『ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア』完全ガイドブック:歴代優勝者と全対戦成績

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新日本プロレスのジュニアの最強戦士を決める『BEST OF THE SUPER Jr.』

1994年の第1回『BEST OF THE SUPER Jr.』から全ての熱戦を集計。歴代優勝者から、最長決勝戦、最多優勝者、最年少優勝者など、さまざまな『BEST OF THE SUPER Jr.』の記録をまとめてみた。

※集計期間:2007/5〜2024/9の新日、STARDOMの試合

『BEST OF THE SUPER Jr.』とは

『BEST OF THE SUPER Jr.』はジュニア戦士の最強を決める大会だ。1994年から新日本プロレスで始まったジュニアヘビー級選手によるシングルマッチのリーグ戦である。1993年までは『TOP OF THE SUPER Jr.』という名称で同様のリーグ戦が行われていた。

『BEST OF THE SUPER Jr.』の魅力は、アクロバティックな技の応酬にある。華麗な技の数々、マスクマンの参戦も多く、実に華やかな大会となっている。当初の参加選手は10人ほどであったが、近年では20名ほどに増えている。この大会のみに参加するスペシャルゲストもいることが多く、参加選手の発表も楽しみのひとつである。

そして、優勝者は次期IWGPジュニアヘビー級王座への挑戦権を手にすることとなる。優勝者は大きなチャンスを掴むため、その後の展開まで目が離すことができない。

歴代の『BEST OF THE SUPER Jr.』の決勝戦の様子はこちらでご紹介。2015年までだけど。

『BEST OF THE SUPER Jr.』公式戦歴代優勝者

回(年)優勝(年齢)準優勝(年齢)参加数
第1回
(1994)
獣神サンダー・ライガー(29)スペル・デルフィン(26)11
第2回
(1995)
ワイルド・ペガサス(28)大谷 晋二郎(22)10
第3回
(1996)
ブラック・タイガー(28)獣神サンダー・ライガー(31)14
第4回
(1997)
エル・サムライ(31)金本 浩二(30)14
第5回
(1998)
金本 浩二(31)ドクトル・ワグナーJr(32)12
第6回
(1999)
ケンドー・カシン(30)金本 浩二(32)12
第7回
(2000)
高岩 竜一(27)大谷 晋二郎(27)12
第8回
(2001)
獣神サンダー・ライガー(36)田中 稔(28)12
第9回
(2002)
金本 浩二(35)田中 稔(29)14
第10回
(2003)
垣原 賢人(31)金本 浩二(36)14
第11回
(2004)
タイガーマスク(33)金本 浩二(37)16
第12回
(2005)
タイガーマスク(34)外道(36)14
第13回
(2006)
稔(33)タイガーマスク(35)14
第14回
(2007)
ミラノコレクションA.T.(30)井上 亘(33)14
第15回
(2008)
井上 亘(34)金本 浩二(41)12
第16回
(2009)
金本 浩二(42)プリンス・デヴィット(27)14
第17回
(2010)
プリンス・デヴィット(28)飯伏 幸太(28)16
第18回
(2011)
飯伏 幸太(29)田口 隆祐(32)18
第19回
(2012)
田口 隆祐(33)ロウ・キー(32)18
第20回
(2013)
プリンス・デヴィット(31)アレックス・シェリー(30)18
第21回
(2014)
リコシェ(25)KUSHIDA(31)16
第22回
(2015)
KUSHIDA(32)カイル・オライリー(28)16
第23回
(2016)
ウィル・オスプレイ(23)田口 隆祐(37)16
第24回
(2017)
KUSHIDA(34)ウィル・オスプレイ(24)16
第25回
(2018)
高橋 ヒロム(28)石森 太二(35)16
第26回
(2019)
ウィル・オスプレイ(26)鷹木 信悟(36)20
第27回
(2020)
高橋 ヒロム(31)エル・デスペラード(36)10
第28回
(2021)
高橋 ヒロム(32)YOH(33)12
第29回
(2022)
高橋 ヒロム(32)エル・デスペラード(38)20
第30回
(2023)
マスター・ワト(26)ティタン(32)20
第31回
(2024)
エル・デスペラード(40)石森 太二(41)20
【最年少優勝】- ウィル・オスプレイ(23歳)
【最年長優勝】- 金本 浩二(42歳)
【最長決勝戦】- 高橋 ヒロム vs YOH
(00:38:30 TIME BOMB Ⅱ)
【最短決勝戦】- タイガーマスク vs 金本 浩二
(00:11:26 タイガースープレックスホールド)

