【石井智宏】昭和な男の完全攻略ガイド<勝率・プロフィール etc>

選手名鑑

令和の時代に、いまだ昭和の香りがプンプン臭うレスラーがいる。それが石井智宏選手だ。

デビューは平成8年。昭和ではない。にもかかわらず昭和があふれ出ている。時代に逆行する男。対戦相手に殴られても、殴られても前に出る。物理法則にも逆行する男。それが石井智宏選手だ。

そんな昭和な石井選手の対戦成績やこれまでのプロフィールに迫ってみたい。

石井 智宏

STONE PITBULL
団体新日本プロレス
ユニットCHAOS
生年月日1975/12/10 ( 48 才)
出身地神奈川県/川崎市
デビュー1996/11/2 ( 27 年)
デビュー戦超電戦士バトレンジャーZ
得意技垂直落下式ブレーンバスター、雪崩式ブレーンバスター、ラリアット、パワーボム
身長170 cm
体重100 kg
血液型O 型
入場曲STONE PITBULL
好きなもの寿司、カニ、野球観戦、ビオフェルミン

石井 智宏のパラメータ

総合点 44/60点

石井選手は、レスラーとしての体格に恵まれていない。身長は170cm。年齢ももう若くはない。しかし、そんなことは石井選手には関係ない。

「身体の大小は関係ねえんだよ。ゴチャゴチャうるせーな。もちろんよ、身体の大きさで有利不利はあるよ。でもリング上がったら関係ねえんだよ。 (胸を指して)ここだよ、ここ。」

バックステージコメントより

永田、てめえ50だろ?50だよな?まだ遅くねえ。もう一回気持ち入れかえて俺んところに来いよ。もう一回胸貸してやる。

バックステージコメントより

石井選手の存在感は圧倒的だ。タイトルマッチでは当然バチバチの戦いをする。毎試合、自分の限界まで出し切って戦う。タイトルマッチだけではない。なんでもないシングルマッチでも、地方のタッグマッチでも、1試合目でも、常にゴリゴリのバッチバチの戦いをする。

相手がどんなヘビー級レスラーでも、一歩も引くことはない。自分より大きな選手を、綺麗に垂直にブレーンバスターするパワー。対戦相手の技を全て受けて、受けて、受けて、立ち上がる驚異的なスタミナ。複数人の相手を一気に一掃する石井無双。終盤に見せる切り返しの応酬。力技だけではない、確かなテクニックが光る。打撃の打ち合いでは、エルボーを打っている方が追い込まれていく理解不能の現象が起きる。

命を削るような試合をしているから、体はもうボロボロだ。右肘、左膝、首を負傷している。しかし、それを口に出すことはない。長州の教えで、サポーターはしない。石井選手がサポーターやテーピングをしているときは、相当の重症な証である。

パフォーマンスは一切しない。石井選手は観客を見ない。対戦相手のみを見続けている。コメントもほとんどすることはない。試合だけで語るのが石井選手だ。しかし、ひとたび言葉を発すると、心に響く熱いセリフが飛び出してくる。なにも足さない、なにも引かない。痛みの伝わるプロレスをただやり続ける。完全に昭和レスラーである。

プライベートでも昭和だ。朝まで飲んで、昼過ぎまで寝て、試合に行く生活。そんな不規則な生活なのに、胃腸が弱いためビオフェルミンを常備している。でも、最近は朝8時に起きるようにしたようだ。

小細工はしない。駆け引きもしない。正面からぶつかる。潰し合う。最後に立っていた奴が勝つ。無骨なファイトスタイルで、対戦相手も刺激を受けて、石井選手の世界に引き込まれ覚醒する。まさに「名勝負製造機」。石井選手の名勝負度はMAX10だ。

石井 智宏の必殺技『垂直落下式ブレーンバスター』

石井 智宏のムーブ

決めセリフ

チーンし!(ブログのあいさつ)

