スターダムで「白いベルト」として知られる多くの名勝負と伝説を生み出してきたワンダー・オブ・スターダム王座。
初代王者・愛川ゆず季から始まり、紫雷イオ、上谷沙弥と、数々の激戦の記録がこのベルトに刻まれている。現王者スターライト・キッドもまた、その歴史に新たなページを加えている。
『ワンダー・オブ・スターダム王座』の歴代チャンピオンや全防衛戦の記録を通じて、その輝かしい歴史と選手たちの熱い闘いを振り返ってみる。スターダムの白いベルトが紡いできた物語を、ぜひご堪能あれ!
ワンダー・オブ・スターダム王座とは
女子プロレス界において、スターダムの“白いベルト”といえば、誰もが思い浮かべるのがワンダー・オブ・スターダム王座。
この王座は2011年6月26日、新日本木場1stRINGでの大会にて創設され、以降“スターダムの象徴”として数多くのスター選手たちが争ってきた、名誉あるタイトルである。
白を基調にしたベルトのデザインは、かつての全日本女子プロレス「オールパシフィック王座」へのリスペクトと、スターダムの名にある“スター(星)”を象徴するシルバースターのプレート。ファンの間ではその姿から「白いベルト」と呼ばれ、赤いベルト(ワールド・オブ・スターダム王座)と並ぶ二大王座として親しまれている。
初代王者には、愛川ゆず季が就任。以降も紫雷イオ(現・イヨ・スカイ)、宝城カイリ(現・KAIRI)、中野たむ、渡辺桃など、多くの人気選手・実力派選手が歴代王者として名を連ねてきた。
初代王者・愛川ゆず季は8度防衛した後に引退。引退試合にて初代ベルトが贈呈されることとなった。次のチャンピオンのダーク・エンジェルから2代目ベルトとなっている。
このページでは、そんなワンダー・オブ・スターダム王座の歴代王者一覧を、彼女たちの熱い戦いとともに紹介していく。
スターダムの白いベルトの歴史をたどれば、女子プロレスの進化が見えてくる——。
ワンダー・オブ・スターダム王座 歴代王者
歴代のワンダー・オブ・スターダム王座と、主な記録を集計。
防衛頻度は、防衛戦を何日ペースで行っているかの平均日数。少なければ少ないほど頻繁にタイトルマッチを行っている。
歴代 | 王者(年齢) | 獲得日 | 防衛数 | 日数 | 防衛頻度 |
---|---|---|---|---|---|
初代 | 愛川 ゆず季(28) | 11.7.24 | 8 | 618 | 68.7 |
2 | ダーク・エンジェル(34) | 13.4.29 | 3 | 189 | 47.3 |
3 | 安川 惡斗(26) | 13.11.4 | 4 | 265 | 53 |
4 | 岩谷 麻優(21) | 14.7.27 | 2 | 175 | 58.3 |
5 | 安川 惡斗(28) | 15.1.18 | 0 | 59 | 59 |
6 | 紫雷 イオ(25) | 15.5.18 | 7 | 189 | 23.6 |
7 | サンタナ・ギャレット(27) | 15.11.23 | 9 | 174 | 17.4 |
8 | KAIRI(27) | 16.5.15 | 8 | 364 | 40.4 |
9 | 岩谷 麻優(24) | 17.5.14 | 2 | 132 | 44 |
10 | 美闘 陽子(30) | 17.9.23 | 2 | 57 | 19 |
11 | 紫雷 イオ(27) | 17.11.19 | 10 | 185 | 16.8 |
12 | 渡辺 桃(18) | 18.5.23 | 13 | 358 | 25.6 |
13 | 星輝 ありさ(23) | 19.5.16 | 10 | 370 | 33.6 |
14 | ジュリア(26) | 20.7.26 | 6 | 220 | 31.4 |
15 | 中野 たむ(32) | 21.3.3 | 6 | 301 | 43 |
16 | 上谷 沙弥(25) | 21.12.29 | 15 | 480 | 30 |
17 | 白川 未奈(35) | 23.4.23 | 1 | 34 | 17 |
18 | 中野 たむ(35) | 23.5.27 | 0 | 36 | 36 |
19 | MIRAI(23) | 23.7.2 | 3 | 180 | 45 |
20 | 安納 サオリ(32) | 23.12.29 | 3 | 176 | 44 |
21 | 岩田 美香(28) | 24.6.22 | 0 | 23 | 23 |
22 | 安納 サオリ(33) | 24.7.15 | 0 | 12 | 12 |
23 | なつぽい(29) | 24.7.27 | 2 | 155 | 51.7 |
24 | スターライト・キッド | 24.12.29 | 3 | 154 | 38.5 |
記録 | チャンピオン | |
---|---|---|
最年少記録 | 18歳 | 渡辺 桃 |
最年長記録 | 35歳 | 中野 たむ |
最大戴冠回数 | 2回 | 中野 たむ安川 惡斗安納 サオリ岩谷 麻優紫雷 イオ |
最大防衛回数 | 15回 | 上谷 沙弥 |
通算最大防衛回数 | 17回 | 紫雷 イオ |
最短防衛期間 | 12日 | 安納 サオリ |
最長防衛期間 | 618日 | 愛川 ゆず季 |
通算最長防衛期間 | 618日 | 愛川 ゆず季 |
初代王者・愛川ゆず季が618日という通算最長防衛期間を保持し続けている。2年近くずっと防衛している。ワールド・オブ・スターダムも最長防衛記録は初代王者の高橋奈七永である。初期の頃はタイトルマッチの頻度が今より少なくタイトルの移動が起こりづらい傾向があった。
また、最大防衛記録は上谷沙弥の15回。防衛期間は480日と1年以上持ち続けていた。
ちなみに最年長記録は、『ワンダー・オブ・スターダム』も『ワールド・オブ・スターダム』も中野たむ選手だ。
ワンダー・オブ・スターダム王座 全防衛戦一覧
ワンダー・オブ・スターダム王座のすべてのタイトルマッチを記載。ワンダー・オブ・スターダム王座の戦いの防衛戦の歴史をチェックしてみよう!
