IWGP世界ヘビー級王座は、新日本プロレスを象徴する最も権威あるタイトルである。世界中からも熱狂的な注目を浴びているこのタイトルは、ただ強いだけではなく、歴史、技術、カリスマ性を兼ね備えた選手だけが手にすることができる「真の王者」の証である。
IWGP世界ヘビー級王座の歴代王者からタイトルマッチの勝率まで、様々な記録を集計!IWGP世界ヘビーの歴史を見てみよう。
IWGP世界ヘビー級王座とは
そもそもIWGPという名は「International Wrestling Grand Prix」の略称で、新日本プロレスで戦う世界のレスラーたちがこの「IWGP」という名称を巡って激闘を繰り広げている。
IWGP世界ヘビー級王座の誕生は2021年。長年にわたり世界に君臨していたIWGPヘビー級王座と、IWGPインターコンチネンタル王座を統一して生まれた。当時は統一王座に対して賛否両論、いやむしろ「否」が多い中、旗揚げ記念日で初代王者決定戦が行われた。
2021年3月4日、日本武道館。IWGPヘビー&IWGPインターコンチネンタル王座の飯伏幸太と、IWGPジュニアヘビー級王者のエル・デスペラードが対戦。勝利した飯伏幸太選手が初代王者となる。もしかしたら、初代王者がエル・デスぺラード選手だった可能性もあったということだ。
IWGP世界ヘビー級王座 歴代王者
歴代のIWGP世界ヘビー級王者と、主な記録を集計。
防衛頻度は、防衛戦を何日ペースで行っているかの平均日数。少なければ少ないほど頻繁にタイトルマッチを行っている。
歴代 | 王者(年齢) | 獲得日 | 防衛数 | 日数 | 防衛頻度 |
---|---|---|---|---|---|
初代 | 飯伏 幸太(38) | 21.3.4 | 0 | 31 | 31 |
2 | ウィル・オスプレイ(27) | 21.4.4 | 1 | 46 | 23 |
3 | 鷹木 信悟(38) | 21.6.7 | 3 | 211 | 52.8 |
4 | オカダ・カズチカ(34) | 22.1.4 | 4 | 159 | 31.8 |
5 | ジェイ・ホワイト(29) | 22.6.12 | 2 | 206 | 68.7 |
6 | オカダ・カズチカ(35) | 23.1.4 | 2 | 94 | 31.3 |
7 | SANADA(35) | 23.4.8 | 4 | 271 | 54.2 |
8 | 内藤 哲也(41) | 24.1.4 | 2 | 99 | 33 |
9 | ジョン・モクスリー(38) | 24.4.12 | 4 | 79 | 15.8 |
10 | 内藤 哲也(42) | 24.6.30 | 1 | 106 | 53 |
11 | ザック・セイバーJr.(37) | 24.10.14 | 0 | 38 | 38 |
記録 | チャンピオン | |
---|---|---|
最年少記録 | 27歳 | ウィル・オスプレイ |
最年長記録 | 42歳 | 内藤 哲也 |
最大戴冠回数 | 2回 | オカダ・カズチカ内藤 哲也 |
最大防衛回数 | 4回 | SANADAオカダ・カズチカジョン・モクスリー |
通算最大防衛回数 | 6回 | オカダ・カズチカ |
最短防衛期間 | 31日 | 飯伏 幸太 |
最長防衛期間 | 271日 | SANADA |
通算最長防衛期間 | 271日 | SANADA |
歴代王者第10代までの8名のうち、AEWに移籍した選手が飯伏幸太、ウィル・オスプレイ、オカダ・カズチカ、ジェイ・ホワイト。そして、AEW所属選手がジョン・モクスリー。8名のうち5名がAEW所属である。
残る新日本選手は、鷹木信悟、SANADA、内藤哲也。全員ロスインゴ出身者。チャンピオンはAEWかロスインゴしかいないのである。新日本プロレス生え抜きの選手は内藤哲也ただひとりとなる。
新日本プロレスのタイトルにも関わらず、これはとても悲しい。頑張れ生え抜き!
驚異的なのはジョン・モクスリーの防衛頻度。15日に1回防衛戦を繰り広げている。戦いすぎだ。さすが、歩く暴力。
IWGP世界ヘビー級王座 全防衛戦一覧
IWGP世界ヘビー級のすべてのタイトルマッチを記載。IWGP世界ヘビー級の歴史をチェックしてみよう!
