赤いベルト。それは女子プロレス界の最高峰だ。
いまや世界にその名を轟かせる団体・スターダム。その頂に君臨するのが「ワールド・オブ・スターダム王座」――通称“赤いベルト”だ。華やかなコスチューム、エモーショナルなマイク合戦、そして容赦ない闘い。どの瞬間も見逃せないこのタイトルは、まさに“女王の証”。
初代王者は、高橋 奈七永。そこから始まる赤い系譜は、団体の隆盛とともに歴史を重ね、時には涙を、時には革命を巻き起こしてきた。イヨ・スカイ、トニー・ストーム、カイリ、ジュリア──世界で活躍する数々のスターたちがこのベルトを巻き、名勝負をリングに刻んできた。
この記事では、歴代王者一覧・戴冠数・最長防衛記録・初戴冠年齢ランキングなど、熱すぎる“赤いベルトのすべて”を大解剖! プロレスファンも、最近スターダムにハマりはじめたライト層も必見!
ワールド・オブ・スターダム王座とは
ワールド・オブ・スターダム王座(World of Stardom Championship)とは、スターダムが誇る女子シングル王座の中でも最上位に位置するタイトルであり、まさに“スターダムの顔”とも言える存在。見た目は真紅に輝くゴージャスなチャンピオンベルトで、ファンの間では“赤いベルト”と呼ばれて親しまれている。
設立は2011年6月。当時はまだインディー色が強かったスターダムにおいて、「国内外を問わず争う女子プロレスの最高峰を目指す」という理念のもと新木場1stRINGにて創設された。後楽園ホール大会で高橋奈苗が初代チャンピオンに輝いている。
この王座を巡る争いは、アイドル的な華やかさと、リアルな戦闘能力が入り混じる女子プロレスならではの緊張感に満ちている。そのすべてが、この赤いベルトの歴史を輝かせてきた。
初めての海外防衛戦は紫雷イオが行った。また初めての他団体流出はセンダイガールズの里村明衣子のである。
ワールド・オブ・スターダム王座 歴代王者
歴代のワールド・オブ・スターダム王座と、主な記録を集計した。
防衛頻度は、防衛戦を何日ペースで行っているかの平均日数である。少なければ少ないほど頻繁にタイトルマッチを行っているということだ。
歴代 | 王者(年齢) | 獲得日 | 防衛数 | 日数 | 防衛頻度 |
---|---|---|---|---|---|
初代 | 高橋 奈七永(32) | 11.7.24 | 7 | 602 | 75.3 |
2 | アルファ・フィーメル(30) | 13.3.17 | 0 | 43 | 43 |
3 | 紫雷 イオ(22) | 13.4.29 | 10 | 468 | 42.5 |
4 | 世Ⅳ虎(21) | 14.8.10 | 2 | 197 | 65.7 |
5 | KAIRI(26) | 15.3.29 | 3 | 119 | 29.8 |
6 | 里村 明衣子(35) | 15.7.26 | 1 | 150 | 75 |
7 | 紫雷 イオ(25) | 15.12.23 | 14 | 546 | 36.4 |
8 | 岩谷 麻優(24) | 17.6.21 | 2 | 95 | 31.7 |
9 | トニー・ストーム(21) | 17.9.24 | 3 | 258 | 64.5 |
10 | 花月(25) | 18.6.9 | 8 | 329 | 36.6 |
11 | ビー・プレストリー(23) | 19.5.4 | 5 | 184 | 30.7 |
12 | 岩谷 麻優(26) | 19.11.4 | 5 | 377 | 62.8 |
13 | 林下 詩美(22) | 20.11.15 | 9 | 409 | 40.9 |
14 | 朱里(32) | 21.12.29 | 10 | 365 | 33.2 |
15 | ジュリア(28) | 22.12.29 | 2 | 115 | 38.3 |
16 | 中野 たむ(35) | 23.4.23 | 3 | 211 | 52.8 |
17 | 舞華 | 23.12.29 | 6 | 212 | 30.3 |
18 | 刀羅 ナツコ(33) | 24.7.28 | 0 | 34 | 34 |
19 | 中野 たむ(36) | 24.8.31 | 2 | 120 | 40 |
20 | 上谷 沙弥(28) | 24.12.29 | 2 | 142 | 47.3 |
記録 | チャンピオン | |
---|---|---|
最年少記録 | 21歳 | 世Ⅳ虎 |
最年長記録 | 36歳 | 中野 たむ |
最大戴冠回数 | 2回 | 中野 たむ岩谷 麻優紫雷 イオ |
最大防衛回数 | 14回 | 紫雷 イオ |
通算最大防衛回数 | 24回 | 紫雷 イオ |
最短防衛期間 | 34日 | 刀羅 ナツコ |
最長防衛期間 | 602日 | 高橋 奈七永 |
通算最長防衛期間 | 1014日 | 紫雷 イオ |
ワールド・オブ・スターダム王座の特徴としては、防衛日数が長いタイトルで、一度チャンピオンになるとそう簡単にはタイトルの移動が行われない。また、最大戴冠回数は2回しかない。
また、一度チャンピオンになった選手は、海外でも大活躍をしている。紫雷イオはいまや世界の大スターとしてWWEで活躍中だし、カイリ、ジュリア、ビー・プレストリーもWWEで活躍をした。トニー・ストームはAEWでトップ選手となっている。
記録を見てみると紫雷イオがずば抜けていることがわかる。最大防衛回数14回、通算最大防衛回数24回、最長防衛期間にいたっては1014日!2.7年だ!最長防衛記録は高橋 奈七永だが、試合の頻度が少なく3、4ヶ月に1回の防衛戦のため最長記録となっている。
ワールド・オブ・スターダム王座 全防衛戦一覧
ワールド・オブ・スターダム王座のすべてのタイトルマッチを記載。ワールド・オブ・スターダム王座の歴史をチェックしてみよう!