【初出場初優勝】 – ミラノコレクションA.T.、ウィル・オスプレイ

優勝者の年齢は20代後半から30代前半が多く、40歳をすぎて優勝したのは金本選手ひとりのみだ。(デスペラード選手は年齢不詳)

また、優勝した外国人選手は全員もれなく、その後海外の別団体で活躍をしている。ワイルド・ペガサス、ブラック・タイガー、プリンス・デヴィッド、リコシェは、WWEへ移籍し、ウィル・オスプレイはAEWに移籍している。

第22回から第29回の8大会での優勝者は、KUSHIDA・オスプレイ、ヒロムの3選手しかいない硬直した状態だった。しかし、第30回でワト選手が優勝することで、ジュニアに新たな混沌の時代が訪れている。

『BEST OF THE SUPER Jr.』優勝回数ランキング

Name優勝回数準優勝回数決勝進出回数
高橋 ヒロム404
金本 浩二358
獣神サンダー・ライガー213
KUSHIDA213
ウィル・オスプレイ213
タイガーマスク213
プリンス・デヴィット213
エル・デスペラード123
田口 隆祐123
飯伏 幸太112
井上 亘112
高岩 竜一101
エル・サムライ101
マスター・ワト101
ミラノコレクションA.T.101
垣原 賢人101
ワイルド・ペガサス101
ケンドー・カシン101
ブラック・タイガー101
リコシェ101
101
大谷 晋二郎022
石森 太二022
田中 稔022
ティタン011
ロウ・キー011
ドクトル・ワグナーJr011
鷹木 信悟011
アレックス・シェリー011
スペル・デルフィン011
YOH011
カイル・オライリー011
外道011

最多優勝回数は高橋ヒロム選手の4回。前人未到の3連覇も達成している。そして、ヒロム選手は決勝進出すると必ず優勝。決勝戦では負けたことがない。

続いて、金本選手が3回優勝となっている。金本選手は決勝進出も最多の8回となっており、決勝進出回数はダントツとなっている。長い間ジュニアのトップ戦線で活躍をしていたことがわかる。

2回優勝した選手は5名。ライガー、KUSHIDA、オスプレイ、タイガーマスク、プリンス・デヴィッド選手。全ての選手が、準優勝も経験しており、『BEST OF THE SUPER Jr.』で複数回の優勝をするには、準優勝経験も必要なようだ。

逆に石森太一・大谷晋二郎の両選手は、2回の準優勝経験がありながら、いまだに優勝を手にしていない。

『BEST OF THE SUPER Jr.』出場回数TOP30

RankNAMECOUNT
1獣神サンダー・ライガー22
2田口 隆祐20
3タイガーマスク18
4金本 浩二15
5エル・サムライ14
6BUSHI12
7KUSHIDA11
8外道10
9田中 稔9
10高橋 ヒロム9
11エル・デスペラード8
12石森 太二8
13邪道8
14ブラック・タイガー7
15SHO7
16TAKAみちのく7
17大谷 晋二郎7
18プリンス・デヴィット7
19タイチ7
20金丸 義信7
21井上 亘7
22ロッキー・ロメロ7
23高岩 竜一6
24AKIRA6
25ロビー・イーグルス6
26YOH6
27DOUKI6
28ケンドー・カシン5
29ティタン5
30TJP4

出場回数は、獣神サンダー・ライガー選手の22回がトップ。これはとんでもない記録だ。22年出ているってことだから、大正時代よりも長い。ひとつの時代といっても過言ではない。

そして、続くのが田口監督の20回。2024年は犬を助けるために交通事故に遭い、残念ながら不参加となってしまった。しかし、まだまだ現役なので、あと2回で出場回数歴代1位はもうすぐである。交通事故に遭わなければ、連続出場回数19回となり、タイガーマスク選手の18回を超え、連続出場回数で単独1位となっていた。犬を助け、虎と並んだ形だ。

タイチ選手が7回も出てたのが意外。

ちなみに完全にヘビー級のイメージしかない選手も出場している。クリス・ジェリコ、PAC、真壁刀義、柴田勝頼、中嶋勝彦、タマ・トンガなど、なかなかヘビーな選手たちも出場していた。

『BEST OF THE SUPER Jr.』勝率ランキング TOP30

『BEST OF THE SUPER Jr.』でいちばん勝率がいい選手は誰なのか?

