【スターダム】2022年のスターダムの観客動員数がエグい件

データで楽しむプロレス

コロナになってから多くの企業が苦しんでいる。
特にライブやイベントで収益を挙げているエンタメ業界にとって、コロナはとてつもない打撃を与えた。いまだに試練のときは続いている。そんな中、信じられないくらい業績を伸ばし続けているのがスターダムである。

どれくらい信じられないのか、スターダムの観客動員数を調査してみた。

ちなみに個人的に集計しているので、数字の正確性は保証できない。人間的にもいい加減なので保証できない。信用できないので見ない方がいいかもしれない。あくまで、おおまかな数字の傾向や参考値としてみてもらいたい。

スターダムの年間観客動員数

※集計期間:2007/5〜2024/6の新日、STARDOMの試合

スターダムの観客動員数の推移をグラフにまとめてみた。
ちなみに2022.11.20新日本との合同興行「Historic X-Over」の7,102人は含めていない。純粋なスターダムの興行だけでの集計である。

2022年のスターダムの観客動員数は約83,000人。信じれらない成長っぷりでしょ。グラフを見たら一目瞭然。グイーンって伸びている。2020年の20,000人と比較すると400%成長率である。赤ちゃんでもこんなには成長しない。ビットコインよりも成長している。

急成長した2020年から、何かが大きく変わったのに違いない。
そこでもう少し掘り下げてみようと思う。

あ、少し掘り下げた結果、すぐにそれらしき答えがわかった。2019年にスターダムはブシロード傘下となった。たぶん、これだ。これが原因だ。

株式会社ブシロードファイトを調べたところ、すでにメディア・プロモーション展開の方針を発表していた。ビッグマッチをどんどん開催。興行エリアを全国展開。YouTube、TwitterなどのSNSオンラインでの発信の強化。地方のテレビ局での放送、「U-NEXT」「Amazon Prime」など動画配信サービスでの露出を大きく増やす。

なるほど。そういう戦略で観客動員数を増やすことにしたようだ。

露出が増えるとメジャー感が出てくる。メジャー感が出てくると、周辺のオタクたちが「お、最近勢いがありそうだな。どれどれ?」と寄ってくる。そして、試合を見に行ったり、有料会員にまんまとなってしまうのである。そう、私のことだ。

スターダムの年間大会数

※集計期間:2007/5〜2024/6の新日、STARDOMの試合

では、スターダムの年間試合数はどれくらい増えたのだろうか。
年間試合数のグラフを見てみよう。

2019年より以前も、毎年10大会ほど、じわじわと伸ばしてはいたようだ。しかし、2021年は2019年の74大会から大幅に大会開催数を増やし100大会(コロナに入った2020年は除く)となっている。34%増である。2022年はさらに伸ばし、115大会で開催。15%増

資本が入るとプロモができて、こんなにも大会を行うことができるようになる。世の中は金だ。

大会数が増えれば当然、観客動員数も増えるのは当然の道理。
肝心なのは、平均の観客動員数が増えているのかどうかだ。平均観客数が増えていなかったら、ただただ選手を働かせて動員数が増えているだけになってしまう。

スターダムの平均観客動員数

※集計期間:2007/5〜2024/6の新日、STARDOMの試合

では、スターダムの平均観客動員数はどうなっているのだろうか? 平均観客数の推移も集計してみた。

グラフを見るとわかるように、2014年以降、スターダムの平均観客動員数は横ばいで推移している。しかし、2021年から平均観客動員数が大きく成長しはじめる。2022年は脅威的な成長を見せ、2020年の1.8倍となっている。平均で1.8倍である。コロナ禍なのに1.8倍も人が増えているのである。これはとんでもない数字である。

どれくらいすごいかというと、あなたの身長が170cmだとしたら、3m6cmになっているということだ。アンドレ・ザ・ジャイアント(223cm)の1.3倍ということだ。ふつうのベッドでは寝ることができない。

平均数が大きく成長したのは、ブシロードファイトの「ビッグマッチどんどん開催戦略」がうまくいっているということだ。では、ビッグマッチの開催数はどれくらい増えたのだろうか。

スターダムの観客動員数別の割合

スターダムの大会の内訳を、観客動員数別で集計してみた。
観客動員数が300人未満の大会は水色に、500人未満は緑、1000人未満はオレンジ、1000人以上の大会は赤に、色分けしている。赤っぽい色ほど、観客動員数が多い大会ということだ。

2022年に大きく伸びたのは、500人以上の会場が大幅に増えたことが原因であることわかる。特に1000人以上の大会場は、2020年に4大会しかなかったのが、2021年には9大会、2022年にはなんと26大会と、2年間で約7倍も増えている。

それだけ大きい会場でも採算が取れるようになってきているということだろう。木谷オーナーが「コロナ禍は50%の入場制限があるから、大会場で客入りが少なくてもバレなくていい」と言っていた。次々と大会場でイベント開催した結果、本当に客も入ってくるようになったということだ。

スターダムの観客動員数が爆増したのは、大会場での大会数がめっちゃ増えているからということのようだ。

このまま選手が疲弊しない程度に、ガンガンと攻めていってほしい。

まとめ

いいこと尽くしのようではあるが、昔の新日本プロレスのように、ビッグマッチの乱発で、観客側が刺激に慣れてしまうのは、避けなければいけない。スターダムには目先の売上や話題作りだけではなく、長期的なブランド力の底上げを図ってほしい。

イケイケのスターダムではあるが、ここからさらに伸ばすためには、サービス品質の向上とメジャー感が必要になってくるはずだ。

今のスターダムは、オタクビジネスモデルになっている。人気投票でステッカーを何枚も買わせ、高額の水着写真集を出したり、サブスクでライブ配信せずにPPVで買わせたりと、アイドル的な売り方をしている。

過度なマネタイズでARPPUをあげるのではなく、プロレス自体の品質をあげていく方向にもテコ入れしないと、いつまでもメジャー感は出てこない。ファンの裾野は広がりにくいし、世界には通用しない。世界中のオタクが集まる可能性はあるけど。

スターダムには、ぜひイベント会場演出の品質をあげて欲しい。
会場の音質、ライティング、カメラワーク演出。各選手の入場曲、PVのリニューアル。外国人スター選手の引き抜き。解説・実況の常設。マネタイズテクニックではなく、試合のクオリティアップに力を入れていって欲しいと思っている。選手をより輝かせるためには、周辺クオリティが必須だ。

あと、スターダムワールドのUIUXは改善をしてほしい。だって使いにくいもの。ワールドに入っているのに、リアルタイム配信もないし。ChromeCastも導入してほしい。

あと、なんでバックステージコメントがないの? YouTubeにはあるのに、ワールドにない動画素材が多い。じゃ、YouTubeでいいじゃんとなってしまう。このままだと解約しちゃいそうなので、ぜひ検討お願いします。まじで。

最後の方は色々と愚痴ってしまったが、スターダムをこれからも応援していこうと思う。

2023年以降のスターダムが、世界に向かって突き進んでいくことを期待している。

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