王者 | 日付 | 防衛数 | 対戦相手 |
---|---|---|---|
愛川 ゆず季 | 11.7.24 | 獲得 | 世Ⅳ虎 |
ダーク・エンジェル | 13.4.29 | 獲得 | 安川 惡斗 |
安川 惡斗 | 13.11.4 | 獲得 | ダーク・エンジェル |
岩谷 麻優 | 14.7.27 | 獲得 | 脇澤 美穂 |
安川 惡斗 | 15.1.18 | 獲得 | 岩谷 麻優 |
紫雷 イオ | 15.5.17 | 獲得 | ニッキー・ストーム |
サンタナ・ギャレット | 15.11.23 | 獲得 | 紫雷 イオ |
KAIRI | 16.5.15 | 獲得 | サンタナ・ギャレット |
岩谷 麻優 | 17.5.14 | 獲得 | KAIRI |
美闘 陽子 | 17.9.23 | 獲得 | 岩谷 麻優 |
紫雷 イオ | 17.11.19 | 獲得 | 美闘 陽子 |
渡辺 桃 | 18.5.23 | 獲得 | 紫雷 イオ |
星輝 ありさ | 19.5.16 | 獲得 | 渡辺 桃 |
ジュリア | 20.7.26 | 獲得 | 中野 たむ |
中野 たむ | 21.3.3 | 獲得 | ジュリア |
上谷 沙弥 | 21.12.29 | 獲得 | 中野 たむ |
白川 未奈 | 23.4.23 | 獲得 | 上谷 沙弥 |
中野 たむ | 23.5.27 | 獲得 | 白川 未奈 |
MIRAI | 23.7.2 | 獲得 | 中野 たむ |
安納 サオリ | 23.12.29 | 獲得 | MIRAI |
岩田 美香 | 24.6.22 | 獲得 | 安納 サオリ |
安納 サオリ | 24.7.15 | 獲得 | 岩田 美香 |
なつぽい | 24.7.27 | 獲得 | 安納 サオリ |
スターライト・キッド | 24.12.29 | 獲得 | なつぽい |
時間 | タイトルマッチ | |
---|---|---|
平均試合時間 | 0:17:14 | |
最短試合時間 | 0:05:20 | 安川 惡斗 vs ケリー・スケーター |
最長試合時間 | 0:30:00 | 美闘 陽子 vs 彩羽 匠ジュリア vs 朱里中野 たむ vs 岩谷 麻優上谷 沙弥 vs KAIRIMIRAI vs 安納 サオリ |
上谷沙弥がタイトルを落としてから、ワンダー・オブ・スターダムの連続防衛記録はなかなか伸びない状況となっている。白のベルトの防衛記録が伸ばしにくくなっているようだ。2023.11.18から安納サオリが一時代を築いていたが、一度タイトルを岩田美香に負けて落としているため、防衛記録は伸びなかった。
ワンダー・オブ・スターダムのベルトを1度巻いた選手は、赤のベルト・ワールド・オブ・スターダム戦線へ移動することが多く、何度も白のベルトを巻いている選手は多くない。
それにしても30分時間切れ引き分けが多い!!
ワンダー・オブ・スターダム王座 タイトルマッチ回数 TOP30
ワンダー・オブ・スターダム王座のタイトルマッチが多い選手は誰なのか?
タイトルマッチ数が多い選手でランキングを集計!