『BEST OF THE SUPER Jr.』での全対戦成績(1700試合以上)から、参加選手の勝率ランキングを集計してみた。公式戦を11試合以上している選手を対象としている。(2大会以上出場している選手を対象)

RankPlayerRate
1飯伏 幸太26197073.1%
2ウィル・オスプレイ332310069.7%
3デイビー・リチャーズ16115068.8%
4石森 太二734924067.1%
5カイル・オライリー15105066.7%
6プリンス・デヴィット523418065.4%
7リコシェ312011064.5%
8ミラノコレクションA.T.1495064.3%
9ボビー・フィッシュ1495064.3%
10ワイルド・ペガサス27178263%
11エル・ファンタズモ291811062.1%
12ドラゴン・リー23149060.9%
13エル・デスペラード734428160.3%
14金本 浩二1086438459.3%
15成瀬 昌由19118057.9%
16大谷 晋二郎492817257.1%
17マーティ・スカル231310056.5%
18高橋 ヒロム804534156.3%
19ブライアン・ケンドリック1697056.3%
20KUSHIDA884939055.7%
21ケニー・オメガ311714054.8%
22マスカラ・ドラダ221210054.5%
23獣神サンダー・ライガー1498061253.7%
24垣原 賢人281511253.6%
25井上 亘452417053.3%
26SHO623329053.2%
27ロビー・イーグルス552926052.7%
28マスター・ワト402119052.5%
29ブラック・タイガー502624052%
30ディーン・マレンコ251311152%

ランキングにした結果、上位には現役で『BEST OF THE SUPER Jr.』に出ている選手はほとんどいなかった。ランキング上位になった選手は、ほとんどヘビー級に転向しているか、他団体へ移籍している。

1位、2位の飯伏選手、オスプレイ選手はヘビーに転向しAEWに移籍している。3位のデイビー・リチャーズ選手はTNAに移籍後に医者になるためレスラーをやめている。5位のカイル・オライリー選手はWWEで活躍後、現在はAEWに移籍。

4位に『BEST OF THE SUPER Jr.』現役の石森選手がランクイン。現役選手としては勝率トップである。まだ優勝できていないのが不思議だ。

ヒロム選手が強いイメージがあったが、若手時代から参戦しているため全体の勝率としては石森選手よりも低くなっている。現役選手は若いときから大会に参加しているため、勝率が低くなりがちのようだ。また、近年の大会では参加人数が増えているため、1大会での対戦数が増えていることも、現役選手の勝率が低くなる要因となっていそうである。

2019年以降の勝率ランキング

現役選手たちの勝率をみたいので、直近5年(2019年)での勝率も集計してみた。

RankPlayerRate
1鷹木 信悟1091090%
2ウィル・オスプレイ1082080%
3ドラゴン・リー972077.8%
4マイク・ベイリー1073070%
5高橋 ヒロム493414169.4%
6石森 太二573918068.4%
7エル・デスペラード523516167.3%
8リオ・ラッシュ963066.7%
9エル・ファンタズモ291811062.1%
10YOH392316059%

当然だが、ランキングの顔ぶれは大きく変わる。

TOP3は鷹木信悟、ウィル・オスプレイ、ドラゴン・リー。納得の顔ぶれが並んでいる。鷹木選手は1敗のみで勝率90%というとんでもない数字だ。これは当面は抜かれることがない勝率となるだろう。

マイク・ベイリー、リオ・ラッシュは1大会のみの参加でランクイン。1大会で強烈なインパクトを残した選手は、勝率でもしっかりと結果が出ているようだ。

『BEST OF THE SUPER Jr.』現役選手でのランクインは、ヒロム、石森、デスペラード、YOHの4選手。新日ジュニアのTOP3に、YOH選手が食い込んでいる形だ。2024年は残念ながら欠場となったが、今後のYOH選手の活躍が楽しみだ。

今年の『BEST OF THE SUPER Jr.』で、このランキングにも変動があるのだろうか?

まとめ

  • 優勝者の年齢は20代後半から30代前半
  • 優勝した外国人選手は、100%海外団体へ移籍する
  • 直近は鷹木選手の勝率が驚異の90%