王者 | 日付 | 防衛数 | 対戦相手 |
---|---|---|---|
高橋 奈七永 | 11.7.24 | 獲得 | 美闘 陽子 |
アルファ・フィーメル | 12.10.21 | 獲得 | 高橋 奈七永 |
高橋 奈七永 | 12.12.24 | 獲得 | 愛川 ゆず季 |
アルファ・フィーメル | 13.3.17 | 獲得 | 高橋 奈七永 |
紫雷 イオ | 13.4.29 | 獲得 | アルファ・フィーメル |
世Ⅳ虎 | 14.8.10 | 獲得 | 紫雷 イオ |
KAIRI | 15.3.29 | 獲得 | 紫雷 イオ |
里村 明衣子 | 15.7.26 | 獲得 | KAIRI |
紫雷 イオ | 15.12.23 | 獲得 | 里村 明衣子 |
岩谷 麻優 | 17.6.21 | 獲得 | 紫雷 イオ |
トニー・ストーム | 17.9.24 | 獲得 | 岩谷 麻優 |
花月 | 18.6.9 | 獲得 | トニー・ストーム |
ビー・プレストリー | 19.5.4 | 獲得 | 花月 |
岩谷 麻優 | 19.11.4 | 獲得 | ビー・プレストリー |
林下 詩美 | 20.11.15 | 獲得 | 岩谷 麻優 |
朱里 | 21.12.29 | 獲得 | 林下 詩美 |
ジュリア | 22.12.29 | 獲得 | 朱里 |
中野 たむ | 23.4.23 | 獲得 | ジュリア |
舞華 | 23.12.29 | 獲得 | 鈴季 すず |
刀羅 ナツコ | 24.7.28 | 獲得 | 舞華 |
中野 たむ | 24.8.31 | 獲得 | 刀羅 ナツコ |
上谷 沙弥 | 24.12.29 | 獲得 | 中野 たむ |
時間 | タイトルマッチ | |
---|---|---|
平均試合時間 | 0:20:34 | |
最短試合時間 | 0:02:20 | トニー・ストーム vs 岩谷 麻優 |
最長試合時間 | 0:43:19 | 林下 詩美 vs 朱里 |
2015年にはカイリとイヨ・スカイでワールド・オブ・スターダムを争っていたことがあったようだ。今や世界で活躍中の2人がこのタイトルで戦っているのは感慨深い。
また、舞華がタイトルを落とした24年7月からはタイトル戦線は、刀羅ナツコ、鈴季すず、中野たむ、舞華が繰り返しチャレンジャーとなっており、チャレンジャー不足の状態が続いている。今後、悪の女王としてチャンピオンになった上谷沙弥の防衛ロードで新しいチャレンジャーの顔ぶれを期待したい。
そして、特筆すべきは最短試合。トニー・ストーム vs 岩谷麻優。2分20秒で岩谷の脱臼のためレフェリーストップ。岩谷は無冠転落となり長期欠場へと追い込まれた。こればっかりは仕方がない。
逆に最長試合は、林下詩美 vs 朱里で43分19秒。この試合はまさに死闘でとんでもない試合だった。
ワールド・オブ・スターダム王座 タイトルマッチ回数 TOP30
ワールド・オブ・スターダム王座のタイトルマッチが多い選手は誰なのか?
タイトルマッチ数が多い選手でランキングを集計!