王者 | 日付 | 防衛数 | 対戦相手 |
---|---|---|---|
飯伏 幸太 | 21.3.4 | 獲得 | エル・デスペラード |
ウィル・オスプレイ | 21.4.4 | 獲得 | 飯伏 幸太 |
鷹木 信悟 | 21.6.7 | 獲得 | オカダ・カズチカ |
オカダ・カズチカ | 22.1.4 | 獲得 | 鷹木 信悟 |
ジェイ・ホワイト | 22.6.12 | 獲得 | オカダ・カズチカ |
オカダ・カズチカ | 23.1.4 | 獲得 | ジェイ・ホワイト |
SANADA | 23.4.8 | 獲得 | オカダ・カズチカ |
内藤 哲也 | 24.1.4 | 獲得 | SANADA |
ジョン・モクスリー | 24.4.13 | 獲得 | 内藤 哲也 |
内藤 哲也 | 24.7.1 | 獲得 | ジョン・モクスリー |
ザック・セイバーJr. | 24.10.14 | 獲得 | 内藤 哲也 |
時間 | タイトルマッチ | |
---|---|---|
平均試合時間 | 0:28:21 | |
最短試合時間 | 0:10:49 | SANADA vs ジャック・ペリー |
最長試合時間 | 0:44:53 | ウィル・オスプレイ vs 鷹木 信悟 |
2023年2月まではIWGPヘビー級王座の時代からの馴染みのチャレンジャーが多い。オカダ、棚橋、内藤、鷹木。
しかし、SANADA選手がチャンピオンになってからは、初チャレンジャーの選手が増えてきている。辻、ヒロム、ジャック・ペリー。そういう意味だと、SANADA選手は、IWGP世界ヘビー戦線に新しい景色を見せてくれたのかもしれない。
でも、タイトルマッチで10分はちょっとなあ。
IWGP世界ヘビー級王座 タイトルマッチ回数 TOP30
IWGP世界ヘビー級のタイトルマッチが多い選手は誰なのか?
タイトルマッチ数が多い選手でランキングを集計!
Rank | NAME | COUNT |
---|---|---|
1 | オカダ・カズチカ | 12回 |
2 | 内藤 哲也 | 9回 |
3 | SANADA | 8回 |
4 | 鷹木 信悟 | 8回 |
5 | ジョン・モクスリー | 6回 |
6 | ザック・セイバーJr. | 5回 |
7 | ジェイ・ホワイト | 4回 |
8 | EVIL | 3回 |
9 | ウィル・オスプレイ | 3回 |
10 | 飯伏 幸太 | 2回 |
11 | 辻 陽太 | 2回 |
12 | 棚橋 弘至 | 2回 |
13 | パワーハウス・ホブス | 1回 |
14 | 成田 蓮 | 1回 |
15 | タマ・トンガ | 1回 |
16 | グレート-O-カーン | 1回 |
17 | ハングマン・ペイジ | 1回 |
18 | エル・デスペラード | 1回 |
19 | 海野 翔太 | 1回 |
20 | ジャック・ペリー | 1回 |
21 | 高橋 ヒロム | 1回 |
22 | アダム・コール | 1回 |
多くの選手が1、2回しかチャレンジできていないにも関わらず、TOP5は6回以上のタイトルマッチを行っている。ここにチャンピオンとチャレンジャーの大きな格差が見てとれる。
IWGP世界ヘビー級王座 選手別勝率 TOP30
IWGP世界ヘビー級タイトルマッチに強い選手は誰なのか?
タイトルマッチの勝率でランキング集計!
Rank | Player | 計 | 勝 | 敗 | 分 | Rate |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ジョン・モクスリー | 6 | 5 | 1 | 0 | 83.3% |
2 | ジェイ・ホワイト | 4 | 3 | 1 | 0 | 75% |
3 | オカダ・カズチカ | 12 | 8 | 4 | 0 | 66.7% |
4 | ウィル・オスプレイ | 3 | 2 | 1 | 0 | 66.7% |
5 | SANADA | 8 | 5 | 3 | 0 | 62.5% |
6 | ザック・セイバーJr. | 5 | 3 | 2 | 0 | 60% |
7 | 内藤 哲也 | 9 | 5 | 4 | 0 | 55.6% |
8 | 鷹木 信悟 | 8 | 4 | 4 | 0 | 50% |
9 | 飯伏 幸太 | 2 | 1 | 1 | 0 | 50% |
10 | EVIL | 3 | 0 | 3 | 0 | 0% |
11 | 棚橋 弘至 | 2 | 0 | 2 | 0 | 0% |
12 | 辻 陽太 | 2 | 0 | 2 | 0 | 0% |
13 | パワーハウス・ホブス | 1 | 0 | 1 | 0 | 0% |
14 | 海野 翔太 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0% |
15 | 高橋 ヒロム | 1 | 0 | 1 | 0 | 0% |
16 | アダム・コール | 1 | 0 | 1 | 0 | 0% |
17 | 成田 蓮 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0% |
18 | タマ・トンガ | 1 | 0 | 1 | 0 | 0% |
19 | エル・デスペラード | 1 | 0 | 1 | 0 | 0% |
20 | ジャック・ペリー | 1 | 0 | 1 | 0 | 0% |
21 | グレート-O-カーン | 1 | 0 | 1 | 0 | 0% |
22 | ハングマン・ペイジ | 1 | 0 | 1 | 0 | 0% |
IWGP世界ヘビー級の勝率TOPは、ジョン・モクスリー選手。脅威の83.3%の勝率。しばらく再挑戦はないだろうから、この記録はなかなか抜かれることはなさそうだ。
そして、集計してみてとんでもなく当たり前のことに気がついたが、歴代チャンピオン以外は全員勝率0%なのだ。そりゃそうだ。そんな当たり前のことに今さら気がついた。なおさら83%の勝率はとんでもないことである。