先月までの最新試合結果

※新日本、スターダムでの試合限定
2024.6.23 かみす防災アリーナ
村島 克哉
棚橋 弘至
VS 石井 智宏
本間 朋晃
0:08:26 逆エビ固め
2024.6.22 福島トヨタ クラウンアリーナ
石井 智宏
小島 聡
本間 朋晃
VS HENARE
TJP
ジェフ・コブ
0:09:30 Streets of Rage
2024.6.19 岩手県営体育館
本間 朋晃
エル・デスペラード
石井 智宏
VS SANADA
タイチ
DOUKI
0:11:29 天翔十字鳳

石井 智宏の年表

年月日できごと
1996.11.2WARの超電戦士バトレンジャーZ戦でデビュー
1997.10.12石井、安良岡組がWARの第7代『インターナショナルジュニアヘビー級タッグ王座』初戴冠
1999.1.1天龍源一郎の付き人からフリーランスに転身
2002.9.1長州力のサイパン合宿に同行し、弟子入り直訴しWJプロレスに所属
2004.6.4石井、高岩組が第3代『NWAインターナショナルライトタッグ王座』初戴冠
2004.8.13WJプロレスを退団し、『リキプロ』を設立
2006.10.16矢野通と石井智宏が『G・B・H』に加入
2008.7.12石井智宏が第6代『WEWヘビー級王座』初戴冠
2009.4.5石井智宏が『CHAOS』加入
2014.2.11石井智宏が第3代『NEVER無差別級王座』初戴冠
2016.2.19石井智宏が第11代『ROH世界TV王座』初戴冠
2017.1.4矢野、石井組が第73代『IWGPタッグ王座』初戴冠
2018.1.4矢野、石井、バレッタ組が第15代『NEVER無差別級6人タッグ王座』初戴冠
2018.4.6石井智宏が第16代『RPWブリティッシュ・ヘビー級王座』初戴冠
2020.8.9後藤、石井、YOSHI-HASHIが第21代『NEVER無差別級6人タッグ王座』戴冠
2021.8.10『NEVER無差別級6人タッグ』最多防衛記録9回、最長試合時間36分56秒を記録。
2023.5.3オカダ、棚橋、石井組が『NEVER無差別級6人タッグ王座』初戴冠

石井選手は、天龍源一郎 vs 長州力の試合を見て、プロレスラーになることを決意した。格闘技の経験もなく、体も小さいことから天龍率いるWARに雑用係として拾ってもらう。1996年にデビュー。身長が低いことから、ジュニアのような戦いをしろと周りから言われるが、一貫して相手の技を全て受けるプロレスを続ける。それが天龍からの教えだったからだ。石井選手の原点には、天龍源一郎がいる。

しかし、1998年「WAR」は全所属選手の解雇。石井選手は1999年にフリーへ転身する。しばらくディック東郷、外道らと行動を共にし、インディー団体で活動をする。だが、2002年に長州のサイパン合宿に、運転手 兼 練習相手に同行するチャンスを得る。ペーパードライバーにも関わらず「運転ができる」と言い張り、合宿に参加する。そこで長州へ弟子入りを直訴。そして、責任を問われ新日本を退社したばかりの長州力が旗揚げした団体「WJプロレス」に所属することとなる。しかし「WJプロレス」はわずか1年5ヶ月で崩壊してしまう。

プロレスラーになるきっかけとなった天龍、長州に師事するも、短期間でどちらの団体も立ち行かなくなってしまう。そこで、石井選手は自らが選手会長を務め「リキプロ」を設立する。石井選手は「リキプロ」を起点に、ZERO-1やハッスルなどさまざまな団体へ参戦をするようになる。

2006年から新日本プロレスへ本格参戦し、矢野選手と「G・B・H」に加入する。石井選手は新日本でヒールとしてポジションを確立する。2009年には「G・B・H」から分裂した「CHAOS」へ加入。しかし、壮絶な名勝負はするものの、タイトルマッチで勝利することはできなかった。

しかし、2014年、遂に新日本プロレスで「NEVER無差別級王座」を戴冠する。新日本プロレス参戦から7年8ヶ月、WARでのデビューから17年3ヶ月の月日が経っていた。体も小さく格闘技経験のない男が、17年かけてメジャー団体のシングルベルトを獲得したのだ。