Rank | NAME | COUNT |
---|---|---|
1 | 紫雷 イオ | 22回 |
2 | 渡辺 桃 | 18回 |
3 | 上谷 沙弥 | 18回 |
4 | 中野 たむ | 15回 |
5 | KAIRI | 14回 |
6 | 星輝 ありさ | 12回 |
7 | サンタナ・ギャレット | 11回 |
8 | 岩谷 麻優 | 10回 |
9 | 愛川 ゆず季 | 9回 |
10 | 安川 惡斗 | 9回 |
11 | スターライト・キッド | 8回 |
12 | 安納 サオリ | 8回 |
13 | ジュリア | 8回 |
14 | なつぽい | 7回 |
15 | ダーク・エンジェル | 6回 |
16 | 葉月 | 6回 |
17 | MIRAI | 6回 |
18 | 白川 未奈 | 5回 |
19 | 小波 | 5回 |
20 | 美闘 陽子 | 5回 |
21 | ジャングル叫女 | 5回 |
22 | 脇澤 美穂 | 4回 |
23 | 彩羽 匠 | 3回 |
24 | 花月 | 3回 |
25 | 林下 詩美 | 3回 |
26 | シャナイア・アリアーナ | 2回 |
27 | 刀羅 ナツコ | 2回 |
28 | ジェイミー・ヘイター | 2回 |
29 | 壮麗 亜美 | 2回 |
30 | 岩田 美香 | 2回 |
当然、防衛回数が多い選手が上位にノミネートしている。通算最大防衛回数17回の紫雷イオが、TOPにランクイン。この記録を追うのが渡辺桃だ。
また、中野たむ選手は防衛回数のみならず挑戦回数も多く上位にランクインしている。
ワンダー・オブ・スターダム王座 選手別勝率 TOP30
ワンダー・オブ・スターダム王座タイトルマッチに強い選手は誰なのか?
タイトルマッチの勝率でランキング集計!
Rank | Player | 計 | 勝 | 敗 | 分 | Rate |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 愛川 ゆず季 | 9 | 9 | 0 | 0 | 100% |
2 | 星輝 ありさ | 12 | 11 | 1 | 0 | 91.7% |
3 | サンタナ・ギャレット | 11 | 10 | 1 | 0 | 90.9% |
4 | 上谷 沙弥 | 18 | 16 | 2 | 0 | 88.9% |
5 | ジュリア | 8 | 7 | 1 | 0 | 87.5% |
6 | 紫雷 イオ | 22 | 19 | 3 | 0 | 86.4% |
7 | 渡辺 桃 | 18 | 13 | 5 | 0 | 72.2% |
8 | 安川 惡斗 | 9 | 6 | 3 | 0 | 66.7% |
9 | MIRAI | 6 | 4 | 2 | 0 | 66.7% |
10 | ダーク・エンジェル | 6 | 4 | 2 | 0 | 66.7% |
11 | KAIRI | 14 | 9 | 5 | 0 | 64.3% |
12 | 安納 サオリ | 8 | 5 | 3 | 0 | 62.5% |
13 | 岩谷 麻優 | 10 | 6 | 4 | 0 | 60% |
14 | 美闘 陽子 | 5 | 3 | 2 | 0 | 60% |
15 | 中野 たむ | 15 | 8 | 7 | 0 | 53.3% |
16 | スターライト・キッド | 8 | 4 | 4 | 0 | 50% |
17 | 岩田 美香 | 2 | 1 | 1 | 0 | 50% |
18 | なつぽい | 7 | 3 | 4 | 0 | 42.9% |
19 | 白川 未奈 | 5 | 2 | 3 | 0 | 40% |
20 | 花月 | 3 | 1 | 2 | 0 | 33.3% |
21 | 葉月 | 6 | 0 | 6 | 0 | 0% |
22 | 小波 | 5 | 0 | 5 | 0 | 0% |
23 | ジャングル叫女 | 5 | 0 | 5 | 0 | 0% |
24 | 脇澤 美穂 | 4 | 0 | 4 | 0 | 0% |
25 | 林下 詩美 | 3 | 0 | 3 | 0 | 0% |
26 | 彩羽 匠 | 3 | 0 | 3 | 0 | 0% |
27 | ビー・プレストリー | 2 | 0 | 2 | 0 | 0% |
28 | ラクエル | 2 | 0 | 2 | 0 | 0% |
29 | 木村 花 | 2 | 0 | 2 | 0 | 0% |
30 | シャナイア・アリアーナ | 2 | 0 | 2 | 0 | 0% |
愛川ゆず季は初代王者にして、そのまま負けることなく引退。勝率100%という誰も到達できない記録を打ち立てている。続いて、星輝ありさ、サンタナ・ギャレットと連続防衛記録が長い選手が続いている。また、ジュリアも防衛記録はそこまで伸びてはいないが、初挑戦で獲得しベルトを失う1敗のみとなっている。
逆に、葉月は6回挑戦し、いまだ一度もタイトルを獲得していない。十分な実力がありながら、白のベルト王者にはなれていない。葉月のシングルベルト戴冠がすごくみたい。
まとめ
白いベルト――それはスターダムにおける「夢」と「誇り」の象徴。
王者たちの信念と覚悟がぶつかり合うこの王座は、ただのタイトルではなく、選手たちの生き様そのものを映し出している。王者になるだけでなく、王者として白いベルトをどうやって自分の色に染めていくのかもチャンピオンに課せられた試練だ。
今後も白の物語からは目が離せない。では、素晴らしきプロレスライフを!