、『5★STAR GP』の優勝者は、女子プロレス界の顔にもなると言える注目の大会なのである。

『5★STAR GP』歴代優勝者

回(年)優勝(年齢)準優勝(年齢)参加数
第1回
(2012)
愛川 ゆず季(29)木村 響子(35)12
第2回
(2013)
高橋 奈七永(34)アルファ・フィーメル(31)12
第3回
(2014)
紫雷 イオ(24)世Ⅳ虎(21)12
第4回
(2015)
KAIRI(27)ハドソン・インヴィー(24)12
第5回
(2016)
美闘 陽子(29)テッサ・ブランチャード(21)14
第6回
(2017)
トニー・ストーム(21)美闘 陽子(30)16
第7回
(2018)
岩谷 麻優(25)林下 詩美(20)16
第8回
(2019)
木村 花(22)小波(23)18
第9回
(2020)
林下 詩美(22)ひめか(23)16
第10回
(2021)
朱里(32)渡辺 桃(21)20
第11回
(2022)
ジュリア(28)中野 たむ(34)26
第12回
(2023)
鈴季 すず(20)舞華20
第13回
(2024)
舞華上谷 沙弥(27)28
【最年少優勝】- 鈴季 すず(20歳)
【最年長優勝】- 高橋 奈七永(34歳)
【最長決勝戦】- 舞華 vs 上谷 沙弥
(00:27:23 変型みちのくドライバーⅡ)
【最短決勝戦】- トニー・ストーム vs 美闘 陽子
(00:08:17 ストロング・ゼロ)

とにかく優勝者は名だたる実力者揃い。男子プロレスしか見ていない人でも、名前は聞いたことがある人が多いはず。

優勝者は木村花選手、鈴季すず選手以外は、全員『ワールド・オブ・スターダム王座』か『ワンダー・オブ・スターダム王座』のタイトルを獲得している。名実ともにスターダムを駆け上がることになる大会である。優勝者の平均年齢は2023年までの12回で、26歳。30歳を超えて優勝したのは、高橋奈七永選手と朱里選手の2名となっている。そして、悲しいことに12名の優勝者のうち、今もスターダムに残って戦っているのは、岩谷麻優・朱里・鈴季すずの3選手しかいない。

外国人選手の優勝は、トニー・ストーム選手ただ一人となっている。

また、参加人数は徐々に増加傾向にあり、2024年は過去最多の28選手がエントリーされ、4ブロック制となっている。

『5★STAR GP』優勝回数ランキング

Name優勝回数準優勝回数決勝進出回数
美闘 陽子112
林下 詩美112
舞華112
岩谷 麻優101
KAIRI101
愛川 ゆず季101
ジュリア101
木村 花101
高橋 奈七永101
鈴季 すず101
トニー・ストーム101
紫雷 イオ101
朱里101
上谷 沙弥011
ひめか011
ハドソン・インヴィー011
木村 響子011
渡辺 桃011
テッサ・ブランチャード011
アルファ・フィーメル011
中野 たむ011
小波011
世Ⅳ虎011

『5★STAR』では複数回の優勝者はいまだに一人もいない。準優勝を複数回した選手も一人もいない。優勝と準優勝を含めると美闘陽子・林下詩美の2選手が優勝・準優勝1回ずつ経験しているのみである。それだけ、スターダムは変化が多い団体であるとも言える。

『5★STAR GP』出場回数TOP20

RankNAMECOUNT
1岩谷 麻優11
2中野 たむ8
3渡辺 桃8
4AZM6
5小波6
6紫雷 イオ6
7林下 詩美6
8葉月6
9鹿島 沙希6
10朱里5
11KAIRI5
12ジャングル叫女5
13なつぽい5
14舞華5
15上谷 沙弥5
16スターライト・キッド5
17コグマ4
18ジュリア4
19刀羅 ナツコ4
20羽南3

出場回数は、岩谷麻優選手が10回出場でダントツトップとなっている。次に中野たむ・渡辺桃選手が7回と続く。ランキング上位が、現役のスターダム選手であるのはとても心強い。

3回出場するだけでもTOP20にランクインできることからも、スターダムの変化の多さを伺い知ることができる。

『5★STAR GP』対戦勝率ランキング TOP10

『5★STAR GP』での全対戦成績から、参加選手の勝率ランキングにしたのがこちらだ。
公式戦を10試合以上している選手を対象としている。

RankPlayerRate
1美闘 陽子15104166.7%
2トニー・ストーム1492364.3%
3木村 花16106062.5%
4高橋 奈七永16104262.5%
5舞華472815459.6%
6花月22137259.1%
7紫雷 イオ34208658.8%
8鈴季 すず281610257.1%
9ケイ・リー・レイ1485157.1%
10岩谷 麻優814628756.8%

ランキングTOP1は、勝率66.7%で美闘陽子選手2016年に初出場初優勝をし、翌年も準優勝。そして2017年に引退をしている。2年のみの参加で輝かしい功績を残した。勝率としてもダントツだ。

続く2位は勝率64.3%でトニー・ストーム選手。今やAEWで大女優となっている。つい最近でも、白川美奈とマライア・メイとの三角関係で全米を沸かせてくれた。

3位は木村花選手。これから!というところで悲しいことに尊い命が失われてしまった。本当に悲しい。

ランキングTOP10で現役スターダム選手は、鈴季すず選手のみ。生え抜きのスターダム選手となると一人もいない。その他の選手はすべて移籍・引退してしまっている。女子プロレスの世界の展開の速さ、過酷さが伝わってくる。

これだと現役選手の勝率がわかりづらいので、直近5年の2019年以降の『5★STAR GP』での試合の勝率もみてみたい。

RankPlayerRate
1木村 花963066.7%
2ジェイミー・ヘイター853062.5%
3舞華472815459.6%
4鈴季 すず281610257.1%
5ビー・プレストリー743057.1%
6岩谷 麻優512919356.9%
7コグマ271511155.6%
8世羅 りさ18107155.6%
9フキゲンです★954055.6%
10林下 詩美402214455%

現役スターダム選手が出てきた。

TOP1は2023年の覇者、鈴季すず選手。現役スターダム選手で勝率60%を超えているのはすず選手のみ。今まで誰も成し遂げていない連覇を達成できる唯一のチャンスでもある。すず選手の引分けはジュリア選手との公式戦だ。

続いて、2位に世羅りさ。3位にコグマ選手。優勝も準優勝もしていないのに不思議とランクインしている。生え抜きのスターダム選手としては、コグマ選手が勝率1位である。

ランキングで過去の優勝者である林下詩美・朱里はかなり下にランクインしている。ジュリア選手に至ってはランクインすらしていない。(木村花選手は試合数が少ないためランク圏外)

全体の勝率がいいからといって、優勝できるということではないらしい。

ちなみに『5★STAR GP』でいちばん引分けが多い選手は、岩谷麻優選手の7回。生え抜きのスターダム選手もどうか頑張ってもらいたいところだ。

まとめ

  • 『5★STAR GP』優勝者の平均年齢は26歳
  • 複数回優勝者はいまだいない
  • 勝率の高い選手は移籍・引退をしてしまっている
  • 現役スターダム選手で勝率60%を超えているのは、鈴季すず選手のみ