そこから、石井選手はNEVERのベルトを自分の色に染め上げた。NEVERといえば石井。石井といえばNEVER。そういう名勝負を繰り返し、NEVERのタイトルの価値を上げた。最多戴冠記録6回、最多防衛記録4回、最多通算保持期間514日と、NEVERの記録を打ち立てる。

「NEVER無差別級王座」だけではない。「NEVER無差別級6人タッグ王座」でも石井選手は記録を打ち立てる。毘沙門と組んで、最多通算防衛記録9回、最長試合時間36分56秒。新日本プロレスで6人タッグの試合を、大きく格上げした。

そして、NEVER初戴冠から約10年経った2023年12月も「NEVER無差別級6人タッグ」チャンピオンとして君臨している。12月21日はタイトルマッチも組まれている。NEVERは、石井選手のベルトと言ってもいい。

石井 智宏の全対戦成績

年別の勝利数、敗北数、引分数、勝率の推移。
TotalWinLoseDrawRate
198410119551851%
※集計期間:2007/5〜2024/6の新日、STARDOMの試合
合計試合時間431:51:07
平均試合時間 0:13:03

メインイベント回数の推移

年別のメインイベントの回数、メインイベント率をグラフ化。
メインイベント率が高いほど、メインイベンターとして重宝されている。
Main CountMain Rate
36218.2%

フィニッシュホールドTOP5

石井 智宏選手のフィニッシュホールドを集計してランキング。
RankFinishCount
1垂直落下式ブレーンバスター269
2ラリアット45
3逆エビ固め21
4パワーボム11
5スライディングラリアット7

石井選手が新日本プロレスに本格参戦したのが31歳。決して若い歳とは言えない。そこから石井選手の勝率は、17年間ずっと緩やかに上昇し続けており、いまだ衰える気配はない。17年間、成長し続けているのだ。2018年に勝率が突出しているのは、矢野選手とのタッグでの勝率の影響である。

一方でメインイベントは2015年以降、右肩下がりとなっている。まあ、確かに石井選手がメインで勝っても、何もパフォーマンスせずにスタスタ帰っちゃうので、しまらない感じはわからなくはないけど。だが、その変わらなさが最大の魅力でもある。

フィニッシュは説得力抜群の「垂直落下式ブレーンバスター」がダントツ。

石井 智宏のシングルマッチ勝率

シングルマッチの年別の勝利数、敗北数、引分数、勝率の推移。
TotalWinLoseDrawRate
270137132150.7%
※集計期間:2007/5〜2024/6の新日、STARDOMの試合
合計試合時間67:01:41
平均試合時間 0:14:53

石井 智宏のシングル対戦TOP5

石井 智宏選手とシングル対戦数の多い順でランキング。
RankPlayerRate
1後藤 洋央紀14311021.4%
2EVIL1394069.2%
3永田 裕志1156045.5%
4真壁 刀義1046040%
5内藤 哲也1046040%

石井選手のシングルマッチの勝率はかなり安定している。2012年に最高勝率75%を叩き出し、翌年2013年には勝率21%という極端な年はあったが、それ以外は50%以上を概ねキープしている。ただ、2023年はまた大幅に負け込んでいる。G1 CLIMAXで2勝5敗と大きく負け越したことが響いている。

対戦成績では、後藤洋央紀選手に大きく負け越しをしている。石井選手は相手のポテンシャルを最大限に引き出してしまい、対戦相手を最強の覚醒状態にしてから勝負するため、勝率はよくはない。実は一度も勝てていない相手がかなりいる。KENTA、デビッド・フィンレー、飯塚高史、中邑真輔、成田蓮、HENAREなどなど。対戦相手を覚醒させてしまうので、それは仕方がない。

石井 智宏のタッグマッチ勝率

タッグマッチの年別の勝利数、敗北数、引分数、勝率の推移。
※2人タッグのみの成績
TotalWinLoseDrawRate
557283266850.8%
※集計期間:2007/5〜2024/6の新日、STARDOMの試合
合計試合時間107:45:34
平均試合時間 0:11:36

