【NEVER無差別級王座】歴代チャンピオンと全タイトルマッチの記録

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NEVER無差別級王座といえば、ゴツゴツした正面からぶつかり合うゴリゴリのタイトルという印象がある。IWGP世界ヘビーがキャリア組だとしたら、NEVER無差別級王座は雑草から成り上がったノンキャリア組の最高峰のタイトルだ。

なぜそんな印象のタイトルになっているのか。
NEVER無差別級王座の歴代王者から全タイトルマッチの勝率まで、様々な記録を深掘りしてみよう。

※集計期間:2007/5〜2024/11の新日、STARDOMの試合

NEVER無差別級王座とは

「NEVER」という名称は「N=New blood」「E=Evolution」「V=Valiantly」「E=Eternal」「R=Radical」の略称だ。つまり、新しい血が、進化し、勇敢に、永遠に、根本的に、という意味だ。ちょっとよくわからない。もはや誰も正確に言える人はいないに違いない。だって、「E」が2つも入っているし。

もともとはNew Bloodということで、新世代の若手育成の興行から始まっている。そして、内藤哲也がNEVERのタイトルを提唱。2012年に初代王者決定トーナメントが行われた。しかし、提唱者である内藤哲也は高橋裕二郎の襲撃にあい、膝を負傷し長期離脱。提唱者なきトーナメントが実施されることとなる。

そう、実はNEVERは若手選手たちのベルトだったのである。もはや全然ちがうゴツゴツしたベルトになってるけど。そういえば『NJPW WORLD認定TV王座』も最初は同じようなことを言っていたような、、、

NEVER無差別級王座 歴代王者

歴代のNEVER無差別級チャンピオンと、主な記録を集計。
防衛頻度は、防衛戦を何日ペースで行っているかの平均日数。少なければ少ないほど頻繁にタイトルマッチを行っている。

歴代チャンピオンの記録を見てみると、NEVERは防衛回数が少なく、頻繁にタイトルが入れ替わっている。そして、リマッチの数がやたら多い。

歴代王者(年齢)獲得日防衛数日数防衛頻度
初代田中 将斗(39)12.11.19431462.8
2内藤 哲也(31)13.9.29213545
3石井 智宏(38)14.2.11413827.6
4高橋 裕二郎(33)14.6.29110653
5石井 智宏(38)14.10.1318341.5
6真壁 刀義(42)15.1.404141
7石井 智宏(39)15.2.1407474
8真壁 刀義(42)15.4.29216655.3
9石井 智宏(39)15.10.1218442
10柴田 勝頼(36)16.1.4312030
11永田 裕志(48)16.5.304747
12柴田 勝頼(36)16.6.19313934.8
13EVIL(29)16.11.501010
14柴田 勝頼(36)16.11.1505050
15後藤 洋央紀(37)17.1.4311328.3
16鈴木 みのる(48)17.4.27425250.4
17後藤 洋央紀(38)18.1.4315639
18マイケル・エルガン(31)18.6.9088
19後藤 洋央紀(38)18.6.1719246
20タイチ(38)18.9.1704747
21後藤 洋央紀(39)18.11.303636
22飯伏 幸太(36)18.12.902626
23ウィル・オスプレイ(25)19.1.419246
24ジェフ・コブ(36)19.4.602727
25タイチ(39)19.5.303737
26石井 智宏(43)19.6.908383
27KENTA(38)19.8.31212742.3
28後藤 洋央紀(40)20.1.502727
29鷹木 信悟(37)20.2.1321052.5
30鈴木 みのる(52)20.8.2907070
31鷹木 信悟(37)20.11.718442
32棚橋 弘至(44)21.1.3019346.5
33ジェイ・ホワイト(28)21.5.3119497
34石井 智宏(45)21.11.1405151
35EVIL(34)22.1.4211739
36タマ・トンガ(39)22.5.104242
37カール・アンダーソン(42)22.6.12220668.7
38タマ・トンガ(40)23.1.4111959.5
39デビッド・フィンレー(29)23.5.3115979.5
40タマ・トンガ(40)23.10.901919
41鷹木 信悟(40)23.10.2816834
42タマ・トンガ(41)24.1.401616
43EVIL(36)24.1.2017738.5
44鷹木 信悟(41)24.4.637117.8
45HENARE(31)24.6.16110552.5
46鷹木 信悟(41)24.9.2919547.5

記録チャンピオン
最年少記録25歳ウィル・オスプレイ
最年長記録52歳鈴木 みのる
最大戴冠回数6回石井 智宏
最大防衛回数4回石井 智宏
田中 将斗
鈴木 みのる
通算最大防衛回数9回鷹木 信悟
最短防衛期間8日マイケル・エルガン
最長防衛期間314日田中 将斗
通算最長防衛期間528日鷹木 信悟

どこでNEVERがゴツゴツし始めたのか。
それは紛れもなく第3代王者の石井智宏選手のせいだ。2014年に初戴冠したのち、2021年まで計6回もチャンピオンになり、通算防衛記録は513日と歴代2位となっている。NEVERが石井選手の色が強いのは、記録にもしっかりと表れている。

