プロレスの試合を彩るのはやっぱり必殺技。フィニッシュだ。
どんなに素晴らしい映画でも、エンディングがグダっていると駄作になってしまう。
フィニッシュホールドは大事なのである。華やかなフィニッシュホールドで締まると、試合も満足度が高いのだ。
2023年の新日本プロレスで、いちばん炸裂したフィニッシュはなんだったのか、集計してみた。
【新日本プロレス】2023年 フィニッシュ技ランキング
Rank | FINISH | COUNT |
---|---|---|
1 | 横入り式エビ固め | 33回 |
2 | EVIL | 31回 |
3 | デスライダー | 30回 |
4 | 逆エビ固め | 27回 |
5 | レインメーカー | 26回 |
6 | 時間切れ引き分け | 25回 |
7 | コブラツイスト | 20回 |
8 | DIRECT DRIVE | 20回 |
9 | 消灯 | 19回 |
10 | デスティーノ | 19回 |
1位 横入り式エビ固め
1位は33回で横入り式エビ固め。
まったく華やかな技ではない。矢野選手が26回、次いで金丸選手が3回、KENTA選手が2回、SHO選手、石森選手が1回ずつ勝利している。おそらくは金的からの横入り式エビ固めだらけと予想される。つまり、1位はほぼ金的だ。そして、横入り式エビ固めの1番の被害者はディック東郷選手で5回まるめこまれている。金的には金的を。因果応報だ。新日の金的率が高すぎることがわかる。
2位 EVIL
2位は31回でEVIL。
2022年の19回から大きくジャンプアップ。2023年はEVILが炸裂した年だったようだ。振り返るとEVIL選手はずっと忙しく活動していた。チャンピオンベルトを強奪し、社長を名乗り、勝手にグッズ販売も手がける敏腕ぶり。新日本プロレスの必要悪として猛威を振るっている。そんなEVIL社長の被害者は、TAKAみちのく選手で12回だ。なんとEVILの被害の38%がTAKAみちのく選手。すごく多い。
3位 デスライダー
3位は30回でデスライダー。
海野翔太選手のフィニッシュホールド「デスライダー」がランクイン。2023年はシングルでもタッグでも、話題を振りまいてくれた。内藤、オスプレイ、清宮、成田。積極的にガツガツ絡みに行き、試合のクオリティも素晴らしい。そんな海野選手のデスライダーの被害者は、中島選手が5回、タイガーマスク選手が4回となっている。
4位 逆エビ固め
4位は27回で逆エビ固め。
2022年は54回でダントツ1位だった「逆エビ固め」。2023年は大幅に回数が減ってきている。これはヤングライオンたちが「逆エビ固め」では負けなくなってきた証拠だ。逆エビ固めの被害者は、中島7回、村島・藤田6回、オスカー・ロイべ4回、嘉藤2回、大岩1回、小澤(ノア)1回となっている。ここでも中島選手が1番くらっている。
5位 レインメーカー
5位は26回でレインメーカー。
オカダ・カズチカ選手の「レインメーカー」がランクイン。例年、レインメーカーはタッグマッチでは炸裂しないが、2023年はタッグマッチでも見ることができた。レインメーカーが見れたら、その大会は大満足だ。レインメーカーの1番の被害者は、バッド・デュード・ティトの7回。え!? そんなに戦っていたっけ。
6位 時間切れ引き分け
6位は25回で時間切れ引き分け。
ヤングライオンが「逆エビ固め」で負けなくなった分、試合時間10分では決着が付かなくなってきているようだ。ヤングライオン同士の戦いで時間切れ引き分けが多くなっていた。ほかにも2023年は、ザック vs コブのTV王座や、鈴木&デスペ&海野 vs 永田&ワト&成田の7番勝負、G1 CLIMAXでの辻 vs 成田、海野 vs 成田、海野 vs 清宮、など時間切れとなる試合が多かった。時間切れ引き分けが多かった選手は、大岩10回、ボルチン7回、オスカー・中島が5回となっている。
7位 コブラツイスト
7位は20回でコブラツイスト。
成田選手のフィニッシュ「コブラツイスト」がランクイン。
1.5で結成した「ストロングスタイル」。無骨で寡黙なレスリングをする男が、まさかの「H.o.T」入りするなんて、誰が予想できただろうか。成田選手は凱旋帰国も扱いが雑だったし、反逆しても仕方がない。そんな成田選手のコブラツイストの被害者は、本間選手が6回で最多賞だ。本間選手は体が硬そうだから、コブラツイストに弱いのかもしれない。
7位タイ DIRECT DRIVE
7位タイは20回でDIRECT DRIVE。
YOH選手のフィニッシュホールド「DIRECT DRIVE」がランクイン。2023年のYOH選手は一皮も二皮も剥けて、振り幅の広い選手になった。BEST OF THE SUPER Jr.では煽りキャラに振り切り、リオ・ラッシュ選手が欠場しても、しっかりとタイトルマッチの穴を埋める。悪ふざけも、タイトルマッチも、シングルもタッグもなんでもできるオールマイティな選手だ。そんなDIRECT DRIVEの被害者は、BUSHIが5回、ディック東郷が2回、ワトが2回、ヒロムが2回。タッグマッチではあるものの、当時チャンピオンであったヒロム選手からも2回フォールを奪っている実力がある。
9位 消灯
9位は19回で消灯。
YOSHI-HASHI選手、後藤選手の毘沙門の必殺技「消灯」がランクイン。2023年も毘沙門はタッグで大活躍をした。ワールドタッグリーグ3連覇、IWGPタッグチャンピオンとしての優勝、と前人未到の記録を達成し、「けしからんざんまい」を披露した。去年のざんまいとの違いはわからないけど。そんな毘沙門の消灯の被害者は、ディック東郷選手の4回。ちなみに後藤選手の消灯は9時ごろだ。
9位タイ デスティーノ
同じく9位は19回でデスティーノ。
内藤哲也選手のフィニッシュホールド「デスティーノ」だ。2023年にプロレス大賞MVPを受賞した内藤選手。シングルマッチ以外でもデスティーノを炸裂させていた。シングルマッチでのデスティーノは9回。タッグでは10回炸裂していた。デスティーノの1番の被害者は、カラム・ニューマンとDOUKIが3回ずつである。
あと、24.1.4 東京ドームのデスティーノの連写撮影をGif画像にしたのでご査収ください。
まとめ
フィニッシュホールドランキングを見ると、その年に年間通してしっかりと活躍していた選手が浮き彫りになってくる。
2023年はEVIL選手の年であり、海野選手・成田選手の年であった。そしてなにより金的の年だ。
年間156大会のうち、2位のEVILが31回。19.8%。2位のEVILでも、5大会に1回しかフィニッシュを見ることができない。推しがフィニッシュホールドで勝つ試合というのは、とても貴重な試合なのである。毎大会、推しのフィニッシュが決まるのか、ワクワクしながら観戦しよう。