Rank | NAME | COUNT |
---|---|---|
1 | 紫雷 イオ | 29回 |
2 | 岩谷 麻優 | 18回 |
3 | 林下 詩美 | 14回 |
4 | 朱里 | 14回 |
5 | 花月 | 13回 |
6 | 舞華 | 12回 |
7 | 高橋 奈七永 | 12回 |
8 | 中野 たむ | 10回 |
9 | ビー・プレストリー | 9回 |
10 | KAIRI | 7回 |
11 | 里村 明衣子 | 6回 |
12 | 渡辺 桃 | 6回 |
13 | 世Ⅳ虎 | 6回 |
14 | ジュリア | 5回 |
15 | 上谷 沙弥 | 5回 |
16 | アルファ・フィーメル | 5回 |
17 | トニー・ストーム | 5回 |
18 | 彩羽 匠 | 4回 |
19 | 鈴季 すず | 4回 |
20 | 刀羅 ナツコ | 4回 |
21 | 葉月 | 3回 |
22 | 美闘 陽子 | 3回 |
23 | バイパー | 3回 |
24 | ジャングル叫女 | 2回 |
25 | メーガン・ベーン | 2回 |
26 | 木村 響子 | 2回 |
27 | 夏樹☆たいよう | 2回 |
28 | 木村 花 | 2回 |
29 | 愛川 ゆず季 | 1回 |
30 | 松本 浩代 | 1回 |
当然、防衛回数が多い選手がタイトルマッチが多くなる。それにしても紫雷イオの29回は驚異的だ。ちなみに紫雷イオは、初挑戦でタイトル獲得し10防衛を記録している。
続いては岩谷麻優が18回でノミネートしているが、岩谷は5回目のチャレンジでやっとタイトルを獲得している。ちなみに渡辺桃は6回チャレンジしていまだにタイトル奪取ならず。そろそろチャンピオンになってもいいんでないかな。渡辺桃待望論を推していきたい。
安納さおり、なつぽい、スターライト・キッド、AZMのワンダー・オブ・スターダムの顔ぶれはまだ一度も挑戦すらしていない。白いベルトを巻けても、チャレンジすらできない最高のベルトということである。
ワールド・オブ・スターダム王座 選手別勝率 TOP30
ワールド・オブ・スターダム王座タイトルマッチに強い選手は誰なのか?
タイトルマッチの勝率でランキング集計!
Rank | Player | 計 | 勝 | 敗 | 分 | Rate |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 紫雷 イオ | 29 | 26 | 3 | 0 | 89.7% |
2 | 朱里 | 14 | 11 | 2 | 1 | 78.6% |
3 | 中野 たむ | 10 | 7 | 3 | 0 | 70% |
4 | 花月 | 13 | 9 | 4 | 0 | 69.2% |
5 | ビー・プレストリー | 9 | 6 | 3 | 0 | 66.7% |
6 | 世Ⅳ虎 | 6 | 4 | 2 | 0 | 66.7% |
7 | 林下 詩美 | 14 | 9 | 4 | 1 | 64.3% |
8 | トニー・ストーム | 5 | 3 | 2 | 0 | 60% |
9 | ジュリア | 5 | 3 | 2 | 0 | 60% |
10 | 上谷 沙弥 | 5 | 3 | 2 | 0 | 60% |
11 | 舞華 | 12 | 7 | 5 | 0 | 58.3% |
12 | 高橋 奈七永 | 12 | 7 | 4 | 1 | 58.3% |
13 | KAIRI | 7 | 4 | 3 | 0 | 57.1% |
14 | 岩谷 麻優 | 18 | 9 | 9 | 0 | 50% |
15 | 里村 明衣子 | 6 | 2 | 4 | 0 | 33.3% |
16 | 刀羅 ナツコ | 4 | 1 | 3 | 0 | 25% |
17 | アルファ・フィーメル | 5 | 1 | 3 | 1 | 20% |
18 | 渡辺 桃 | 6 | 0 | 6 | 0 | 0% |
19 | 鈴季 すず | 4 | 0 | 4 | 0 | 0% |
20 | 彩羽 匠 | 4 | 0 | 4 | 0 | 0% |
21 | 葉月 | 3 | 0 | 3 | 0 | 0% |
22 | バイパー | 3 | 0 | 3 | 0 | 0% |
23 | 美闘 陽子 | 3 | 0 | 3 | 0 | 0% |
24 | 木村 響子 | 2 | 0 | 2 | 0 | 0% |
25 | 夏樹☆たいよう | 2 | 0 | 2 | 0 | 0% |
26 | ジャングル叫女 | 2 | 0 | 2 | 0 | 0% |
27 | 木村 花 | 2 | 0 | 2 | 0 | 0% |
28 | メーガン・ベーン | 2 | 0 | 2 | 0 | 0% |
29 | ひめか | 1 | 0 | 1 | 0 | 0% |
30 | ニコル・サボイ | 1 | 0 | 1 | 0 | 0% |
ワールド・オブ・スターダム王座の勝率TOPは、またもや紫雷イオで脅威の89.7%の勝率。これはやばいことになっている。絶対王者と言ってもいい。
次に勝率が高いのは朱里。こちらも78.6%の勝率ととんでもない数字だ。
そして、スターダムのアイコン岩谷麻優の勝率は50%。五分五分だ。実は岩谷麻優はタイトルマッチに強いわけではないのである。ベルトを持っていなくてもレスラーとしての価値が下がらないから、スターダムのアイコンとなっていたのである。でも、もうマリーゴールド行っちゃったけども。
そろそろ勝率0%の人たちから新しいチャンピオンが出てくるのをみたい。個人的に葉月、渡辺桃の2人のベルトを巻く姿がみたい。
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プロレスとの出会い、女子高生レスラーとしてのデビュー、スターダムへの参戦、チャンピオンの苦悩、理想のプロレス像、さらには噂される海外挑戦について、その胸に秘めた思いを書きつづった。

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