次に戴冠回数が多いのが、後藤洋央紀、鷹木信悟の5回。もうそりゃゴツゴツする訳です。逆にオスプレイやジェイ・ホワイト、飯伏幸太といったゴツゴツではない選手もチャンピオンにはなっている。

NEVERの防衛回数は、かなり少ない。2012年からの12年間で最大防衛回数は4回が4名。これは2021年に始まったIWGP世界ヘビー級王座が、すでに防衛回数4回達成者が3人いることと比較すると、かなり短命のタイトルであると言える。

NEVER無差別級王座 全防衛戦一覧

NEVER無差別級のすべてのタイトルマッチを記載。NEVER無差別級王座の戦いの歴史をチェックしてみよう!多すぎるから見づらい!

王者日付防衛数対戦相手
 田中 将斗12.11.19獲得カール・アンダーソン
13.1.41シェルトン・X・ベンジャミン
13.2.32石井 智宏
13.5.33本間 朋晃
13.7.204内藤 哲也
 内藤 哲也13.9.29獲得田中 将斗
13.10.141高橋 裕二郎
13.11.92田中 将斗
 石井 智宏14.2.11獲得内藤 哲也
14.4.61内藤 哲也
14.4.122KUSHIDA
14.5.33本間 朋晃
14.5.254飯伏 幸太
 高橋 裕二郎14.6.29獲得石井 智宏
14.9.231YOSHI-HASHI
 石井 智宏14.10.13獲得高橋 裕二郎
14.11.81後藤 洋央紀
 真壁 刀義15.1.4獲得石井 智宏
 石井 智宏15.2.14獲得本間 朋晃
 真壁 刀義15.4.29獲得石井 智宏
15.7.51石井 智宏
15.9.232飯伏 幸太
 石井 智宏15.10.12獲得真壁 刀義
15.11.71本間 朋晃
 柴田 勝頼16.1.4獲得石井 智宏
16.2.111石井 智宏
16.3.192小島 聡
16.4.103天山 広吉
 永田 裕志16.5.3獲得柴田 勝頼
 柴田 勝頼16.6.19獲得永田 裕志
16.7.31本間 朋晃
16.9.172ボビー・フィッシュ
16.10.103カイル・オライリー
 EVIL16.11.5獲得柴田 勝頼
 柴田 勝頼16.11.15獲得EVIL
 後藤 洋央紀17.1.4獲得柴田 勝頼
17.2.51ジュース・ロビンソン
17.2.272パニッシャー・マルティネス
17.4.93ザック・セイバーJr.
 鈴木 みのる17.4.27獲得後藤 洋央紀
17.6.111後藤 洋央紀
17.6.262YOSHI-HASHI
17.9.103マイケル・エルガン
17.11.54矢野 通
 後藤 洋央紀18.1.4獲得鈴木 みのる
18.2.101EVIL
18.2.232ビアシティ・ブルーザー
18.4.273ジュース・ロビンソン
 マイケル・エルガン18.6.9獲得後藤 洋央紀
タイチ
 後藤 洋央紀18.6.17獲得マイケル・エルガン
18.7.71ジェフ・コブ
 タイチ18.9.17獲得後藤 洋央紀
 後藤 洋央紀18.11.3獲得タイチ
 飯伏 幸太18.12.9獲得後藤 洋央紀
 ウィル・オスプレイ19.1.4獲得飯伏 幸太
19.2.221ダルトン・キャッスル
 ジェフ・コブ19.4.6獲得ウィル・オスプレイ
 タイチ19.5.3獲得ジェフ・コブ
 石井 智宏19.6.9獲得タイチ
 KENTA19.9.1獲得石井 智宏
19.9.281YOSHI-HASHI
19.11.32石井 智宏
 後藤 洋央紀20.1.5獲得KENTA
 鷹木 信悟20.2.1獲得後藤 洋央紀
20.2.201石井 智宏
20.7.122SHO
20.7.253エル・デスペラード
 鈴木 みのる20.8.29獲得鷹木 信悟
 鷹木 信悟20.11.7獲得鈴木 みのる
21.1.51ジェフ・コブ
 棚橋 弘至21.1.30獲得鷹木 信悟
21.2.281グレート-O-カーン
 ジェイ・ホワイト21.5.3獲得棚橋 弘至
21.8.141デビッド・フィンレー
 石井 智宏21.11.13獲得ジェイ・ホワイト
 EVIL22.1.4獲得石井 智宏
22.2.131石井 智宏
22.4.92高橋 ヒロム
 タマ・トンガ22.5.1獲得EVIL
 カール・アンダーソン22.6.12獲得タマ・トンガ
22.9.251棚橋 弘至
22.12.142ヒクレオ
 タマ・トンガ23.1.4獲得カール・アンダーソン
23.2.111エル・ファンタズモ
 デビッド・フィンレー23.5.3獲得タマ・トンガ
23.6.41エル・ファンタズモ
 タマ・トンガ23.10.9獲得デビッド・フィンレー
 鷹木 信悟23.10.28獲得タマ・トンガ
23.11.111トレント・バレッタ
 タマ・トンガ24.1.4獲得鷹木 信悟
 EVIL24.1.20獲得タマ・トンガ
24.2.231海野 翔太
 鷹木 信悟24.4.6獲得EVIL
24.5.41ゲイブ・キッド
24.5.122上村 優也
24.6.93HENARE
 HENARE24.6.16獲得鷹木 信悟
24.9.91高橋 ヒロム
 鷹木 信悟24.9.29獲得HENARE
24.10.141大岩 陵平
時間タイトルマッチ
平均試合時間 0:18:23
最短試合時間 0:06:41田中 将斗 vs シェルトン・X・ベンジャミン
最長試合時間 0:39:01ジェイ・ホワイト vs 棚橋 弘至

