プロレスは勝つことが全てではない。
負け方というのもひとつの美学がある。決してネガティブなことだけではない。
敗北数が多いと言うことは、それだけ相手選手のフィニッシュホールドを喰らっているということである。つまり、すごく体が丈夫ということだ。
2022年、いちばん試合で敗北した選手を集計してみた。
敗北数は直接フォールを取られたり、ギブアップをした回数で集計している。
【新日本プロレス】2022年 敗北数ランキング
Rank | NAME | COUNT |
---|---|---|
1 | TAKAみちのく | 76回 |
2 | 外道 | 70回 |
3 | 大岩 陵平 | 64回 |
4 | ディック東郷 | 61回 |
5 | 藤田 晃生 | 58回 |
6 | 本間 朋晃 | 49回 |
7 | 邪道 | 48回 |
8 | 中島 佑斗 | 45回 |
9 | BUSHI | 44回 |
10 | DOUKI | 37回 |
1位に76回でTAKAみちのくが堂々のランクイン。
TAKAみちのくの勝率は13.8%。ほとんど勝てない。ヤングライオンの大岩でも15%の勝率だ。ヤングライオンより負ける確率が高いということである。また、ロス・インゴにめっぽう弱い。ヒロムから10敗、SANADAからは7敗、鷹木からは6敗だ。ちなみに2022年、TAKAみちのくがタッグマッチでフォール、ギブアップを奪ったことは一度もない。弱いし、勝てない。これがTAKAみちのくという男だ。
2位は70回で外道。
2021年の41回から大きくジャンプアップ。外道の試合数自体が増えたことも影響している。『BULLET CLUB』のタッグではどうしたって狙われてしまう。外道の勝率は22%。やはりTAKAみちのくの低勝率がきらりと光る。2022年に外道がいちばん負けた技は「大空スバル式羊殺し」の6回だ。
3位は64回で大岩 陵平。
2021年は1度も勝てなかった大岩だが、今年はヤングライオン同士のシングルマッチで勝利を重ね始めた。しかし勝率は15%とまだ低い。64回の敗北中27回が逆エビ固めでのギブアップ。42%がエビだ。エビアレルギーなのかもしれない。逆エビ固めの向こう側に行くことが課題だ。
2022年はJONAHのパワーボムや鷹木のパンピングボンバー、ファレのグラネードなどの大技も喰らい始めている。覚醒する日は近い。
4位は61回でディック東郷。
『HOUSE OF TORTURE』代表がランクイン。2022年のディック東郷はCHAOSに散々な目にあった。YOHに8回、後藤に7回、YOSHI-HASHIに5回、矢野と石井に3回ずつ負けている。敗北数の42%がCHAOSからの敗北となっている。しかも、そのうち7回は「消灯」で敗北している。このまま負けを伸ばしていくのか今後の動向を見守りたい。
5位は58回で藤田晃生。
藤田も2021年は1勝もできなかったが、少しずつ勝ち星を伸ばし勝率19%になった。藤田は逆エビ固めでの敗北数は16回。大岩と比べるとかなり少ない。やはり逆エビ固めの向こう側に行くことがヤングライオンにとって重要なポイントとなりそうだ。次に藤田が負けている技は、DOUKIのイタリアンストレッチNo.32で5回だ。
6位は49回で本間 朋晃。
2021年は1位だった本間が、6位にランクダウン。勝率も18%から30%と大きく伸ばした。しかし、油断してはいけない。本間がフォールで勝利した11試合中10試合がヤングライオンからの勝利。残りの1勝は外道からのフォールだ。ヤングライオンが成長している今、本間もうかうかとはしていられない。
2022年に本間がいちばん喰らったフィニッシュ技はツアー・オブ・ジ・アイランドの6回だ。死んじゃうって。
7位は48回で邪道。
2022年、邪道はG.o.Dと共に『BULLET CLUB』を脱退。しかしながら、敗北数は2021年と比較すると大きく伸びてしまった。試合数自体も増えたのだが、どうも勝ち星も増やすことができなかったようだ。しかし、負ける相手はかなり偏っている。アーロン・ヘナーレの「アルティマ」で11回ギブアップ、チェーズ・オーエンズの「Cトリガー」で10回フォール負け、高橋裕二郎の「ピンプジュース」で6回フォール負けをしている。この3人で56%を占めている。なんか変な3人だ。
8位は45回で中島佑斗。
中島は勝率12%と、3人のヤングライオンの中では一歩遅れている。ただ、中島の逆エビ固めでの敗北数は13回。多くはない。中島は逆エビ固めでのギブアップは少なめだ。
実は中島はシングルマッチでは勝率21%。なかなかいい。しかし、タッグマッチでの勝率が6.9%と異常に低いのである。タッグに恵まれていないのか、チームワークが苦手なのか。今度の中島のタッグマッチに注目してみたい。
9位は44回でBUSHI。
2021年の2位から大きくランクダウン。敗北数は多いものの試合数が多いので仕方がない。勝率は63%と大きく勝ち越している。2022年はティタンという強力なパレハも味方につけ、タッグでも活躍した。
昨年13回も喰らったジェフ・コブのツアー・オブ・ジ・アイランドだったが、今年は1度も喰らっていない。ジェフ・コブの標的からは外れたようだ。その代わりオスプレイのヒドゥンブレイドを4回喰らっている。それはそれで心配だ。
10位は37回でDOUKI。
DOUKIも2021年の4位から大幅ランクダウン。勝率自体は昨年とほぼ変わらないが、直接フォールを取られることが少なくなった。2022年はエル・デスペラードと『BEST OF SUPER Jr.』でエモめのシングルがあり、タカタイチ興行でもハードコアマッチを行い、少し頼もしさが出てくるようになった。ただ、2022年はマスター・ワトに6回もフォールを取られている。この借りはなんとしてでも返さなければいけない。