【2024年】オカダが抜けた新日本プロレスの観客動員数はどうだったのか?

データで楽しむプロレス

2024年、新日本プロレスは多くのスター選手が離脱し、ファンに大きな衝撃を与えた。

オカダ・カズチカ、ウィル・オスプレイ、トンガ三兄弟(タマ・トンガ、タンガ・ロア、ヒクレオ)、アレックス・コグリンが退団

さらに、多くの選手が怪我による欠場を余儀なくされた。

マスター・ワト、YOH、フランシスコ・アキラ、田口隆祐、ジェイク・リー、上村優也、エル・デスペラード、HENARE、カラム・ニューマン。うわ〜、多い…

新日本プロレスにとっては、かなり厳しい年となった。
そんな2024年の新日本プロレスの観客動員数はどうだったのか?

観客動員数の算出方法が正確になった2016年から、公式サイトのデータを集計。(個人調べなので正確性は保証できないが、ご容赦ください)

※アメリカ大会やDespe単独興行なども含む

新日本プロレスの年間観客動員数

※集計期間:2007/5〜2024/11の新日、STARDOMの試合

新日本プロレスの観客動員数の推移をグラフにまとめてみた。

2024年、新日本プロレスの観客動員数は29万人となっている。
2023年が27.3万人。前年比で6%の増加となっている。

これだけの退団選手と欠場選手を出しながらも、新日本プロレスの観客動員数は増加している。コロナ禍での20万人を割った2020年からは、4年連続での増加となっている。

ただし、2019年の最大観客動員数47万人と比較すると、まだ60%程度の回復にとどまっており、全盛期には遠く及ばない。

では、次に年間の大会数はどう推移しているのかみてみよう。

新日本プロレスの年間大会数

※集計期間:2007/5〜2024/11の新日、STARDOMの試合

2024年の年間大会数は156大会。2023年と同じである。

コロナ禍を除き、2016年から150後半を安定的に推移しており、大会数については大きな変動がない。

156大会ということは、平均で1週間に3日の頻度ということだ。
特に繁忙期には、2月3日から15日間で14大会という地獄のような大会頻度となっている。見ている方も追いつかない。若干しんどい。新日本プロレスのシーズンに合わせて、プライベートを調整する日々を送っている。飲み会に行っている場合ではない。

新日本プロレスの平均観客動員数

※集計期間:2007/5〜2024/11の新日、STARDOMの試合

こちらが1大会の平均観客動員数のグラフだ。

1大会あたりの平均観客動員数では、2024年が1,860人とこちらも4年連続増加傾向となっている。緩やかに回復の傾向をみせている。

ただし、コロナ禍前の観客平均動員数にはまだまだ遠く及ばない状況だ。

「いや、これはNJPW WORLDの配信で見る人が増えていきているからなのである」と主張する人もいるかもしれないが、残念ながら会員数には大きな変化がない。2018年1月のNJPW WORLD会員数は10万人。2024年5月の会員数も10万人。デジタル配信については頭打ち状態となっており、増加はしていない。

多くのサブスクサービスが乱立する中、デジタル配信の会員数を増やすのが難しい局面にあるのかもしれない。

後楽園ホール大会の平均観客動員数

プロレスの聖地「後楽園ホール」での観客動員数はどうなっているのかみてみよう。

※集計期間:2007/5〜2024/11の新日、STARDOMの試合

2024年の後楽園ホールの平均観客動員数は1,309人。こちらも4年連続増加している。

とはいえ、コロナ前の後楽園ホールは平均観客動員数が1,600人を超えており、回復率は80%程度となっている。ただ、新日本プロレスは2024年は1500人で札止め、コロナ前では1700人を札止めとしている。そのため、上限人数が制限され平均人数が減少している可能性もありそうだ。しかし、最大収容人数に対する集客率で考えると2024年は約87%の集客率なのに対し、コロナ前では94%以上の集客率となっている。まだまだ後楽園ホールにも熱気が足りていない。

地方大会の平均観客動員数

最後に地方大会の観客動員数はどうだったのだろうか?
東京、アメリカ以外の大会の平均観客動員数を集計してみた。

東京でも八王子は地方ではないのか?とか、大阪城ホールはビッグマッチだろ!とか、色々と意見はあると思うが、「東京・アメリカ以外」で集計をしている。

※集計期間:2007/5〜2024/11の新日、STARDOMの試合

地方大会はかなり厳しい状態だ。
コロナから平均観客動員数は1,500人を割り続けており、頭打ち状態といってもいいかもしれない。最大観客動員数を記録した2019年と比較すると、60%程度しか回復をしていない。後楽園ホールが少しずつ熱気を取り戻しているのに対し、地方ではまだ熱気が足りていないことを物語っている。

特に地方でのビッグマッチでの観客動員数は伸び悩んでいる。「ドルフィンズアリーナ(名古屋)」「北海きたえーる(北海道)」「大阪城ホール(大阪)」などの大規模会場での動員数はいまだ低迷しており、かつての熱気を感じるには至らない。地方大会の回復が、今後の新日本プロレス回復の鍵を握っている。

ただ、地方大会は都心部ほど交通の便がよくないため、ファンの負担が大きくなりがちだ。また、地方の小さな会場ではアリーナしかなく、試合が見にくい会場も多い。新たなスター選手が生まれ、一目でいいから生で見てみたい!そんな選手が生まれてくることを期待したい。

新日本プロレスの観客動員数別の割合

新日本プロレスの大会数の内訳を、観客動員数別で集計してみた。
観客動員数が500人未満の大会は水色に、1000人未満は緑、3000人未満はオレンジ、3000人以上の大会は赤に、色分けしている。赤っぽい色ほど、観客動員数が多い大会ということだ。

コロナ前の2019年まではほとんどの大会が1000人以上を動員していることがわかる。3000人以上の大会も2019年が38大会ある。対して、2024年は3000人以上の大会数が21大会とほぼ半減している状態だ。

コロナ後の推移でみると、2024年の500人未満の大会は2大会のみとなっており、1大会あたりの集客が徐々に伸びてきていることがわかる。ただ、1000人以上の大会数に関しては微増にとどまっており、観客動員数1000人を割らないことがひとつの大きな指標となってくるだろう。

1000人未満の大会は観客の声援も少なく、配信で見ていても盛り上がりに欠ける。1000人以上の集客をいかに増やすかが大きな目標となってくるはずだ。2016年の1000人超え大会は120大会で、年間観客動員数が31.7万人。2024年は1000人超え大会が102大会で年間観客動員数が29万。あと18大会が1000人超えて来れば、年間30万人超えの達成も夢ではないはずだ。

まとめ

2024年の新日本プロレスの観客動員数は、4年連続増加している。

これだけのスター選手が抜け、トップレスラーの相次ぐ欠場の中、これは大健闘だ。多くのファンが、今の新日本に期待をしているということでもある。オールドファンの不平不満がSNSでも、よく散見されるが、新しいファンは今の新日本を見に会場に足を運んでいる。

ただ、まだまだコロナ前の状態には戻っていない。

スター選手が抜けた2025年の1.4東京ドーム大会でどれくらい集客できるのか。そこが新日本プロレスの大きな試金石となるだろう。

配信もいいけど、観戦はまったく別物だ。プロレスを盛り上げるためにも、みんなで観戦に行こう!