石井 智宏のタッグパートナーTOP5

石井 智宏選手とタッグ組んだ回数順に、タッグパートナーをランキング。
※2人タッグのみの成績
RankPlayerRate
1矢野 通18612360366.1%
2中邑 真輔573225056.1%
3YOSHI-HASHI452718060%
4飯塚 高史35825222.9%
5本間 朋晃32922128.1%

タッグマッチの勝率は2018年までは右肩あがり。77%という驚異的な勝率を叩き出している。しかし、それ以降は大きく下がっている。2020年以降はNEVER6人タッグでの活躍もあり、2人のタッグマッチが組まれることが少なくなった。6人タッグの試合が多くなったのが試合数減少の原因だ。

2018年はワールドタッグリーグで矢野選手と参加し好成績を残し、年間での矢野選手とのタッグは39戦33勝という素晴らしい成績を残している。矢野選手と石井選手の相性は抜群なのである

タッグパートナー別の勝率でみても、矢野選手との勝率はかなり高い。石井選手とタッグを組むと、怒られるのを恐れてか、矢野選手が比較的真面目に戦う。真逆に見える二人だが、「G・B・H」「CHAOS」と、共にユニットを歩んできた二人の絆は深いのかもしれない。

石井 智宏 ベストバウト

基本的に全部ベストバウトだ。
石井選手自身は「ベストバウトはない」と答えている。全ての試合に満足がいっていないらしい。「引退してから考える」と答えている。かっこよすぎる。

が、しかしその中でもいくつかの熱い試合をご紹介。8月のG1大阪大会は石井選手が爆発する。

石井智宏 VS ケニー・オメガ
2018.8.4 エディオンアリーナ大阪「G1 CLIMAX 28公式戦」

石井智宏 VS 柴田勝頼
2013.8.4 大阪府立体育館 「G1 CLIMAX 23公式戦」

石井智宏 VS オカダ・カズチカ
2013.8.4 大阪府立体育館 「G1 CLIMAX 26公式戦」

石井 智宏 関連グッズ

ジムに行く用に購入した石井智宏選手のドライTシャツをご紹介。新日のドライTシャツは、通気性がよく、軽いし伸縮性もあってオススメ。

まとめ

格闘技もしていない。体も小さい。でも、天龍vs長州をみて、プロレスラーになりたいと思い、素養は何もないのに、気持ちで行動する。憧れのレスラーに弟子入りを直訴し、受けた教えを守り通す。一貫してブレることはない。常に目の前を全力で闘い続ける。

俺の一番嫌いな言葉“あれもプロレス、これもプロレス”。クソ喰らえだよ! ふざけんなよ! 俺は絶対認めない。そこに“闘い”がなきゃ、プロレスじゃねぇんだよ。

この愚直な闘いが、昭和の匂いを令和に漂わせているのだ。

一方で、CHAOS仲間とのプライベートでは、笑顔で楽しそうに過ごしている。このギャップがすごい。このギャップの振り幅はエグい。萌える。こんな昭和な男なのに、サプライズケーキとかズルい。

ブログでも、リングとは違う一面を見せる。リングではこんなに語らないのに、ブログの更新は頻繁だ。2023年は月平均50回ほど更新をしている。1日に数回更新しているのだ。Twitter感覚でブログを更新する。投稿内容も独特で、タイトルと本文がいっさい関係ない。なんならタイトルが、本文より長いときもある。でも、なんだかのびのびとしていて、石井選手が楽しそうなのが伝わってくる。ギャップ萌えしたいなら、ぜひ一読あれ。

石井智宏オフィシャルブログ「石井智宏日記」Powered by Ameba
石井智宏さんのブログです。最近の記事は「〜やっぱり〜(画像あり)」です。

デビューから30年近く、闘いのスタンスは変えずに進化し続ける石井選手。この熱い男が最後の昭和レスラーなのかもしれない。今年の冬は、石井選手で暖をとろう。

それでは、一緒に素晴らしきプロレスライフを!チーンし!!