NEVER無差別級王座はリマッチがかなり多いことがわかる。

2015年なんか「石井vs真壁」が1年で4回もタイトルマッチで組まれている。また、前チャンピオンがタイトルを取り返したのはなんと14回。歴代46代のチャンピオンのうち、30%が前チャンピオンの返り咲きになっている。

また、平均試合時間は18分程度。IWGP世界ヘビーの平均試合時間の28分と比較すると、かなり短い。試合の最初からゴツゴツした削り合いが多いため、試合時間が短いのかもしれない。ゴツゴツした試合をもっともっとみていたい。

今後のNEVERでは、鷹木選手の最大防衛回数の更新を期待したい。

NEVER無差別級王座 タイトルマッチ回数 TOP30

NEVER無差別級王座のタイトルマッチ回数が多い選手は誰なのか?
タイトルマッチ数が多い選手でランキングを集計!

RankNAMECOUNT
1石井 智宏24
2後藤 洋央紀19
3鷹木 信悟18
4柴田 勝頼12
5EVIL10
6タマ・トンガ9
7鈴木 みのる8
8田中 将斗7
9内藤 哲也6
10真壁 刀義5
11カール・アンダーソン5
12タイチ5
13本間 朋晃5
14ジェフ・コブ4
15飯伏 幸太4
16デビッド・フィンレー4
17棚橋 弘至4
18高橋 裕二郎4
19KENTA4
20HENARE4
21マイケル・エルガン3
22ウィル・オスプレイ3
23ジェイ・ホワイト3
24YOSHI-HASHI3
25ジュース・ロビンソン2
26永田 裕志2
27エル・ファンタズモ2
28高橋 ヒロム2
29グレート-O-カーン1
30海野 翔太1

TOP3位が石井、後藤、鷹木の3選手。いずれもNEVER無差別級の戴冠回数が多い選手だ。

チャレンジした回数が多いほど結果が出る、といういい話だ。無骨に何度もチャレンジしている選手が、何度もチャンピオンになっているのだ。

NEVER無差別級王座 選手別勝率 TOP30

NEVER無差別級のタイトルマッチに強い選手は誰なのか?
タイトルマッチの勝率でランキング集計!

RankPlayerRate
1真壁 刀義541080%
2柴田 勝頼1293075%
3鈴木 みのる862075%
4KENTA431075%
5鷹木 信悟18134172.2%
6田中 将斗752071.4%
7ウィル・オスプレイ321066.7%
8ジェイ・ホワイト321066.7%
9後藤 洋央紀19127063.2%
10EVIL1064060%
11カール・アンダーソン532060%
12タマ・トンガ954055.6%
13石井 智宏241212050%
14内藤 哲也633050%
15高橋 裕二郎422050%
16HENARE421150%
17デビッド・フィンレー422050%
18棚橋 弘至422050%
19永田 裕志211050%
20タイチ523040%
21マイケル・エルガン312033.3%
22飯伏 幸太413025%
23ジェフ・コブ413025%
24本間 朋晃50500%
25YOSHI-HASHI30300%
26エル・ファンタズモ20200%
27高橋 ヒロム20200%
28ジュース・ロビンソン20200%
29ゲイブ・キッド10100%
30グレート-O-カーン10100%

NEVER無差別級のタイトルマッチの勝率TOPは、真壁刀義選手で80%の勝率である
そして、なんと5試合中4試合が石井選手とのタイトルマッチ。石井率も80%である。

2位は勝率75%で柴田勝頼選手
柴田選手は2016年にNEVER初挑戦で獲得後、連続12タイトルマッチを行っている。これは連続タイトルマッチ数では最高回数である。

意外なのはNEVERの象徴と言ってもいい石井智宏選手の勝率だ。なんと勝率50%。2022年にEVIL選手相手に負けて以来、NEVERの挑戦からは遠ざかっている。

近年のNEVERの顔となりつつある鷹木選手と、NEVERの象徴である石井選手のタイトルマッチをみてみたい。とんでもない試合になることは間違いない。